第32話 ブルーバラ対チヒロ
更新が遅れてしまい、すいませんでした。
勝負を終えた俺とネヴィースキはチヒロとブルーバラが戦っているであろう方に歩いて向かっていた。
「チヒロとブルーだったっけ?どっちが勝つかな?」
「私はチヒロを知らないから分からない」
「それもそっか」
「けど、私は師匠が負けるとは思えない」
「え!?ネヴィーってブルーの弟子なの?」
そうしているうちに現場に着いた俺たちは驚くべき光景を見ることになった。
今からおよそ半時間ほど前
「よろしくお願いします」
「おう、思いっきりこい!」
2人は武器を持たずに構える。2人は互いに前に出て、接近戦の間合いに入る。始めは互いに様子見で、攻撃をガードするか避けるかでさばいていく。そこから徐々に二人はペースを上げていく。二人が拳を交える度に空気が震えているような気さえしてくる。
「いいなぁ!まだやれるか?」
「はい、いけます」
「じゃあ更に上げてくぞ」
ここまで、どちらかというと防戦気味だったチヒロがここから真価を発揮していく。
ブルーの拳をギリギリまで引きつける。『当たった!』とブルーが確信した時だった。チヒロは最小限の動きでそれを躱した。そのままブルーの懐に潜り込み、掌底を胴体に打ち付ける。ブルーはガードもほとんどできないまま、もろに当たる。
「グフッ!」
ブルーは大きく後ろに吹き飛ばされて地面に転がった。
そこに俺とネヴィースキがやってきた。
「師匠が吹っ飛ばされてる。これは驚き」
「その割には表情が動いてないけど。まぁこれは意外だったな。チヒロってこんなに強いんだ」
「これは勝負ありかな?」
「いや、師匠は頑丈」
ネヴィースキがいうようにブルーは立ち上がる。
「うおー、気持ち悪い。内蔵がゆらされたみてーだった」
「ええっと?結構強めに掌底を打ったに、どうして動けるの?」
「俺は鍛えてるからな。さて、続きだ」
二人は再度、構える。先に動いたのはブルーだ。先ほどのやりとりでブルーはチヒロに対する警戒心を一段階上げている。攻撃も大ぶりなものから小ぶりなものになった。先ほどのようなカウンターは通用しないだろう。
ブルーがチヒロの間合いの外から蹴りを放つ。チヒロは腕でガードするも、勢いを殺しきれずに頭に当たり、流血する。チヒロがひるんだ隙にブルーが攻撃を仕掛ける。その連撃をさばいていくも少しずつ押され始める。チヒロは慌てずに相手の攻撃を観察していた。
『リズムが分かってきた。そこだ!』
チヒロが前に出る。ブルーのパンチをまるで予知していたかのようにすり抜ける。
『抜けられた!しかし、勢いで前のめりになってやがる。防御できる』
ブルーがバックステップをしようとしたとき、既にチヒロの拳がブルーの腹にあった。
『な!?早い』
「ハァ」
チヒロの一撃をブルーはくらう。
「グボォ」
ブルーはまたしても吹きとんだ。
「ゲホゲホ!参った。降参だ」
ブルーは両手をあげる。
俺とネヴィーは二人に駆け寄った。
「二人ともお疲れ様」
「ありがとう。ヒサメ君」
「お疲れ、師匠。まさか師匠が負けるとは」
ブルーが腹をさすりながら近寄る。
「いやー、強かったぜ。特に最後の一撃は効いたな。ありゃーなんだ?」
「私も気になる」
「ええっと。あれは発勁っていって私の流派の攻撃なんだ。小さいモーションでもかなりの威力になるよ」
「へ~、外には色んな流派があるんだな。腹が爆発したかと思った」
ブルーは転生のことは知らないので、この世界の流派だと思ったようだ。
「今回はありがとうございました。ブルーさん」
「いいや、俺も悪かったな。全力を出させてあげれなくて」
どういうことだ?チヒロはあれで全力じゃなかったのか?
「え!?気づいてたんですか?」
「おう、力を抑えてただろ?」
「はい。けど、今の私が扱える最大があれだったんで、全力ではないですが本気でしたよ」
「なるほど。まだスキルを使い切れてないのか」
「はい、すいません」
「いや、まだ伸びしろがあるのはいいことだ。これからなるべく力を出せるようになればいい」
「ありがとうございます」
そこにサンドラが現れる。
「ブルー、お婆が呼んでいる。少し来てくれ」
「おーサンドラか。ちょうどよかった。少し治癒魔術をかけてくれ」
「どうした?」
「チヒロのスキルを試すために模擬戦をしていてな」
「なるほど分かった」
サンドラがブルーに治癒魔術をかける。俺とネヴィーはそれほどケガがなかったので治癒魔術は遠慮した。
「これでよし」
「おお、ありがとな」
「じゃあ次はチヒロだな」
「ええっと、私も大丈夫です」
「そんなはずないだろう。頭から血が流れてただろう」
ブルーがチヒロの頭を見る。
「血が止まってるだけじゃない。傷が治ってる」
「まさか!チヒロのスキル、全肉体的能力向上は身体能力だけでなく自然治癒力も上がるのか」
「そのようです」
「俺のスキルも魔力回復が早くなるからな。不思議じゃないか」
「ふむ。身体強化と同じようなものだと思っていたが、思っていた以上に強力なスキルだな」
チヒロがスキルを使いこなせるようになったら師匠のように化けるかもしれない。
チヒロ強くしすぎたかな?




