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初めての友達

新キャラ登場!

エリザベートのバースデーパーティ後半戦が始まった。

と言っても貴族達が爵位の高い順で挨拶に来るだけであるが......なかなか気が滅入るというか、ローライグ様が貴族達と駆け引きだったり色々話しているのを近くで聞いていると難し過ぎて疲れるのだ.....。


しかも、そこにはフリード様も普通に参加しているのだ....流石後継者.....俺もいつかあのような化かし合いの場に行かなきゃ行けないのだろうか....。


フレミア様の方も貴婦人方で集まっていて、あちらはあちらで面倒くさそうだ....。


じゃあ俺達子供組はどうかと言うとゼーヴィング皇国の4つある侯爵家のうち3家とは挨拶が済んだのだが、そこの跡継ぎ候補の少年達は敵対視線を俺に飛ばしてくるものだから、かなり気まづくエリザも内心かなりオロオロしている。

なので、俺自身も気が滅入るしどうしたものかと頭を抱えている状態だ。


恐らく俺が婚約者に決まったのはかなり急だった為、本来ならこいつらがエリザの婚約者候補だったのだろう。

ローライグ様側の話を少し小耳に挟んだ程度でも分かるが、大人達の方でもそれについて遠回しながら不満があるようだ。


こんな状態で友達が見つかるのだろうか.....侯爵家との挨拶は次が最後でそのまた次は、伯爵だったり領地持ちの地方貴族、辺境伯が待っている.....先が長い....帰りたい....。


そうこうしているうちに最後の侯爵家、カイベル侯爵家の番になったようだ。

案の定この家にも男の子がいるようで、こちらに近づいてきた。


「カイベル家嫡男、アスト・カイベルです。

エリザベート様、ロイル様この度は婚約おめでとうございます。」


お?割と普通な感じだ、見た目は茶髪に青と紫のオッドアイの少年だ、歳は僕らより少し上な感じでだいたい9歳か10歳程度って所だ。


「第2皇女エリザベート・ド・ラ・ゼーヴィングです。

この度は私の誕生日パーティに来ていただきありがとうございます、アスト様」


「エリザベート様の婚約者で、ユグドラシル帝国第26皇子ロイル・フォン・ユグドラシルです」


「貴方がロイル様ですか...お噂は良く聞いております」


「私の噂?」


「はい、ローライグ様のように武勇に優れる方しか婚約者として認める気の無かったエリザベート様の心を射止めた戦えないはずの不適合者の少年で、家族愛の深い事で有名なフリード様に才溢れる少年と認められた期待の子供だと...」


俺の噂そんな事になってたの!?

エリザの心を射止めたって....婚約者とは認められただけなんだけどな....まあ他から見たらそういうことなんかな。

ってか、もっとあれなのは才溢れるって何!?俺ただの凡人だぞ.....無能では無いと思いたいけど、不適合者だし....才溢れるは無いと思うんだが。


「へ、へぇーそんな噂が.....」


「ですので、僕個人としてもロイル様とは1度話して見たいと思っていました、もしよろしければ友人になって頂けませんか?」


向こうから友達の申し込みが!これは願ってもないチャンス!

他の挨拶した子達より良い奴だし、仲良くなれそうだ!


「ええ、私で良ければ喜んで」


「ありがとうございます、ではこれから僕の事はアスト...とお呼びください」


「なら俺のことも、ロイルと呼んでください」


「分かりました、よろしくロイル」


「ねぇ、それって私も入れてもらえるの?」


「エリザベート様が良ろしければ....」


「そうなら、これから私は貴方をアストと呼ぶから貴方も私をエリザって呼んでくださいね」


「分かりました、しかし公式の場では流石にエリザベート様と呼ばせて頂きます」


「それで大丈夫です、よろしくアスト」


「よろしくお願いします、エリザベート様....いえ、エリザ」


..........なんか気付いたらエリザとも仲良くなってるし、エリザ呼びが家族と婚約者の俺以外で初だし..........まあ別に...良い...けどね....ジェラシーなんか、感じてないし?


その後も3人で談笑していると、どうやら時間が来たようで。


「アスト、そろそろ行くぞ。

エリザベート様、ロイル様失礼致します」


「今日はありがとうロイル、エリザ...では私は失礼致します。」


そう言ってアストは家族とともに、貴族同士の挨拶回りに行ってしまった。


その後も貴族の俺達に対する挨拶回りは続いたが、アスト以外にこれだ!って友人は出来なかった....。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


パーティも終わり、手持ち無沙汰になった俺はふと風に当たりたくなり、一人バルコニーに出ていた。


「はぁ、結局出来た友達はアストだけかぁ後半はそこそこ話せる子達も出来たけど....友達って程じゃなかったしそもそも身分の問題で下すぎる所とは全然話せないし....かといって良い所の半分以上の子供は俺に対して敵対視飛ばしてくるし....無理じゃあ...」


結局俺はぼっちだよぉ....

エリザ慰めてくれぇ.....


「よう、友達は出来たか?ロイル」


バルコニーで一人黄昏ているとそこに、ローライグ様がやっときた。


「いえ、1人だけしか出来ませんでした....カイベル家のアストという少年です」


「ほう、カイベル家....そうか....友達は出来たか、良かった良かった....俺は出来ない可能性の方が高いと思ってたからな」


「えっ」


「なんせ急に決まったエリザベートの婚約者でユグドラシル帝国の皇子なんて、皆不満がるだろうしな」


このおっさん....知ってた癖に友達作れなんて言ってたのかよ。


「知ってて、言ってたんですか....」


「まあな、でもそれはお前に信頼出来る友が必要だと思ったからだ。

さっきも言ったがな、俺達は家族だ。

家族で出来ることは家族でする、お前の支えはエリザが今担っている、だがそれだけだ....それでは脆すぎる...人には信頼出来る家族以外の人間が必ず必要だ、そしてそれが友だ...だから難しいのを承知で作れと言ったんだ。

お前の心を少しでも救うために」


......最初にあった時から分かっていたが、この人は為政者としても、人としても、父親としても良い人過ぎる....


「帝国にいる家族を忘れろとは言わん、だが今の家族は俺達だ....だから俺達を見ろ...俺達はお前を家族としてちゃんと見ているぞ」


「今の家族を...見る....」


「そうだ、いつかはお前も自分に自信を持ち俺達家族に心の底から一緒に家族として居られるだろう....それまで俺達はお前を見ている....そして、待っている....だからお前も見る努力をするんだ....友達もな」


「ローライグ様......」


「家族の傷は家族でしか埋めらんねぇんだからよ、さっ夜も更けてきた!俺はまだ国のトップとしての仕事があるからな、子供はさっさと寝ろ寝ろ!」


そう言ってローライグ様は城の中に戻って行った。


家族を見る...信頼出来る友....心の支え..自分に自信を...持つ...

これが今の俺に足りない事か...ありがとうございますローライグ様。


その後俺は積極的に家族の輪に入り、アストとエリザと接する機会を作り自分の心を救おうとしてくれたローライグ様達に恩返しするために過ごした。


だが、そんな幸せな時間も終わりが来た。

そう、俺の8歳の誕生日に最悪なプレゼントとして俺の全てを奪って行った贈り物が.....。

続きは明日か日曜日の朝になります

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