フラグって回収される物なの?。
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ベレンスト女王)成る程、してサイラス?例の帝国の暗殺者から引き出せた情報とな?・・・あのクソ皇帝が!私の娘サーラにまで毒牙に掛けるとは!、あのクソロリコンが!?おっといかん思わず口調が荒くなってしまった。
女王の娘、元第2王女サーラ・ベレンスト10歳、帝国の伯爵家に嫁いでいた、少なくとも信用できる人物にと送り出した筈だったが、その予想を見事に裏切られていた。
暗殺者は殺さず生かさずを繰り返し、吐きださせた、かなり先行きよろしく無い内容だった。
ベレンスト女王)サイラスよ?帝国に10人しかいないのだったな?、暗部直轄の精鋭の首が転がっていれば、相当動揺する筈だ、我が娘を攫い取り返すには絶好の機会だと思わぬか?、我が国の暗部精鋭部隊は300、この陽動を用いれば容易に取り戻せるだろう。
奴等の首は陽動として大いに使える、混乱に乗じサーラを取り戻して参れ!。
城内で気配が一斉に動き出し消えて行く。
ベレンスト女王)して?その内容で間違い無いのだな?・・・まさか前皇帝の娘が生き伸びていたとは思わなんだ、しかもあの現皇帝に復讐をする為、強くなろうと努力しておると?。
上級冒険者サイラス)はっ、特にあのシーノ姫が得たギフトはそれは恐ろしい程の、力を有しております、しかしながらその矛先は帝国、我が国に仇なす者ではございません。
こちらにとって有益となる力となりましょう。
ただ無用な囲い込みや接触、敵対行為はお控え下さい、扱いを誤れば伝説に聞く、太古の魔王と詠われている、者のように成り得る可能性もございます。
あくまで可能性でございますれば、かの破壊だけの魔王と比べ、シーノ姫は温厚で人々に幸せをもたらす存在、こちらがそれまで聞き出した提案書の内容を、ご覧になればご理解いただけると思います。
ベレンスト女王)・・・確かにこの功績は素晴らしい物だ、どんなクエストも失敗する事無く、下々の者達や孤児まで救い上げる、スラムも無くなったと聞き及んでおる、裏ギルドまで乗り込んで説得したと。
今では新たな仕事に取り組み、裏ギルドの存在その物が変わってきている、一体何をどうしたらそうなるのか不思議でならんがこれで得心がいった。
あの姫の指示提案で、他のギルドもかなり改善された。
冒険者ギルドも彼女を手放す行為はしないだろう、しかし面白い、今ではシノ姫の影響力で何処の国よりも裕福で最先端を行く中継貿易国となった。
何より風呂に温泉、料理レシピ、そしてこの菓子プリン!デザートには欠かせぬ物になっておる。
今まで見た事も聞いた事も無い技術に、賢者の如き英知、もしやあの娘は遥か太古に失われた記憶を有しておるのやもしれん。
サイラス)それはもしや?かの賢者の記憶を受け継いでいると?・・・確かに賢者ならば記憶を保持し転生が出来るやも知れませぬが?もしそうだとしたならば、帝国の目論見も知っていたのでしょうか。
ベレンスト女王)それは流石に無いであろ、だが転生の可能性は大いにある、転生前からのギフトを引き継いで産まれたのだろう、ただ産まれた場所を間違えたか。
サイラス)私には分りません、ただ転生等と言う奇跡があると?。
ベレンスト女王)うむ、運命を操る何かは分らんが、この時代に産まれた事に感謝するとしよう。
話は変わるが、あのクズは流刑地の島送りにしたが、その後はどうなっておる?。
サイラス)元王子バーカマインですが、私がパーン・ニウム島に送り届けました、ただ問題が発生しまして、遺跡に入った者が転移陣を踏み、何処かの大陸に飛ばされたようです、現在は岩を落として封鎖を図りましたが、岩を動かしてまた内部に入られる可能性があり早い対策が必要となります。
ベレンスト女王)あそこは遺跡が多くあるから、封印の魔法を掛けて、出入り不可能にしておくしか方法ない、あの手の遺跡が見つかる度に、流刑地からよく人が転移で飛ばされるからの、厄介払いには丁度いい。
サイラス)他の重犯罪者も奴隷紋をつけておりますし、バーカマインにも魔法で奴隷紋が刻印されていますから、飛ばされても大した事はできますまい。
それと報告になります、近々シノ姫がカイザスの港町へ行くようです、ダンジョン踏破が目標と話しておりました。
何れ船で他の大陸へ向かうと、世界を旅し戦力を集める算段とでしょうな。
シノ殿には、暫くは暗殺者は来ないだろうと伝えておきました。
ベレンスト女王)ダンジョンを踏破してから、各国で戦力を整えて帝国と戦う算段であろうな、帝国も唯一の直轄精鋭を失ったのだから慎重にもなろう、帰ってこないと知れば下手な動きも出来まい、こちらから送った諜報部隊の何人かは帰ってこん、痛み分けと言った所か。
特に今回は暗部を送り混乱させ、我が娘を取り戻せる好機ゆえ、向こうに居る諜報員と協力し動く事だろう、首の土産もあるのだからな。
サイラスよ帝国を抜いた、世界各国の王にシノに関する情報を送れ、今や帝国は世界の国々に宣戦布告しているのも同然、愚か者意外は何処の国も帝国の動きに注視している。
恭順を示す国等あろう筈も無かろうと思うが、愚王と言うのは少なからず居る、私が指し示す信頼する王にだけ、この情報の共有行なう。
情報漏えい、囲い込みに対するクギは打って、シノ姫の危険性にも警告して置かねばな。
絶対に敵に回してはならん、ドラゴンでも召喚されたらは敵わないしな。
と女王は冗談めかしく締めくくった。
ーー
シノは、冒険者ギルドで勉強をしていた。
シノ)なるほど、モンスターと人間が混じり生まれるのが、魔人、つまり魔族なんですね?其処から更に人間と交わると亜人になるわけか~。
血は薄くなるけど特徴となる、力、魔力、一部の耳や尻尾は亜人になっても受け継がれ続けると、元々存在する種族も、その血が薄くなっても必ず特徴は残すそんな感じなんですね。
最初に受け継いだ特徴ある、耳や尻尾が変わらず継承されてゆくと。
教官)そうなんだ、モンスターが進化したゴブリンキングは本能の赴くまま欲望のままに、犯し殺し喰らう、特に角が20㌢と長いの特徴だ、色はいろいろあるけどな、何故そうなっているのかは未だに謎であるのだけどな。
しかし人と交わったゴブリンキングとの子供は、人と同じ知性を持つキングゴブリン呼ばれるんだ、すべてではないが、あくまでも極たまにゴブリンキング種から産まれる場合に呼ばれるものだが。
シノ)ゴブリンキングが孕ませて極たまに産まれる、キングゴブリン?。
教官)キングゴブリンは温厚で思慮深い人と同じ知性を持ち、人の世界に溶け込んで暮らしている、衣食住の生活も人と変わらない、俺に生えてる、この小さな5㌢位しか無い、瘤みたいな角が目印みたいなもんだ。
これが魔人と呼ばれる魔族の象徴になっているんだ、他にも色々と異なっているのが殆どだがな、オレの場合はこの瘤だな。
お陰で多種族の交じりが多くなり、今や色々な血が受け継がれている、把握さえ難しい程にな。
シノ)(把握できないって一体どれだけの種族がいるんですか?継承血縁引継ぎでどれだけのスキル、抱えてるんですか?凄っく気になるんだけど?。)
システム)(継承血縁引継ぎは、同スキルのランクアップと、引き継がれたスキルは、ランク1からとなり、数を多く持てば持つほど、器用貧乏になり苦労される方も多くいるようです、これと定めたスキルランク等上げる事を推薦します。)
教官)遥か太古の昔は魔族や亜人、人種間での争いが絶えなかったし魔王もいたそうだ、今じゃそんなの嘘みたいな話しだけどな。
ただ注意して欲しい、モンスターから知性ある存在が産まれるには、各モンスターの頂点に立つモンスターからしか産まれない、要するに進化した種族のトップからしか魔族は産まれないって事さ。
産まれても異端として大抵はその場で喰われるか、処分される。
その判断が産まれて直ぐ、最初に出来るのはモンスターだけらしいぞ、多分本能で分るんだろな。
産まれて直ぐのゴブリンも瘤のような角がある。
それとトップ以下から産まれるのは、モンスターと思ってくれ本能のまま動くし角は長い。
角が無いのもいるがな、問答無用で襲ってくるからモンスターなんだよ。
シノ)最後のそれってこじつけ強くありません?。
教官)いやいや、そうでもないんだよ、奴等からしたら俺達は餌であり食糧であり、子袋であり、子を成す為の道具でしかない、最悪オモチャにされるのが関の山だ。
厳しい言方をするが、モンスターの発情期には気を付けろよ?。
男でも雌の相手をさせられ喰われるし、女も同様の目に合うが、子供が産まれなくなっても使われ続け殺される、大抵の者は精神が崩壊し壊れる、そして必ず最後は喰われる、覚えておけ。
無事に帰ってきた者もいるが、自力で脱出できたのは運と強者だけだな。
背筋が寒くなるような内容にシノの顔は引きつっている。
シノ)生なましいっす、どうやって気を付ければいいんすか先輩?。
(システム)(モンスターに情け容赦は必要ありませんね、サクッと殺っちゃいましょう。)
教官)ん?簡単だぞ目が真っ赤に光ってるし、そして涎ダラダラ垂らして、凶暴化してて通常の2倍ほど強くなって、こちらの存在に気が付いた途端速攻で、全力で、わき目も振らず襲ってくる。
1匹なら、武器を前に構えていれば、勝手に突き刺さって自爆する。
その言葉に思わず目が点になるシノ。
シノ)はい?なんですかそれ?。
システム)(一点しか見ていない狂った猿なのでしょうか?楽ですが性質が悪いですね。)
教官)だから言ったろ本能の赴くままだと・発情してれば男意外すべて雌しか見えていないアホな訳だが、その逆に雌も雄以外みえていない。
それが集団だと話は変わる、その時は全力で逃げろ、使える物は何でも使えが鉄則となる、後は運だよりだ敵より強ければ問題無いがな。
システム)(これは発情したモンスターに出会えと言うフラグなのでしょうか?)
シノ)(会ってしまうじゃなくて、進んで出会えってそんなフラグいらないわ、ってそれはフラグとは言わないでしょ!。)
教官)最後に数の暴力は何時も理不尽だ、だから一定の時期に発情したモンスターによる、モンスターパレードが起こるんだ。
基本モンスター同士の争いで決着が付く事が多くあるが、余波は少なくとも此方にも来るんだ、ズル賢い奴は、人の居る場所を狙うからな、モンスターでも学ぶし、最低限度の考えや知性はあるからな?。
男は女と街、女も男と街の生活を守る為に、そして住人は冒険者の支援に回る事で、モンスターパレードで戦い生き伸び、勝利し街へ蹂躙を回避するんだ。
俺が知り得るのはここまでだ。
シノ)とても勉強になりました。
教官)今日街を出るんだって?少し寂しくなるが身体は大切にな、病気になんてなるんじゃないぞ?。
ギルドの受付には寄ってけよ?。
シノ)はい今までお世話になりました、また近くを立ち寄る事があれば、お土産持ってギルドに伺いきますよ、それでは。
受付穣)シノ様ギルドカードの提出をお願いいたします、ベレンスト女王陛下が、他国へ行くには必要だろうと、手形刻印を打ち込みをせよと仰せつかりました。
シノ)え?女王陛下が?息子さんの事で、私にお怒りでらっしゃらないのですか?。
受付穣)はて?そんな事された話は伺っておりませんが?元王子バーカマインは廃嫡され国外追放になりました、流刑地であるパーン・ニウム島に送られましたね。
ギルドカードお預かりします。
音がキーンと鳴り打刻された様だ、七色の綺麗な光を淡く放つ。
シノはてっきり無礼を働き王子を怒らせた罪に問われるのでは?と思っていたのだが、本当に正しく裁可が下され追放島送りとは、予想通り越して自分の子供にも厳しい人なのだと、シノは賢帝とは大変な職業だと思わずにいられない出来事だった。
受付穣)シノ様ギルドカードをお返しします、その打刻は小さな物ではありますが、国で何かをなした者にしか、与えられない栄誉の称号でもあります、他国でも優遇されるでしょう、他の国でも打刻できるようにスペースが作られてるんですよ、大切になさって下さいね。
表向きはただの称号打刻に見えるが、実はこの称号打刻は、ただの打刻ではない、情報をまとめた一種のお手紙のような物の役割がある。
内容はこうなっている。
シノへこの内容情報を漏らしてはならない事。
シノへ手を出す事は危険の警告。
絶対にシノを都合よく利用しない事。
帝国の戦争への示唆。
戦争準備の指示。
ベレンスト国家の各ギルドが(裏ギルド含む)認める存在である事。
自国含む他国は協力し便宜を図れ(特別な計らいを行なう事)ベレンストにとって重鎮なる人物であると。
この七色の模様だ、それぞれの色に内容が含まれている、それをある魔道具で知る事が出来る。
その思惑の内容を知るのは、女王と各国の隊長クラスの兵士、王族、各職業を担う各国のギルドマスター達、副ギルドマスター達、そして係わりのある者達だけである。
一般の人と冒険者、ギルド職員と受付穣すら、この機能の役割が秘匿され徹底管理されている為、知られる事も知る事無い。
知ろうとすれば魔法でその記憶だけを消される、退職した者も同様に記憶を消されるのである。
シノ)栄誉って大げさね、大した事したつもりはないんだけど?ありがとうございます、じゃ行って来ます。
現代知識を当たり前の感覚で、指摘し行動していただけシノは、その栄誉の大きさにまったく気が付かない、当然便利な通行手形の印籠程度としか思っていないのだ。
シノは極一部の人に別れを告げバズーカの街を後にする、目指すはカイザスの街なのだが。
シノ)(また最初の道を通る羽目になるとは思わなかった、でもあの時逆方向に進まなくてよかったけど、それはそれで港町の方が近かったなんて、誰が予想する筈もないわよね~。)
そんな事を考えながら当初漂着した場所の様子を見に行く、そこには小さな小屋で発情している、モンスター達が住み着いていた。
シノ)(うわぁ~~~っい、フラグ回収しちゃったよ、ゆっくりと気が付かれない様に逃げなきゃ!)
しかし世の中そんなに甘くない、シノの放つ女性特有の香りと、足元の枝をパキリと踏んでしまう。
一斉にモンスターがシノに気が付く。
システム)(おめでとうございます、フラグ回収してしまいましたね。)
シノ)おめでたくないよ!?鑑定!?。
鑑定。
災害種・モンスターランク10・その他の色々なモンスター達。
サイコベア。
非常に獰猛で危険なモンスター、発情時は通常の2倍強くなる。
現在のレベルでは1%の勝機もありません。
同レベルの低い下位のモンスターでは、藁のように吹き飛ぶ事でしょうw。
シノ)wじゃない!何これ酷い!?。
シノよ、モンスターは災害級だ!頑張れ生き残るんだ!?次回