表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/80

第69話 ガウス

夢の中、誰かが呼んでいる気がする。体の感覚がない。前にも同じようなことがあったような…。

「起きよ」

俺は()っすらと意識が覚醒(かくせい)していく。


眼が覚めると、辺りが真っ白に輝いた空間にいた。

(ここは前にも、転生する前に神様に会ったところだ。するとまた、神様が呼んだのかな)

「起きたか」


俺は辺りを見る。ぼんやりと人の形をしたものがある。父さんとシズク師匠、チヒロだ。直感的に分かった。なぜかは分からない。でも間違いはないと確信がある。そして俺たちの目の前にいるのは、異様ともいえるほどのオーラを放つ人だ。これが神様だろうか。


「私の名はガウス。人の世では魔神とも創造神とも呼ばれている者だ」


ガウス。この世界に来てから何度も名前を聞いた、神の名ではないか。どうして、いきなり。


「やってくれたな。いや、あいつの(たくら)みに気付かなかった私にも責任がある。なんにせよ、やってしまったものは仕様がないな」


企み?一体どういうことなんだよ。


「そうだな。説明が必要だな。簡潔に言おう。お前たちが昨日、(くだ)いた魔石は私の弟であるザウスを封印していたものだ。つまりザウスは今、封印が解かれたということだ」


あれが…ザウスの封印?。どういうことだ。


「ザウスがお前たちを異世界から呼び出し、自らの封印を解かせたのだろう。封印され、体も動かないにもかかわらず1万年という時間を経て復活したのだ」


じゃあ、俺たちを転生させたのはザウスで、誘導されていたのか…。


「ああ、そして時間がない。お前たちを覚醒させる。目を覚ましたら早く逃げるのだ」


時間がない?


「ああ、アカリとやらが封印を解かれたザウスを迎えに行き、大量の魔物を(ひき)いて戻って来ている。お前たちを殺すためにな」


俺たちを殺す?


「そうだ。封印を解いた今、お前たちは用済みとなる。そうであるならば、殺してしまった方が安全だ。この世界で今、ザウスを倒せるのはお前たちだけだだろうからな。同様の理由で、お前たちが殺されるのは私が困る。だから、逃げろ。もう時間がない。詳細は後だ」




その言葉を最後に俺は目を覚ました。父さんたちも同じだ。

「父さん」

「ヒサメ、逃げるぞ!」

父さんは目が覚めるとすぐに逃げる準備をする。だが、師匠は遠くを見ている。

「あかん、もう遅かったみたいやわ」

師匠の(ひとみ)には丸い模様が浮かんでいた。


師匠の言葉の意味は俺にはすぐに分かった。すぐそこまで来ている。魔物の大群だ。俺たちだけではどうしようもない。


「父さん、転移の魔術だ」

だが、父さんは下を向く。

「早く!」

「転移は…俺を含めて3人までしか飛ばせない」

「そん…な」


今、この場にいるのは俺に父さん、師匠にチヒロだ。一人足りない。走って逃げるか?無理だほぼ全方向から来ている。ダメだ。逃げられない。


そんな時だった。

「何してるん?はよ3人で逃げな」

「え?師匠は?師匠はどうするんですか?」

「うちは自力で逃げるよ。この中でやったら一番可能性が高いからな」

「そんな。なら俺も残る」

「何言ってるん?ヒサメが残ったらチヒロもリョージさんも残るって言うで」

俺は後ろを振り返る。

「ヒサメくん」


どうしたら?無理なのか?ああ、何も分からない。どうしようもない。


俺は頭を抱える。

「リョージ義兄さん。お願いします」

「シズク。でも…でも、(れい)に続いて君まで…」

「やっとヒサメに会えたんやろ?」

「グッ。行くぞヒサメ」


強く()んだのだろう。父さんの唇からは血が流れていた。声も震えていた。

「でも、師匠が!」

「あいつなら大丈夫だ。早くしろ。シズクの気持ちも考えてやれ」

俺は父さんに強引に引きずられる。

「チヒロも」

「は、はい」

チヒロは(うつむ)きながらついていく。


「またな、シズク。…すまね」

「うん、またね。ありがとう、義兄さん。こんな役してもうて。ヒサメ、あんたの師匠になれて楽しかったよ。チヒロ、ヒサメのこと頼んだで。さぁ、行きな」


父さんは無言で転移の魔術を使った。





「行ったか。生き残れるかな?無理っぽいかな?最後に言うといたらよかったな。ヒサメに大好きやって。でも、ちょっと恥ずかしいかったからな~」

どんどんと近づく。もう、見える位置だ。

「もうやな。簡単には死なへん。うちを相手したこと後悔させたるわ。さぁ、足掻(あが)こうやないか!」

ついに書きたかったところかけた。多分4章はあと1話になるかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ