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第41話 特訓の成果

マルコの気分が復活した後、俺は魔力制御の練習をしていた。そして試しに技を発動させる。

界雷一刀(かいらいいっとう)

その斬撃は視認(しにん)するのも難しいほどの速さで飛んで行き木を簡単に倒す。

「う~ん。これだけやっても魔術にスキルを上乗せすると制御しきれないんだよな」


「凄い技」

そこにやって来たのはネヴィースキだった。

「ありがとう、ネヴィー。だけど、まだ未完成なんだよ」

「これで?」

「本当は魔術を剣の形にとどめたいんだけど一振りで暴発するんだよ」

「なるほど。だから魔力制御の練習してたんだ」


その時だった。隣からバーンという物凄い音が聞こえてきてサンドラがぶっ飛んできた。

「いって~」

「サンドラ様!」

珍しくネヴィーの感情が表情に出る。

「ヒサメにネヴィー。どうした?」

「いや、どうしたは飛んできたサンドラの方なんだが」

「いや魔術に失敗しただけだ」

「サンドラ様が魔術を失敗?」


「サンドラも新しい魔術を身につけようとしているんだ」

「あんなに強いのにまだ?」

「俺は強くなんかないよ。過去に大切な人を守れなかった。大事な奴を置いていった。ただのクズだ」

ネヴィーは顔を傾ける。俺もサンドラのことはほとんど知らないが、昔何かあったのだろう。いつか話してくれるだろうか。


「サンドラ、少し魔力制御のコツを教えてくれないか?」

「ああ、いいぞ」

俺はサンドラと一緒に魔力制御の練習を続けた。


そして翌日。朝から魔力制御の練習をしていた。

「うん?なんか調子いい気がする」

いつもよりも魔力の流れがスムーズだ。試しに身体強化を発動させると、いつもよりも強力になっていた。

「雷魔術、そして千変万化(せんぺんばんか)の腕を発動」

俺は雷を剣の形にしていく。いつもよりも綺麗な形だ。俺はそれを振るう。一振り、二振り、三振り。しかし、魔術が暴発することはなかった。


「よっしゃ、うわ!」

俺が喜んだ瞬間に魔力が暴発した。

「集中を切らしたか。でも、完成だ」

考えていた魔術剣がようやく完成した。本来形のないものを剣にする。これが俺だけの剣だ。


俺は嬉しくてサンドラに報告する。

「サンドラ!ようやくできるようになったよ」

「おお!すごいなヒサメ」

サンドラは自分のことのように喜んでくれた。

「いつも練習に付き合ってくれてありがとうな。サンドラの方はどうだ?」

「俺はもう少しかかりそうだ。というより全然出来ていないな」

サンドラがやっていることは俺のものとは比べようもないほど難しいのかもしれない。魔術でスキルの再現をするわけだしな。


「俺に出来ることなら手伝うよ。千変万化の腕に似ているんだろ?そのスキルって」

「その時は頼らせてもらう」

「おう!」


俺は試しにもう一度、技の練習をしようと思い広場に来ていた。

「風魔術、スキル発動」

目に見えない風の塊が剣の形になっていく。しかし、俺は違和感を覚える。

「なんだ、さっきの時よりも剣がまとまらない」

試しに振ってみると、風の塊が前方に飛んでいき木々をなぎ倒してしまう。

「あれ?失敗?」

これでは今まで通りの嵐一刀だ。魔力を制御出来ていない。


「集中力が切れた?いや、そんな感じでは…」

風魔術が苦手なのかな?いや、逆に雷魔術だけが得意なのか?どっちにしろ魔力量的にこれ以上技はできない。


少し落ち込んだが、今日初めて成功したのだ。まずはそれを喜ぼう。そう思い俺はサンドラのもとに向かった。サンドラは凄い集中力で声をかけるのもためらってしまった。

「秘術、杖創造」

サンドラの手から黄金の林檎(りんご)が落ちて土に着いた。その瞬間、林檎から魔力があふれ出して爆発する。

「また失敗か」


「サンドラ大丈夫?」

「ヒサメか。大丈夫だ」

サンドラは立ち上がり林檎を拾う。

「ヒサメ試しにこれにスキルを使ってくれないか?」

「え!?これに?」

「どうした?」

「いや、千変万化の腕って単一体の金属や水とかじゃないと使いにくいんだよな。特に動植物はね」

「千変万化の腕にそんな弱点が」

「まぁ出来ることはできるよ。貸して」


俺は林檎を受け取るとスキルを発動させる。

「これは…」

俺は感覚的にこの林檎を感じ取る。そして、俺の腕は金色になる。


「凄く派手だな。どんな感じだ?」

「圧倒的な魔力を文字通り肌で感じる。それに変わった魔力だ。それにスキルのはずなのに魔力を消費している」

「スキルよりも上位のものってことか。それとも林檎の魔力をまかなうためか」

俺はスキルを解除する。すると急に疲れが出る。

「大丈夫か!」

「ああ、少し疲れただけだ」

「すまないな」

「謝ることじゃないよ」


俺は落ち着いてから話を続ける。

「この実はなんとなく凄いことが分かった。言葉では伝えにくいけど」

「そうか。ありがとう、参考になった」


そう言うとサンドラは深呼吸を一回する。

「魔人化」

すると、サンドラの身体が緑色に淡く光る。


「話には聞いていたが、これが魔人化。凄い圧だな。師匠に匹敵するんじゃ?」


「スキルにもかかわらず魔力を消費する。かなりの魔力量が必要なのかもしれない。そして魔力制御も今のままじゃ無理だ。だから魔人化で底上げをする」


サンドラは再び林檎に魔力を込める。林檎にも淡い緑色を()びる。

「秘術、杖創造」

すると、地面から杖が現れる。サンドラが杖を振る。次の瞬間、木の枝を切り裂く。

「今のは風魔術?」

「いや、違う。ただ(あふ)れた魔力だ」

それだけで…。あの杖にはどれだけの魔力が込められているのだろうか。

「魔力を制御出来ていないな。前のヒサメと同じ状態だ。それにこれを制御しきれている神樹様は一体どれだけの…」


「魔術を使ってみたら?」

「そうだな。ロックボム」

サンドラの前に岩の塊ができて放たれる。俺はその時言いようもない危険を感じる。

「サンドラ!」

俺は咄嗟(とっさ)にミスリルの盾を作りサンドラの前に出る。


魔術が爆発し、爆風が飛んでくる。俺はそれを何とか防ぎきる。爆風が収まった後に見ると地面が凹んでいた。

「これは…」

「抑えられなかったか」

見るとサンドラの手には杖ではなく林檎が握られていた。

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