旅立ち試験
第1章開始です!!
ついに本編が始まります!!
「ロイル、約束の12歳まで後1年だ」
「分かってる、だから早く俺にバルディッシュ公国まで旅をする許可をくれよケイカさん....」
「それはあんたの最後の依頼を1人で果たせるかどうか見届けてから出すよ」
ここはノウズ王国首都冒険者ギルド、ギルド長室。
そして、今俺が話しているのはそのギルド長であり俺の保護者的立場のケイカ・アユハ....ちなみに女だ。
あの、ゼーヴィング皇国崩壊から3年.......俺は廃都と化した皇都から脱出し、父上....ローライグ様の遺言に従い1人でケイカさんの元を訪れた。
そして、父上の執務室から回収した手紙を渡したんだ。
手紙の内容は知らないが、どうやら俺を冒険者にしてやって欲しいと言うことと、生きる術を教えてやって欲しい等俺を案じる内容のようだった。
それから俺は、ケイカさんの元で冒険者登録をし、他の冒険者達と共に依頼に出かけたり、ケイカさんやベテラン冒険者達に稽古を付けてもらったりして貰っていた。
最近になってからケイカさんに知らされたんだが、どうやら12歳になったら西の果てにある西方最大の国バルディッシュ公国の騎士学校に入学する事が決まっていたらしい。
そして、バルディッシュ公国での生活は元ゼーヴィング皇国の第1皇女でバルディッシュ公国の公爵に嫁いだアリシア様が俺を養子として引き取り見てくれるとの話だ。
今話しているのは西の果てまで一人旅になるから、そこまでの旅路が俺に出来るのかどうかケイカさんが判断する.....ってとこなんだが、どの依頼で判断するのか、かれこれ2週間引き伸ばされている。
ここから離れたい訳では無いが、俺はあの日の事を1度たりとも忘れてはいない....エリザを助ける為に必要な事なら何が何でも早くやりたいのだ。
「それは分かってるって....だからその依頼内容を早く言ってくれって言ってるんだ!2週間もロスしてるんだぜ....」
「そんな事は分かってるわよ....しかし、今のお前の実力を図るのに適した依頼がな......これで良いか、これやって来な」
「そんな適当な....ってこれこの辺一帯をヤマにしてる盗賊団の討伐依頼じゃねぇか!1パーティーどころか3パーティ以上の合同でやる依頼だろこれ!」
「お前なら出来るだろ、ロイル。
形式上冒険者ランクはCだが、実際はAは行ってるお前ならこれぐらいはやってくれないと許可は出せないよ」
冒険者ランクとは。
この世界ではまず、8歳から冒険者ギルドに所属する冒険者になることが出来、最初はFランクからスタートする。
依頼の基準としては。
F 採取や街の何でも屋
E 採取やゴブリンやスライム等の1部の危険度の低い魔物の討伐
D 魔物討伐や商人の護衛等の依頼
C 合同クエスト等の大型依頼等の参加や緊急クエストへの招集
B 危険度の高い依頼
Aギルドのエースに相応しい高難易度の依頼
S 英雄としての依頼
SS以上 勇者級
とまあこのような感じだ。
それで俺の形式上と言うのはBランク以上に上がれるのは、満15歳以上の大人のみのため、まだ年齢的に子供の俺はC止まりって訳だ。
だが、俺はギルド長直々の指導...長期的に活躍しているBランク以上の冒険者との模擬戦....もちろん自主的な努力もありAランク下位相当の実力を得た.....と評価されている。
まあ実際あれから、スキルに対する理解....スキルレベル、自身のレベルもかなり成長したからな。
これが俺の現在のステータスだ。
ロイル・フォン・ユグドラシル(不適合者)
Lv42 男 11歳
スキル
クラスチェンジ Lv6
エレメントチェンジ Lv6
ヒロイックチェンジ Lv 1
身体強化Lv9(継承)
魔力量上昇Lv9(継承)
全適正エラー
使い魔
天使族 『リン』
特筆すべきはチェンジスキルのレベルが上がった事による恩恵だな。
クラスチェンジ Lv2 武器の強化
Lv3 補正スキルLv+1
Lv4 補正ステータスup
Lv5 新クラス『エンペラー』追加
Lv6 武器強化ver2
エレメントチェンジ Lv2 補正魔力量上昇
Lv3 補正スキルLv+1
Lv4 新スキル『魔力障壁』追加
Lv5 新エレメント 『イナズマ』『ハリケーン』『アイス』追加
Lv6 補正魔力量上昇ver2
と言った感じで強化されている。
新クラスと新エレメントについては使う機会の時に改めて説明させてもらおうか。
新スキル『魔力障壁』はその名も通り魔力による壁を作ることで相手の攻撃から身を守る事が出来るスキルだ。
無属性の魔力のため、全ての魔力属性攻撃を中和できるのだ。
攻撃能力しか無かったから、このスキルは正直かなり便利と言わざるを得ないって感想だ。
とまあこの辺で話を戻そう。
盗賊団の討伐依頼だが、この盗賊団そこそこ大きい故に1人でやるのは難しい依頼だ。
でも、許可を貰うためにはやらざるを得ないので拒否権は俺にはない。
「分かったよ、やれば良いんだろ.....終わったら許可頼むぞ」
「分かってるわよ、そんで盗賊団なんだけど、少し離れた所にあるノリス森林を根城にしてるらしいから任せたよ」
ノリス森林か....まためんどくさい場所に拠点を作ったもんだな。
ノリス森林は旅人や冒険者を惑わせる事で有名な魔の森だ。
その正体は森全体に漂っている微弱な魔力だ、これにより感覚器官を一時的に狂わせられれてしまうのだ。
冒険者としてある程度戦い、相応のLvがあれば体が勝手に耐性つけてるもんだけど.....新人冒険者や一般人からしたら危険な森である事は変わらない。
「了解!終わったら最後の稽古頼むぞギルド長!アンタから盗める技術はまだまだあるんだからな」
「あたしから盗むなんて生意気な事言ってんじゃないよ、早く行きなこのきかん坊め!」
その言葉を背に俺はギルド長室を後にし、依頼に出かけようと外に出る。
しかし、ギルドの中を通るとやはりだが顔見知りの冒険者達に声を掛けられる。
「卒業試験頑張れよロイル坊!!」
「ロイル今日が卒業試験なのか?頑張れや!!」
「ロイル君また今度パーティ組もうよ!」
「ロイル!」「ロイル坊!」「小僧!」
その度に対応するんだが、皆気のいい人達ばかりの冒険者ギルドだ。
俺の師匠となってくれたベテラン冒険者パーティの『斬狼』は依頼で今はこの国を離れているらしい。
俺のこの国最後の依頼前に話をしたかったんだが、いないなら仕方ない。
それにしても、この国は良い所だ....第3の故郷的な感じかな。
いつか、エリザを救い出したら2人で帰って来たいな....。
そんな事を思いながら俺は冒険者ギルドを出て、いつも通りに首都の門を潜りノリス森林を目指す。
さて、卒業試験開始だ!




