静かに燃え上がるタイプ
「…………」
「…………」
中々俺とやよいの間の空気が重い状態が続いている。
伊吹が割り込んできてからは、後処理は伊吹が行うことになった。
あのおっさんを東山家に連行する事になったらしい。
俺とやよいは日が暮れそうになってきた為、とりあえずは自宅に戻る事にしたのだが、空気がだいぶ重い!!
原因は俺にあるのだが、何から話せばいいのか話題選びに困っている。
「あの、一二三さん……」
俺が四苦八苦悩んでいるとやよいが声をかけてきた。
「急に泣き出してすみません。私たち妖の事を馬鹿にした事を怒ってくれたのに。でも私は優しい一二三さんが好きなので必要以上に暴力を振るう一二三さんを見ていられなくて」
「あー、ごめんな、あれは俺が悪かったわ。カッとなるといつも周りが見えなくなるんだよ。むしろ止めてくれてありがとうな」
まぁ、東山家に連行されるんだったら俺が手を出さなくてもよかったのかな?
いや、1発ぐらいは殴らないと気が済まんな。
「夫のやった事は妻がやった事と同じですよ。そうしたら一二三さんの罪悪感も少しは楽になるはずです」
いや、あんま罪悪感とかは無いんだけどな。
「まぁ、今回はやりすぎたと思うから反省するわ。これを踏まえて今後は何もしないで隠居しようかと思っていーーー」
「駄目です」
ちっ、しれっと隠居しようかと思っていたのがバレたか。
「あっ、一二三さん、ちょっとした大事件が発生しました」
「今度は何だよ次から次にトラブルが発生するのは勘弁だぞ」
「さっきあれやこれしているうちにパンツを返してもらうのを忘れてしまいました……」
そう言うとやよいは頬を少し赤く染めた。
「おぅ、じゃあ、今はノーパンなのか?」
「はい、お尻の周りがスースーしていますよ」
あれ、確か巫女服みたいな和装ってブラを着けて無いんだよな……。
「一二三さんが思っている通り、和装なのでブラジャーも着けていないですよ」
「なっ! そ、そんな事思ってねぇーよ!」
「一二三さんの視線が私の胸を見つめていたのは明白です! 遠慮しないで『見せてくれ!』って言ってくだされば喜んでお見せしますよ!」
「いやいや、それは遠慮しておくわ」
女性の男性に対する視線に敏感っていうのは本当なんだな。
今後視線には気をつけないとな。
「むぅ、それは残念ですね。それなりに自信はあるのですが」
やよいは自分の胸を揉みながら残念そうに言った。
「公の場で自分の胸を揉むな!」
本音を言えば俺も触ってみたいが、その瞬間既成事実になってしまうからグッと我慢だな。
しかし、やっぱやよいの胸ってデカいよな。
普通にDぐらいはありそう。
――――
「では、我は久しぶりに自宅に帰るとする」
日もすっかり暮れた頃、たかしはいつも住み込みで働いているたかしは久しぶり自宅に帰るようである。
「おー、ことみによろしくなー」
「承知した。必ず伝えるとしよう」
「え、たかしさんに別に住んでいる家があるのですか?」
「そうだな。たかしは普段はここで暮らしているが、偶にことみさんが住んでいるとこに行ったりしているんだ」
「それってつまりことみさんはたかしさんは夫婦なのですか?」
「奥様? うーむ、そういう訳ではないのだがな。ただ共に暮らしているだけの関係であるぞ」
「まぁ、当人たちは結婚しているとは考えていないみたいだけど、端から見たら普通に夫婦だぞ」
たかしとことみはお互い否定はしているのだが、明らかにイチャついている事もあり、夫婦以外の何でも無い。
まぁ、100年以上も一緒にいればこんな感じになんのかな?
「やはり、夫婦なのですね! 私もことみさんと会ってみたいです」
「承知した。近いうちにことみをここに連れてこよう」
ことみをうちに連れてくる約束をしてたかしは自宅に帰って行った。




