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ゼーヴィング皇国

メインヒロイン登場回

母様と別れを済ませた後は馬車にのり、ユグドラシル帝国とゼーヴィング皇国の護衛に囲まれゼーヴィング皇国へと出発した。


旅路自体は2週間程だった、物語なら初めての外で運命的な出会いとかあるかもだが特に特筆すべき事は無かった、めちゃくちゃ暇だったがあの日から初めての心の平穏だったかもしれない。


そしてついにゼーヴィング皇国に到着した。

護衛やゼーヴィング皇国の人達に案内され、王宮の中に入り婚約者の姫とこれから義理の親になる姫の両親等の家族に会うのだ。


「ユグドラシル帝国第26皇子ロイル・フォン・ユグドラシル参上致しました。」


「2週間の旅路ご苦労であった、皇帝陛下は息災か?」


「はっ健康でございます」


この人がゼーヴィング皇国の王様で義理の父親になる、ローライグ・ド・ラ・ゼーヴィングだ。

見た目はライオンのたてがみのような金髪の髪型と髭に巨体、そして翡翠色の瞳の明らかに武闘派といった感じだ。


「そうか、では本題に入ろう。貴様が我が娘エリザベートと婚約すると皇帝陛下から打診がありこちらもそのつもりで其方を迎えているがそこは理解しているか?」


「はい、理解しております」


「そうか、では両国の繁栄のために仲良くやろうではないか........おい、これから我が義理の息子ロイルを王家の私室に迎え入れる故貴様達はここまでで良い」


両国の繁栄.....ね....。

ってか護衛外しちゃって良いのか!?俺が何かするとは考えないのかよ!


「しかし、陛下彼が何かよからぬ事をすれば.....」


「余が遅れを取るとでも?」


「いえそんな事は......」


「良い、お主も主を思っての言葉故許す、ワシはロイルと2人で1度話してみたいのだ....良いか?」


「...かしこまりました」


......まあ、こんな明らかに武闘派で強そうな人に5歳児の子供がどうにか出来るわけないもんな。


さて、王様は俺にどんな話をしてくるかな....娘はやらん的な?婚約は書類上だけだとか政略結婚のみの関係だーとか?それとも不適合者絡みか?

まあでもとりあえず行けば分かるか。


そうして俺はゼーヴィング皇国を統べる義父ローライグ王に着いて行き別室に入ると、ローライグ王は執務机の椅子にどかっと座ると話を切り出してきた。


「改めて自己紹介をしようか、少年。

俺がゼーヴィング皇国の王ローライグだ、そして君の義父になる男だ」


「ロイル・フォン・ユグドラシルです、これからよろしくお願いします」


「君の事は皇帝陛下から打診が来た時に調べさせてもらった、今回婚約話を受けたのは君を助けようと思ってな」


俺を.....助ける....?何故だ...国において置いても特に有利となる材料が無い俺を....?


「理由が知りたいと言った顔だな?帝国の皇子、転生者、そして不適合者として生まれ家族達から産まれた時から相手にして貰えず、唯一の家族と思っていた母親に見捨てられたばかりか殺意まで抱かれている苦難多き子だと知ってな....。

西側は基本的に不適合者達に別に差別的な意識は無くてな、ハンデはあるが特定分野に置いてはかなり有能であったりと俺が君を欲しいと思ったのだ....それに、転生者と言えど幼き子供が家族に恵まれないのは見るに耐えん故、ならば我が家族にしようとしたまでよ」


..............やばい、この人この世界に産まれてから初めて見たホントの善人かもしれない......涙でそう....!いや、泣かんけど。


「あっありがとう...ございます....この世界に産まれてからこんなに優しくされたのは初めてかもしれません....」


「そんなに感謝はするな、打算ありきでもあるのだからな....」


「いえ.....ていうか自分から打算ありきとか謙遜言われたら余計に良い人だと感謝しちゃいますよ...」


「むっ?そうか.....まあこれからは本当の父親だと思ってくれて構わない、ここが君の故郷の国になり家族がいる家になり帰る場所になるのだからな」


何....この人...良い人過ぎる....ヒーローみたいだ.....!


「そうだな、そろそろ呼ぼうか...」


そろそろ呼ぶ?誰を?


「あの呼ぶっていったい誰をです?」


「そんなの決まっておろう...ロイルの婚約者、俺の娘エリザベートだ」


あっそうか、そもそもこの国に来たの婚約者のとこに婿に来たんだっけか。


いったいどんな子なんだろう.....、いやまあ歳は近いとは聞いているけども....父親に似て武闘派っぽい感じじゃなくて可憐な感じだと良いなぁ.....


「エリザベート、入りなさい」


「はい、お父様」


ドアが開くとそこには俺と同い歳ぐらいの少女がいた。


見た目は父親譲りの金髪にそれをポニーテールにしていて、可愛らしいリボンで結ている。

そして、こちらも父親譲りの翡翠色の瞳だ。


やばい、幼女だが将来美少女になるのはハッキリと分かる!!こんな子が婚約者だって!?人生薔薇色かよ!

異世界最高です.....。


「.................」


「..................」


........なんかお互いに見つめ合っちゃってるけど、これはもしかして....向こうも....俺にときめいて....!


「お父様!こんなひ弱そうな方があたしの婚約者なの!あたしはお父様みたいなかっこいい殿方が良いのに!!」


.......ッ!意外ッ!!それはトキメキとは正反対の罵倒!!

うそー、今見つめ合ってたのにそりゃないぜ!!あんまりだ!!


これはおてんば娘の予感がビンビンするぜ.....はぁ

俺の好みは可憐な子なんだ、見た目はともかくよ....。


「こら、エリザベート....ロイル君に失礼じゃないか.....まあ俺みたいなかっこいいってのは嬉しいが婚約者は彼だ、これは決まった事だ挨拶なさい」


「..........はい、分かりましたお父様......。

私はゼーヴィング皇国第2皇女エリザベート・ド・ラ・ゼーヴィングですわ、ロイル様よろしくお願いいたします」


今更取り繕ってもおてんば娘バレバレだっつの.....まあでも俺も挨拶しないとな。


「ユグドラシル帝国第26皇子ロイル・フォン・ユグドラシルです、エリザベート様これからよろしくお願いいたします」


これが俺と最愛のエリザベートとの最悪な出会いだった。


これから2人で結婚する年齢まで一緒なんだとこの時は誰もが思っていた......。

俺の8歳の誕生日までは........。



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