バースデーパーティ
昨日は忙しく遅れました!
すみません!
今日はエリザベートの6歳のバースデーパーティ開催日だ。
おれは5月生まれで彼女は12月生まれなので同い年でいる期間はそこそこにあるものの、一応彼女が1つ上だ。
今日の俺の役目は彼女を皇宮の中から連れ出し、時間通りにパーティ会場にエスコートする事だ。
こんな楽しい催し物は転生してから初めての事だから、俺自身もすごく楽しみにしている。
とは言っても、行く場所なんてほとんど無いので今日もいつも通り彼女と庭園に来ていた。
「ねぇ、さっきから使用人達が慌ただしい見たいだけどどうかしたの?」
「さ、さぁな?ローライグ様が何か忙しくなる事を命じたんじゃないかな?」
バレてないよな?お願いだから気付かないでいて欲しい。
フリード様達はサプライズだってめちゃくちゃ張り切ってるみたいだし、バレたら少し落ち込むかもしれないし。
「ふ〜ん、まあ別に良いけど.....それより今日も花の事教えてよ!」
「ん?ああ、別に構わないけど、所詮俺は一般知識レベルかそれ以下だぞ?分からない花の方が圧倒的に多い.....むしろ植物に詳しかったお母さんから教わっていたエリザの方が.....」
「....良いの!あたしがロイルから花の話を聞きたいだけなのー!」
「分かったよ.....既に知ってる花だったら悪いけど....」
「その時はもう知ってるって言うわ」
「おいおい....」
そうして、穏やかな時間は流れていき.....ついにバースデーパーティの時間になった。
「エリザ、そろそろ戻ろうか」
「どうして?まだいつもより早いじゃない」
「まぁまぁ、見せたいものがあるんだって言ったら来るかい?」
「行くわ!!わざわざロイルが見せたいものだなんて気になるもの!!」
そう言って、エリザは走って皇宮の方に行ってしまった。
これではエスコート役失格じゃないか。
「ロイル〜早く〜!!」
「今行くよー!!」
この幸せな時間がずっと続けば良いのにな...。
「それで何を見せてくれるって言うの?」
「まあとりあえず着いてきてよ」
「こっちは確か舞踏会の時とかに使う大広間よね?」
「まあもう扉の前だし、ヒントをあげようかな」
「ヒント?聞きたい聞きたい!」
「今日は何の日かな?」
「えっ?」
そう言った瞬間俺は勢い良く扉を開けようとしたが、5歳児には無理だったのでゆっくりと開けた。
「「「「「「エリザベート様お誕生日おめでとうございます!!」」」」」」
「「「誕生日おめでとうエリザベート!!」」」
その瞬間大量のクラッカーが鳴り響き、シャンデリアが煌びやかな光を灯した。
俺ですら幸せな光に見えるんだ、当事者のエリザの嬉しさは凄いだろうな。
「えっ、私のバースデーパーティだったの?嬉しい!!皆ありがとう!!」
「そうだとも我が娘、エリザベートよ....ロイルも娘のエスコート役ありがとう」
「いえ、エリザベート様の婚約者として当然の事を下までです」
「うむ、では皆の衆!宴を始めようぞ!!」
ローライグ様がパーティの開始を宣言した。
最初は会食を楽しみながら各々家族で楽しんでいるようだ。
「お父様...お兄様...フレミアお母様...ロイル...今日はホントにありがとうございます、勿論使用人の皆も...」
「我が娘には当然の扱いだ、もっと派手国を上げて祝いたいのだがな」
「エリザベートには世界全てで祝福すべきだと僕は思うけどね、今回はこんな感じでの開催だ...楽しもう妹よ」
「エリザベートちゃんには可愛いらしいドレスをいっぱい買ってあげるわね!プレゼントと私の趣味も兼ねて!!今日の貴方は世界一可愛いわ」
「お父様....お兄様....フレミアお母様....エリザベートは幸せ者です....!」
幸せな光景....家族水入らずの団欒だ...婚約者と言えど部外者は離れておくか...。
「ロイルどこに行くの?貴方も一緒にいるの!」
「えっいや、でも俺は.....」
「何を遠慮しておるか、ロイルも我がゼーヴィング皇国皇族の一員、家族だ...さあ一緒に宴を楽しもうぞ!!」
「全く君は....エリザベートの婚約者の自覚がなって無いな...君の事は僕も認めている、遠慮する必要は無いよ」
「そうよ、貴方は私の新しい息子になるんだからお母さんにもっと甘えなさいな!最初にあった時以来ほとんど顔を出してくれないんだもの...遠慮はしないで」
これが家族....転生前の家族の事はもうほとんど覚えていないけどこんな感じだったのかな....幸せなこの....。
「ユグドラシル帝国の産まれですが、よろしいんでしょうか....ここに来てからまだ半年ぐらいですし...」
「良いのだ!!王である俺が許す!!」
「.......はい...!!!」
良いのか....家族になっても....帝国にいる母様は元気にしているだろうか....俺は、新しい本物の家族を見つけました...。
いつか貴方の心の闇を息子の俺が晴らして見せます、それに新しい家族と一緒ならそれも出来る気がします。
「エリザ...誕生日おめでとう...それと、その...これからもよろしく」
「ふふっ、なんか顔赤くなってるロイル可愛い」
「なっ...か、可愛いとか言うな...ちょっと恥ずかしいだけだ」
「.....大人になったらカッコよく扉を開けてよね?」
「ちょ、今それ言うのかよ!」
くっそぉ...!覚えとけよ...!
でもエリザベートがこんなに笑ってくれて良かった、この屈託の無い笑顔が俺の心の支えなんだから....。
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「子供達が楽しくやっているようで何よりだ、それに今日のパーティのおかげでロイルの闇が少し晴れた気がするな....このまま時があの子を癒すだろう。」
「ええ、いくら転生者と言えど5年間ロクな愛を受けず、不適合者だと蔑まれてきたんです....表面上は普通にしていても本心では苦しんでいるはずです。
私に出来るのは彼の育ての母親になる事だけです、産みの親にはなれませんからね」
「それは俺も同じだ、フレミア...我らの新しい息子にこれ以上帝国の闇に侵させる訳にはいかん」
「父上と母上だけで決めないで下さい、彼は僕の義弟でもあるんですから僕も兄として彼を導きます。」
「シスコンの次はブラコンか?フリード」
「そうかもしれませんね...」
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「さてそろそろ奥に行くかな...」
「奥?どういう事です?ローライグ様」
「?そうか、帝国ではほとんど外やパーティの類には出とらんのだったな。
我が国のパーティは基本最初に会食等を楽しみ、その後に貴族達の挨拶回りが始まるのだ、我らは皇族だからな一番の上座で貴族達の挨拶を受けるのだよ。」
「な、なるほど....」
さ、流石貴族社会の世界だ....帝国では1回も出る機会が無かったから知らなかった...
ってか俺も皇族のひとりとして挨拶受けるのか....どうしよ...。
「ロイルには初めての体験だからな、6歳のエリザベートのバースデーパーティだからか歳の近い子供を連れてきている貴族達もいる...その子供達と友達になってみたらどうだ?今までエリザベートとしか話した事が無いだろう?歳の近い子とは」
確かに、エリザ以外の子とは1度も話した事無いな....。
友達よりも先に婚約者だったし、帝国時代は半場幽閉されてるようなものだったから....。
「分かりました、ローライグ様」
貴族達の挨拶回り....何か新しい出会いがあると良いな...。
ってか、自覚したらめちゃくちゃ友達欲しい!今の状態じゃぼっちじゃないか!!