転生 ステータス付与
「オギャアオギャアオギャアオギャア!!」
まじですか、ワイ赤ん坊なんですか....まあ思考はこんなんだけど赤ちゃんの性なのか泣き叫ぶ事しか出来ない。
「陛下元気な男の子です!!黒髪黒目なので我が帝国が誇る勇者様方に似ていらして将来強くなりそうですね!!」
助産師さんかな?ってか陛下って何!?俺王子様ってやつ!?これは約束された勝利の身分ですなぁ!!
「そうか、母体は?」
「はい、レイラ様もご無事でございます」
へぇー俺の母さんはレイラって名前なのか。
「さようか、では後の些事は任せる」
「かしこまりました」
........えっ....?終わり、出産頑張った奥さんに声掛け無いのこのお父さん....!?大丈夫、離婚とか心配だけど!
「レイラ様お子さんを抱いてみて下さい、念願の息子ですよ!」
「えぇ....私が貴方のお母さんよ.....貴方の名前はロイル、さっきのがお父さんで皇帝陛下のミラーリトス様よ」
俺の名前はロイルか良いね!!親父はミラーリトスね、理解した。
その後は母さん共々安静にのんびり暮らした。
やはり王子という立場もあるせいか5歳までほとんど自由は無く母さんと給仕の人にしか会ってない。
生まれた日以来父親にはあっていないんだ、俺には分かる....だいたい転生物語って両親に恵まれてってあるけどさそんなのただの創作の中であって現実はこんなもんだって......。
でも良い事もある母さんや給仕の人達から世界の事を色々聞けたんだ!
まずこの世界には魔法、ステータス、スキル、レベル、スキルレベルというのがあってステータスは満5歳以上の時に教会に行く事で貰えるとの事。
次に魔法とスキルは鍛錬は使用回数でレベルが上がったり取得したりする、生まれつき持っていて最初から高レベルなんてことも稀にあるらしい、これはステータス付与の日が楽しみだ!
次にレベルは魔物等を倒すことによりレベルが上がり身体能力が上がる、だけど身体能力には細かい数値的ステータスは存在しないらしい.....稀にそういうスキル持ちの人が見た時に見れるだけで基本のステータスにはないそうだ。
次に世界の情勢だ。
俺がいるこのユグドラシル帝国は勇者、異世界人が多数在籍していて世界の半分以上を統べているらしい、そして戦争には連戦連勝だそうだ。
個人的に戦争ばかりしているのはあまり好きじゃないが、母さん達は笑っているから良いのだろうか?
だがそれ以上に勇者と言われる存在が多数いて、帝国に所属してるとは驚きだ。
どうやら転移者転生者は珍しくは無いらしい。
ちなみに皇族の俺だが第26皇子らしい、いや子供何人おんねん。
そして母様は5番目の側室との事....。
とまあこんな感じの世界らしい、んで色々勉強しているところに遂にステータス付与の日がやって来た!!
「母様ホントですか!?今日がそのステータス付与の日というのは!」
「ええ、ホントよそれに今日は陛下も一緒に来て下さるとの事よ!!」
えっ、親父が?やだなぁ.....だって5年間もあって無いし顔すら覚えてないのに....。
「はい!嬉しいですね母様!」
まあ、母様も悲しませないために演技は大切よね。
皇族が使う豪華な馬車にのり教会に行き、早めに来て陛下を迎える準備をする。
めんどくさいなぁ。
「御足労ありがとうございます陛下、私が今回の神父をさせて頂くアホナンでございます」
アホナン......可哀想な名前貰ったな....。
「.....................」
この陛下、神父ガン無視かよ。
「貴様が我が息子ロイルか.....」
「はっはい父様私がロイルでございます!」
「....貴様が我が帝国にとって有能な人材であることをワシは望んでいる....よいな?」
と言って席に父様は席に座った.....ってえー息子にかける言葉それー?うそやん、もうちょいなんかないんか。
ってなこんなで遂にステータスの時間が来た。
神父の人がよく分からない言葉を彫像に向かってかけ始めると彫像が光初めて、時計の針が正午を指した瞬間に収束した光が俺に直撃した....。
どうやらこれがステータス付与の儀式らしい。
「付与式は無事完了しました陛下」
「うむ、良くやった」
「ははっ!....ではロイル君ステータスと唱えてみなさい、そしたら貴方のステータスが表示されますよ」
.......はい、来ましたよ異世界特有の....ステータス!!!はい、皆さんご唱和下さい!ステータスですよ!!
心臓が昂るなぁ!!!良し....行くか!!
「ステータス!」
ロイル・フォン・ユグドラシル(不適合)
Lv 1 男 5歳
スキル
クラスチェンジ
エレメントチェンジ
全適正エラー
これが俺のスキルかぁ....まあ神様が言っていた通り不適合者で能力が2つだけ、成長のデメリットは全適正にエラーか.....こりゃ普通に皇族として生きるしか道は無さ......そ......う......?
何、何で皆変な顔してるんだ...?護衛の兵士達は見下すような、陛下は怒り、見下し....神父は恐怖....母様は....怒り、恐怖、見下し、何かを心配するような.....どういう状況だよ....
「あの....母....様....?」
「許して!許して!陛下!お願いします!もう一度チャンスを!家族と爺やには手を出さないで下さい!!お願いします!!」
「出来ぬ、貴様の国を滅ぼした時に有能な子を産むから自分と家族の命乞いをしたのに産んだのは無能では無いかワシと子を成しておきながら.....!!子奴の保護対象者は皆殺しにしろ!ロイルとコイツ以外の血は1滴も残すな!!」
「嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
えっ....なんだ....よ....これ....どういう事だよ.....!
意味がわかんねぇよ....!
「か、母様.......」
「触らないで!!!あんたなんか産まなければ良かった.......!!」
........ッ!!!ははっ....意味分かんねぇよ.....俺のステータスが何だってんだよ....不適合者がそんなにダメかよ.......あんたらの子供なんだぜ....笑って許してくれよ...親だろ....?
....なんで、なんでなんで....!なんで『産まなければ良かった』なんて拒絶され無ければいけないんだ....!
親父に皆恐怖している、アイツが悪いのかァァァ!!