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第二篇 第三世界
これは第三世界の物語。
始まりはこうである。
第三世界の主クリスティー・スカーレットこそを跪拝せよ。
彼女こそは邪神の中の正神であるぞ。邪神はシンシ、一慕思 慈雨彼女らは力ある邪神。
人は神に救いを求め、救いの神をこそ、追う。しからば、幻想の神こそが救いではないか。
神は第一世界にてひとつである。
しかし、第三世界にて神はみっつ、幻想の神、自由の神、渾沌の神である。あまたの邪神の中で本名、クリスティー・スカーレットとカムー・スカーレットとアマドヒ・プレイヤーズこそが正神である。
迷いの中にあるものは来なさい。この御三名があなた方の神である。
第一世界にして、神はひとりと誓えども、心に宿した主がひとり、第三世界にこそおられる。その名をクリスティーお嬢様。高貴な出にして、キリストの第三世界の末裔で、我らの主にして、神なりと主言われり、ヴァーレット、我味方と名乗れし、これは、真理にして、我従者にして、信者なり。これを、この愛を宗教にて、縛る事ならず。
ゆえに、この書、宗教ならぬ宗教なりき。