第64話 遺跡へ
窓から差し込む朝日で目が覚める。俺が食堂で朝食を食べているとアカリも来た。
「おはよう、ヒサメ君。早いのね」
「おはようございます。アカリさん」
「昨日は欲しかった情報手に入れられた?」
「なんでそれを!」
俺は昨日のことはマルコ以外にも師匠にも父さんにも言っていない。
「ふふっ。実は資料館に入って行くのを見ちゃったのよ」
「それでですか」
「驚かせてごめんね。で、情報が手に入ったようね。それじゃあ、もう目的の遺跡に行きたいのだけども、大丈夫かしら?」
これ以上情報を得ることも難しいそうだし、マルコのためにできることはもうなさそうだよな。
「はい、大丈夫です。いつ出発ですか?」
「そうね。出来れば今日中に出たいわね」
「分かりましたすぐに準備してきます」
俺は部屋に戻る前にマルコの部屋に立ち寄った。
「マルコ、俺たちは今日中に出ることになった」
「ああ、聞いているよ。ヒサメやサンドラさん、連れてきてもらったアカリさんたちには悪いけど、僕はここに残ることにする」
「そうだよな。一緒にいてやれなくてすまないな」
するとマルコは笑って答えた。
「何言ってるんだ。この資料を持って来てくれただけでも感謝している」
「そうか。暗殺部隊とかきな臭いことになっている。気をつけろよ」
「僕は大丈夫さ。それよりも護衛にサンドラさんやシズクさんまで連れていく任務だ。ヒサメの方こそ気をつけろよ」
「ああ、分かっている」
俺たちは昼過ぎに出発することになった。
「じゃあな、マルコ」
「サンドラさんお世話になりました。アカリさんもここまで連れてきてもらったのに申し訳ありません」
「いいのよ。マルコ君はマルコ君のするべきことをしなさい」
「ありがとうございます」
名残惜しいが、俺たちは聖都イグを後にした。
今まで来た道とは異なり、遺跡までの道なりは整備などされておらず、険しいものであった。魔物も多く、それも今まで見たことのないやつらであった。そいつらの露払いは俺とチヒロが志願した。経験の少ない俺たちが経験を積むいい機会だったからだ。途中交代で師匠らが戦ってくれたが、俺の半分の時間で倒してしまっていた。
「ここの魔物も師匠の敵ではないですね」
「ヒサメもチヒロも危なげなく勝ててるよ。でも油断したらあかんで。ここの魔物は強い。うちも大勢に囲まれたら死ぬかもしれへん」
そんな大軍に囲まれることなどないでしょとも思ったが、未知の場所だ。師匠の言う通り油断せずに行こう。
そんなこんなで進むこと三日目、今までにないような魔物二体に出会ってしまった。




