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第66話 VS剣術家

私は、不知火智洋(しらぬいちひろ)。今、ヒサメ君と二体の魔物と向き合っている。


こいつら強い。特に猿みたいな方ヤバそうな雰囲気だ。剣も持ってるし。


私はシズクさんに手伝いが必要かと聞かれたが、ヒサメ君と二人で戦うことに決めた。そのまま私はヒサメ君にどっちを担当するか聞かれ、大きい相手との戦いは苦手というのもあって猿の魔物と答えた。


私は猿に向かって構えた。その瞬間、猿が(すさ)まじい瞬発力で距離を詰める。そこはもう剣の間合いだ。相手が剣を振るう瞬間に私は後ろに飛ぶ。しかし、剣先が腹を薄く斬った。私はすぐに反撃する。だが、私の攻撃がすべて見切られ、合間に反撃のカウンターをもらう。


このままでは押し負ける。

私は大きく距離をとる。まずは、あの剣をなんとかしないとな。


再度、距離を詰める。相手が迎え打つために剣を振るう。私は被弾覚悟で剣を奪おうとする。しかし、剣に意識を持って行き過ぎた。相手の剣はフェイクだったのだ。剣が私にあたる前で止まり、流れるように蹴りが私の腹を捉える。


私は吹き飛ばされる。だがしかし、寝転んではいられない。私はすぐさま起き上がる。すると、相手が距離を詰めている。今度は剣を大振りしている。


隙が大きい。反撃できる。いや、フェイクか?


私は一瞬の迷いが生じる。その隙に神速の振りが落ちる。私はなんとか、身を屈めながら前に回避した。しかし、これは相手に背を向けてしまうことになる。しかも相手は剣を持っている。致命の一撃をもらいかねない。


「危ない!」

思わずシズクが声を漏らした。


私は屈んだままの体勢から相手に向けて爆発的な踏み込みで立ち上がりながら、体当たりをくらわす。

「ハァ!」

この瞬間スキル全肉体的能力向上を最大限にまで高めていた。相手はトラックにひかれたかのように飛んでいった。


「当たった感覚がおかしかった」

だが思っていた以上の手ごたえが感じられない。相手は立ち上がってくる。しかし、その手に持っていた剣は刃がボロボロとなくなっていた。

「当たる瞬間に剣を入れていたのか。でもダメージは大きいはずだ。それに剣も持っていない」


私と猿は距離を詰め近距離戦となる。しかし、意外に相手は素手も強い。お互いが決定打を見いだせずにいる。だが、私はこの状況で集中力が上がりつつも落ち着いていた。


懐かしい。師匠との打ち合いを思い出す。それに何だか身体の調子がどんどんよくなっていく。やりたかった動きができる。相手の行動が良くみれる。まるで師匠に近づいていっているみたいだ。疲労感も痛みもない。それどころか力が溢れるようだ。


「この勝負はチヒロの勝ちやな」

シズクが呟く。それに反応したのはサンドラだった。

「どうして分かる。確かに体当たりは驚いたけど、今は互角だぞ」

「チヒロはドンドンとスキルを使いこなせてきてる。さっきみたいに瞬間的なもんじゃなくてな」

「なるほど。スキルで見たのか」

「うん。チヒロはこっちに来て魔力もスキルも身体も慣れてなかったんや。でもそれが徐々に慣れて修練と実践を短期間に多く積んでいった。その結果が今や。深い集中力でスキルを使ってる。もう猿が勝てるようにはならん」


私は相手の動きに追いついていった。もう攻撃は当たることはない。私は攻撃を躱すと同時に震脚をし、相手に拳を打ち込む。発勁だ。相手は大きく吹き飛び、立ち上がることはなかった。勝負ありだ。


「ありがとうございます。あなたのおかげで私は強くなれました」

私はそう言うととどめを刺した。

鉄山靠、ロマンよな。チヒロの覚醒回でした

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