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贈りモノはアヤカシな許嫁!?  作者: 吉本優
東のうつけ殿

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レッツゴー、ビーチへ!⑥


「……何じゃ? まだ妾に用があるのか?」


「大アリだ。最近清海がこの辺で悪さをしてる妖がいるって話をしていてな。お前、その悪さしている妖か?」


「そんな訳なかろう!! 妾は清廉潔白な妖であるぞ!!」


「やよいを攫ったのにか?」


「……それは西の妖が妾の縄張りを荒らしに来たのかと確かめただけじゃ! 特に妾は人間に害を加えるつもりはない!! それに人間に手を出したりしたら……」


 何か俺を顔を見て顔を青ざめていた。

 失礼な野郎だ。


「まぁまぁ、一二三さん。しいなさんも悪いことをしたと思っていますので、穏便に接してください」


 俺が持ってきたTシャツや水着の片割れを着ながらやよいはしいなと呼ばれている妖をフォローしていた。


「十六夜乃御子の子よ……、お主良い奴であるな! 妾は感激だぞ!!」


 しいなはそう言うと竜の体が光出した。


「おー、人型になったな」


「やはり、本来の姿だと話しにくいからな。妾も普段はこの姿でいる事が多いのだ」


 人型になったしいなはやよいぐらいの背丈で青色のセミロング。

 そしてよく言えばスレンダー、悪く言えばペチャパイな見た目だな。


「……何やら失礼な事を考えていなかったか?」


「やよいが巨乳で良かったなと思っただけだ」


 やはり大は小を兼ねるってことわざがあるからな。


「ところでしいなさんは何故人型に姿を変えたのですか?」


「東野一二三は兎も角、やよいが話が分かる感じなのでな。ちと妾の愚痴を聞いてほしくてな……」


「やよい、帰るぞ。こんな失礼な海蛇の話を聞く理由なんてないぞ」


「なっ!! 妾を海蛇のと一緒にするでない!! 妾は偉大なる竜の妖であるぞ。そして、南妖を統べる偉大な存在である!!」


「さっきから気になってたんだけど、お前本当に南妖の主なのか?」


「……ほ、ほんとであるぞー」


 しいなは露骨に目を逸らした。


「でも、確か母様の話では代々南妖は竜の妖が主をしていたと聞きましたよ?」 


「いやさぁ、コイツ主にしては随分と弱い気がしてさぁ」


「それは聞き捨てならぬ!! 妾は水生の妖の頂点に属する竜であるぞ!! 其処らの妖たちとは格が違うのだ!!」


「ほぅ、ならその実力を見せてみろ」


「ひぃいいっ!! すいません!! 妾は実は落ちこぼれの妖なのじゃ!!」


 明らかにしいなはビビった様子で後退りしていた。


「えー、母様から南の主は強いって話を聞いていたのに……」


 いつも敬語で話すやよいも思わずタメ口で話していた。


「う、うるさいわ!! あれもこれも全部東野一二三っ!! お前のせいだ!!」


「人のせいにするのはよくないぞ。それに俺はお前と会った事は……」


―――――


『汝は何故妾を生かすというのだ……?』


―――――


「……まさか、お前《転生の術》を使ったのか? となると、確かに俺はお前と会った事があるな」


「ようやく思い出したか!! この唐変木!! 貴様にやられてから妾は酷い目にばかりあっているのじゃ!!」


「一二三さん、何か思い出したのですか?」


「あぁ、確かあれは夏休みを利用して南場のとこに遊びに行った時だったな。海水浴で楽しんでいたらデカい蛇が海から急に現れてな。『此処から去らねば食い殺す』とかよく分からん事を言いだしたから、成敗してやった」


「転生前の妾は今まで積み上げてきた強さね自信が小童に粉々に砕かれて、更に殺さず逃すという情けを受けてな。心身共にやるせなくなり今の妾に転生したのじゃ」


「大変だったんだな、お前」


「何を他人事のように言うとるのだ!! 転生した妾であるが以前の力が全く発揮できず、他の妖たちから『出来損ない』って蔑まされるのじゃーっ!! 妾は南妖の主なのにーっ!!」


 そう言ってしいなはえんえんと泣き出してしまった。


 一応見た目は俺より年上っぽいのにな……。

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