双剣の剣士
足音の主は、ルードレキと、配下の騎士たちであった。
クリムルは、ちょっと青ざめて、
「……ルードレキ、」とつぶやいた。
ルードレキは不快そうに眉根を寄せて、
「クリムル、どうしてそいつらと一緒にいる?」
「それは、……」
「おれの任務は巨人の捕獲だ。邪魔をしないでもらおう」
クリムルは唇をかんで、ルードレキの前に出た。
「どういうつもりだ?」
「それはあなたの任務だ。わたしの任務ではない」
「……別に、手伝えとは言っていない」
「私の任務は、姫を連れ戻すことだ。その巨人は竜退治をするのに必要だ。邪魔はさせない」
「……それこそ、おれの知ったことか」
「駄目だ」
ふたりは、しばらくにらみ合った。
やがて、ルードレキがふっと息をついて、
「わかった。決闘で決めよう」
「なんだと?」
「そこの小僧。お前とも決着をつけよう。二対一でいい」
気負ったふうもなく、めんどくさそうに。
ラードナーラは歯噛みする。ばかにしている。
「ちょうど、俺はニ剣持ってるしな。……時間の無駄だ。すぐ始めよう。」
膝をついたもの、剣を手放したものは負け。
勝ったものが、この場を好きなようにする。
そういうことになった。




