幸せな世界の終焉
遅くなりました!!
俺がゼーヴィング皇国に来てから3年近くが過ぎた。
あのエリザベートの誕生日パーティから色々あった結果.....アストとエリザの三人で遊んだり....フレミア様の着せ替え人形にされたり、いつもの庭園で花を見たり....俺の誕生日を国を上げて祝ってくれたり.....幸せな時間を過ごしていたんだ...。
ローライグ様達を家族として大分受け入れられるようになり、家族で過ごす楽しく穏やかな時間がかけがえのないものだと今なら分かる。
しかし、そんな時間は突然に終わりを告げた.....あの俺の8歳の誕生日に最悪なバースデープレゼントとして....。
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今日は俺の8歳の誕生日だ!
毎年の恒例ならパーティが開かれるはずだから、時間まで城の外に出てエリザとアストの三人で庭園に行ったり、去年から始めたアストとの剣の稽古かな!
まず自室から出て、向かった先は庭園...そこにはエリザがいつも通りにいた。
「おはようエリザ!」
「おはようロイ!今日は楽しみにしててね?」
「楽しみってなんの事かなぁ?」
「分かってるくせに!」
「ははは、とりあえずアストが来るまではどうしようか?」
「ん〜いつも通りで良いんじゃない?新しい事って逆に何かある?」
「それもそうか!」
そうやっていつも通りの時間を過ごしていると、アストが城にやってくる時間になった。
「おはようエリザ、ロイル」
「「おはようアスト!」」
「今日も仲がいいね、2人とも」
「さあロイル、僕が来たってことは稽古の時間だよ」
今アストはゼーヴィング皇国にある騎士学校の3年主席の成績を誇る期待の騎士候補だ。
俺達と仲が良いから、俺の剣の先生をしてくれている。
庭園を出て、3人で中庭に移動する。
この時間の稽古はいつもやっているからか、使用人は木剣を用意してくれていた...これもいつも通り、日常の風景だ。
そして、2人で木剣を手に取りまずは型の確認の素振り...模擬戦...感想戦を繰り返す。
その間、エリザは使用人が取ってきた簡素なテーブルと椅子に座り紅茶を飲みながらニコニコと俺達を眺め、応援をする。
そんないつもの光景に変化が起きる。
「なんなの....あれ....?」
「ロイル...上に何か?」
「え?何?どうしたんだ?2人とも」
俺の頭上の空間が歪み、黒い穴が開いた。
そして、そこから2人の人間が現れたのだ。
黒髪黒目の見るからに柄の悪そうな奴と、同じく黒髪黒目だが何故か黒い首輪が付けられていて悲しそうな目をした男だ。
「へぇ、ここがゼーヴィング皇国の城の中かぁなかなか綺麗じゃねぇか.....おい、任務を果たしに行くぞ真也君」
「.........拒否権は無いんだろ....」
「当たり前じゃんかよw
.....なんだ?てめぇら....おっロイル皇子じゃねぇか俺達の道標ありがとな!」
誰だ....こいつら...急に現れて訳の分からない事を....それに道標って....。
「君達は何者だ!!皇宮に許可なく入るのは大罪だぞ」
そう言って、アストが手に持っていた木剣を構える。
だが、その瞬間2人組の姿が消え.....後ろで武器を構えようとしていた使用人2人の首が切られていた。
「なっ....!?」
「きゃあああああ!!!」
エリザの叫び声が響いたためか、尋常ではない気配を感じたためか、又は両方か分からないが皇宮に騎士達が集まり始めてきた。
その間俺とアストは木剣を構え、敵とエリザの間に入り守ろうとする。
しかし、アストはともかく俺もエリザも死体や人が殺される瞬間を見るのは初めてだった為にかなり動揺していている。
俺に関しては剣先が震えまくっているし、エリザは涙を流しかなり怯えている。
くそ、こんなんじゃエリザを守れない..!シャキッとしろ俺!スキルがまだ使えない以上、己の肉体しか無いんだぞ!
「貴様!一体何者だ!!どうやって皇宮に入り込んだ!!」
そんな時ついに、騎士の1人が声を上げる
「.....何者....ねぇ....教えてやってよ真也クン」
「...俺達はユグドラシル帝国所属の勇者...俺は序列43位のシンヤと彼は序列35位のリュウタだ。
入った方法だが....」
「そこまでだ、真也俺様の力は俺様の口から言わせてもらうぜ....目的もな...!」
.....コイツらが....帝国の勇者だと....!?
勇者なのに使用人を殺したのかよ!敵の騎士とかならともかく!
「君達が....帝国の勇者....」
「そうだぜぇ、アスト・カイベル君...」
「なぜ、僕の名を...!」
「ロイル皇子の周りの人間は調べが着いてるからなぁ...」
「俺の周りの人達を調べただと!?」
「やっと喋ったかよ、ロイル皇子...ビビっちまって声も出ねぇんだと思ってたぜ、なぁ?....ちっ無視かよ真也クン」
「答えろ!!」
「危険ですロイル様!賊の言葉に耳を傾ける必要は....」
その瞬間賊と言った騎士の首が斬り飛ばされ、首の切り口から鮮血が舞い上がる....そして、体は力を無くし倒れてしまった。
「賊じゃねぇ....俺達は勇者様だァ!」
場が静まり返り、誰も言葉を発せなくなってしまった。
静かになったのを確認してから、勇者リュウタは口を開き始めた。
「俺達が皇宮に入ったのは俺様のスキル『テレポート』の力だ、そして、俺様のテレポートは最強なんだぜ?他の転移系能力より消費魔力がめちゃくちゃ少ねぇんだよ....なぁ強えだろ?」
テレポートだと...しかも、帝国からこの距離を一瞬で移動できる!?
しかも、恐らく使用人や騎士を殺した時に姿を消したのはテレポートを使ったからだ....視界内の短距離にも移動出来るのが分かる....これが勇者....これがチート..!
「そんでよぉ、この『テレポート』にはな、長距離を移動する場合に特殊なギミックがあるんだよ......それは1度来た事がある必要がある事...まあこれは最初にロイル皇子を護衛する帝国所属の騎士に俺が紛れ込んでただけなんだが....」
そんな前から.....帝国め....。
「そして、もう1つ....長距離の場合着地点を決める場合道標として対象を決めなきゃ行けねぇ....それも皇宮の中にな...だが、ユグドラシル帝国の俺達は中に入れないからなぁだから.....」
まさか.....やめろ...!ふざけるな!そんな事があってたまるか!!
「そこにいるロイル皇子を道標にさせてもらったんだよォ!!だから、来ようと思えばいつでも遅いに来れたんだよなァ!これがァ!!帝国側の準備待ち期間は退屈だったぜぇ....。
何が言いたいかって言うと俺達がここにいるのはロイル皇子....お前が原因、お前のせいって事だ...あの使用人や騎士が死んじまったのはなァ!」
「ああああああああぁぁぁ!!俺のせい、俺のせいなのか....俺はここに来ては行けなかったのか....?俺は...俺は...」
「ロイル!!気をしっかり持つんだ!君のせいなんかじゃない!悪いのは君を利用した帝国だ!」
「アスト....無理だ、俺のせいなんだよ....俺が不適合者でこの国に来たから....」
そうだ、俺が悪いんだ....。
「ロイル!今君が守るべきものはなんだ!エリザとこの国だろ!話は後だ、今は前だけを見るんだ!!」
「アスト.....守るべきもの...エリザ...前だけを....」
また俺は、ローライグ様に家族をもらう前みたいにうじうじしていたのか....。
「そうだな、今は....コイツらだけを....!」
「なんだなんだ、そんなお涙頂戴駄作かってんだよ....そして、最後だ...俺様達の目的は....鍵を奪う事と....それ以外の皆殺しだァ!!」
その瞬間2人組みの勇者達は2人同時に動き、騎士たちを殺して行った。
抵抗しようとするも、チートを持った勇者達に騎士達は叶わず命を散らしていく。
真也と呼ばれる勇者は悲しそうな顔をしながら、首を一閃...しかし、勇者リュウタの方は腕や足等を狙いながら苦しめながら惨殺していく....。
「勇者ってのは化け物か.....アスト?」
「ロイル、エリザを連れて逃げるんだ....」
「何言ってるんだ!アストも逃げるんだろ!?」
「僕はここで戦う、たとえ叶わなくても君達を逃がす時間は作って見せるさ....僕はこの国の騎士だから....守って見せる!友を!愛する者を!さぁ行くんだ2人共!!」
何カッコつけてんだよ、馬鹿野郎....叶う訳ないないだろ、お前は異世界人みたいなチートなんて持って無いのに....!
そうしていると後から騎士が俺達を引っ張って行く....どうやら近衛騎士のようだ。
「離せ!アスト!アストォ!!」
エリザも泣きじゃくり、アストの名前を俺と一緒に叫んでいる。
「大丈夫、僕は必ず生きてるから....またいつか会おう親友....僕の守るべき者達.....さあ勇者達.....今そちらに行かせてもらう!!!」
「アストォォォォォォォォォォォォ!!!」
その後俺達は近衛騎士によって気絶させられ、運ばれて行った。
意識を失う直前...どうやら俺達を隠すらしい話を聞いたが、気絶する俺にはどうする事も出来ないのだった。
敵がついに出てきました。
こっからどうなるのか?次回もお楽しみ下さい




