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ファントムリベリオン 可能性は無限のチェンジスキルでヒーロー無双  作者: 鹿兎
冒険者編 第1章 新しい出会いと旅路の始まり
19/24

絶望がお前の

ランサーでの初戦闘です!

何度かの攻防を繰り広げた後、俺はボスに話しかける。


「フッお前の能力は分かったぜ!」


「ああ!?ンなわけねぇだろ、一丁前にハッタリかますなガキがァ!!」


「ハッタリかどうかは直ぐに分かる...フォームチェンジ!」


《アイスランサーフォームを確認》


《スキル発動者の魂及び身体を再構成します》


「何だァ!?また武器が変わりやがった!」


クラス『ランサー』俊敏性、魔力、など攻撃性の高いステータスに補正がかかり、長物による中距離近距離が強いクラスだ。

反面相手の攻撃に打たれ弱いのが弱点と言った所か。


「とりあえず行っくぜぇ!食らいなぁ!」


フォームチェンジが終わった後、相手の攻撃が来る前に全力で槍を、その場を微動だにしないボスに向かって投げる。


するとその槍は深々とボスの体に突き刺さる....しかし、血は一切出ずその体は霧のように霧散した。


「なっ!!てめぇ!」


「やっぱりな、てめぇのあの体文字通り全く動かないからおかしいと思ったんだ。

なんせ、お前の息遣いや声は聞こえるのに眉一つ動かない(・・・・)んだ、流石に幻術の類いだってすぐ分かった。

まあ実体があったのは意外だったが...」


「よくわかったなァ、しっかし斧なら遠距離で攻撃する手段が無いからって油断してたぜ....本当の獲物は槍か?」


そう言いながら盗賊のボスは姿を現す。


「なるほど、本体は姿を見えづらいように景色と同化していた訳か.....攻撃の瞬間に姿が少し見えていたのは早く動くと同化が間に合わないからか?」


「ご明察の通りだ、っつうかよ獲物は槍か?って聞いてんだよオレが...そろそろ本気出すぞコラ」


「武器やスキルに関わる情報をそう簡単に教えるかよ、それに手加減とは随分と余裕だな異世界人....『槍よ』」


『槍よ』と唱えると投げた槍は手元に帰ってくる。


武器の性能が強化された際に付属された便利能力だ。


「俺が異世界人だと何故分かった?」


「残念ながら同郷かは知らんが、俺も異世界人でね」


「へー冒険者って事はてめぇもはぐれ勇者か、チートは何貰ったんだよ?俺のは俺と同じステータスで実体を持つ分身を作れる力だ」


どうやらコイツはちゃんと勇者の存在、はぐれについても知っているようだ。


それに自分のチートについて教えてくれた、バカなのか余裕の表れなのか....どちらにしろありがたい。


「お前はバカか?スキルの情報を教える訳が無いと言ったばかりだろう.....それに、俺はお前らとは違って不出来でね」


「んだよ不適合者か....中途半端で俺達勇者には遠く及ばないチートか....まあその割にはやるじゃねぇか」


「それはどうも....それじゃそろそろ」


「ああ、今てめぇにバカとか言われてムカついた所だしなァ.....オレサマの勇者チートでぶっ潰してやらぁ!!」


その瞬間ボスは2人に増え、殴りかかってくる。

槍で2方向からのパンチを弾くと、ある事に気づく。


それは分身のパンチも本体のパンチも、先程までの本体のパンチと同じ重さ(・・・・)なのだ。


「.....っ!まさか、完全な分身なのか....!

こういう能力は大抵分身側の能力または両方が半分が定番だが....流石に勇者チートという訳か...!」


「「ギャハハハハ、死ね!死ね!ぶっ潰れろやァガキィ!!」」


2人のボスの攻撃を槍で受け続けながら、倒す方法を思考する。


この勇者チートは攻撃の出来る実体を持った分身をノーリスクで作れる強い能力だ。

だが、分かった事もある....恐らく分身は1体だけで司令を出しているのは本体...分身自体に思考能力は付いていない。


その証拠にこちらが一瞬反撃を見せると本体はそれに備えるが分身は攻撃をひたすら続けている。

更に、いつまでたっても奴は分身を増やす素振りを見せない。

他には、能力が同じな筈なのに分身は洞窟と同化せず攻撃を仕掛けてくるが、本体は景色同化をしたままなのだ。


つまり本体と身体能力が同じなだけの自動人形が一体いるだけだ。

それなら、やりようはある。


〔1つ検証を兼ねた策を思い付いたぞ。

ハマれば奴は簡単に倒せる、嵌らなくてもあの勇者スキルの情報が手に入る〕


「オラァ!!ちぃ!!っ!?」


まずは槍に氷の魔力を通し、本体の攻撃を大きく弾き本体だけ引き剥がす。

近くにいなければ妨害も無くなるし、指令もひたすら攻撃のままのはず。

それに今までの戦闘で一切魔法を見ていないからな。


分身体の攻撃を弾き、氷の魔力をフルパワーで解放して槍ごと地面に突き刺す。


「コイツはどうかな?勇者様?」


すると地面から伸びた魔力が分身体の足から頭まで伝わり完全に氷漬けにした。

分身体には傷一つ付けず(・・・・・・)に動きを完全に止める、これが俺の検証兼策だ。


「なっ....てめぇ!オレサマの分身を離しやがれ!!」


「どうした?何を焦っている?お前のスキルで生み出した存在だ、解除すれば良いだけだろ?」


「くそ、少しでも損傷があれば消せるのに...外傷は一切無く氷漬けだとォ!!」


いきなり当たるとは思わなかったが、なるほど分身解除は基本出来ずに傷を受けた場合分身を本体側が解除出来るようになる能力か。


結果無傷で無力化すれば解除も出来ずに孤立だ。


「どうやら検証のつもりがドンピシャだったみたいだな....それにこんな弱点を抱えてるなんてさてはお前勇者スキルのLvは低いな?」


1人しか作れないのに、解除も出来ない、思考能力も無い....長所はノーリスクなだけ...こんなのが勇者チートの本懐な訳が無い...勇者チートはもっと理不尽なものだ。


「んだと....!!オレサマ一人でも関係ねぇ潰してやる!!」


そう言って奴は俺に突っ込んでくる、Lvは低くても流石適合勇者....ステータスだけは盗賊のトップとして相応しい能力だ。


だが、ボスは頭に血が登りすぎているのか俺に接近するスピードが速いと同化が間に合わずバレバレな事に気付いていない。


俺はそんなバレバレのボスのパンチを易々と避けて、心臓に槍を突き刺す。


「止まって見えるな....絶望がお前のゴールだ!」


「がはっ...!オレサマが死ぬ?...せっかく、ゲームの世界に...来...たの...に...ゴボェ....嫌だ...死にたく....ねぇ...死にた...く...ね...え...死...にた..く................」


そう言って、最後まで死にたくないと言い続けながら絶望し、ボスは息絶えた。


お前の前で何人の人間が同じように死にたく無いと思ったんだろうな....。


「盗賊のボスになって、捕まえた女性達を侍らせてあんなにイキってたのに最後はこんなものか....」


本体が死ぬと氷漬けにされていた分身体も跡形もなく消えていった。


最後の奴を見る限り今までは自動人形の分身で攻撃し続け、景色と同化した本体が攻撃の瞬間だけステータスをフル解放して殴り倒していたんだろう。


それぐらい滑稽なステータス任せの攻撃だった。


それに転生や転移の過程はその異世界人それぞれらしい....この盗賊団のボスはどうやらこの世界に来る前にやっていたゲームの世界がここだったようだ。


だから、普通に日本人として育ったはずの彼が人々を簡単に苦しめる行動に至ったんだと思う。

ゲーム感覚だったなのだ、この世界を現実と認識せずに絶望を振りまいて....。


さて、初めて勇者を倒した訳だが....これであれが使えるようになるはずだ。


《ヒロイックチェンジLv1の発動条件クリアを確認》


《ヒロイックチェンジに勇者権能『幻影』を追加》


今回のネタ解説

「絶望がお前のゴールだ!」

は仮面ライダーダブルにおけるライバルライダー、照井竜の変身する仮面ライダーアクセルの決めゼリフです。


何人も絶望に落としてきた盗賊ボスの終着点もまた絶望なので、このセリフをチョイスしました。

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