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異世界八景  作者: 楠羽毛
未来の世界
188/206

フリージング処理

挿絵(By みてみん)

「……エミーが、さ」

「え?」

「久しぶりに、エミーと再会したの。この実験がはじまる前、休みをもらって、地上におりた時に。

 エミーは、わたしの子守(こもり)用のロボットだったの。実家に置いてあって、もうずっと電源は切ってあった。

 実家に帰ったのはね、……長い航行の前に地上の空気を吸っておけと(すす)められたせいもあるけれど、エミーを取りにいきたかったの。

 実験船の容量に、少しだけ余裕(よゆう)があって、私物を()ち込めることになったから。

 こればっかりは、昇降機で送ってもらうわけにもいかなくて──、なにしろ、十何年も動かしてなかった旧式ロボットだもの。メンテナンスも、自分でやりたかったし。

 両親と兄に声をかけて、とっくに埃まみれになってた自分の部屋に、きれいに箱に入れてあったエミーの身体を、ベッドに()かせて。

 白いシーツの上に。

 そうして、……首筋のうしろのカバーをのけて、充電ずみの外付けバッテリーを接続して、再起動ボタンを。 

 エミーは、すぐにぱちりと、目を開けて、


 私の顔を見て、まっさきに言ったの。


「お久しぶり。今日は何をしましょうか?」


 って。

 あの日の、夏休みのままに。

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