表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界八景  作者: 楠羽毛
未来の世界
170/206

知らない専門用語

挿絵(By みてみん)

「……この部屋は、ミラー人工知能が制御してるの」

 三歩はなれて、向かいあわせに座る。床の一部が変形した、つめたく硬い椅子。そのくせ、ぐっと押し込むとへこむ。

 エマの椅子は、ふんわりとやわらかい素材にみえる。何がちがうんだろう。

「ミラー人工知能って?」

「うーん。……まず、人工知能っていうのは、」

「それは、何となく知ってるけど……」

 口を(はさ)んでから、ちょっと後悔(こうかい)する。


 ……わたしの知っている言葉と、ほんとうに同じだろうか?

 翻訳機は、正常に動いている。だけど、


「じゃあ……、」

 エマはちょっとあたりを見回すようにしてから、

「わたしたちがミラー人工知能と呼んでいるものは、あなたが知っている人工知能そのもの、だと思ってくれていいよ」

「……どういう意味?」

「つまり、科学者がわざわざミラー人工知能と呼ぶのはね、……理論上にしか存在しない、真の人工知能と区別するためなの」

「真の人工知能って?」

「ほんとうに、……思考することができる、機械のこと」

「それは、……」

 聞きかじりの知識が、いくつか頭のなかを(めぐ)っていく。

「それは、……たとえば、人間と自由に会話したり、推論したり……、」

「会話だけなら、ミラー人工知能にだってできる。エミーもそうだし」

「エミーは、……真の人工知能じゃないの?」

「ちがうよ、」

 と、エマはこともなげにいった。

「そう、……なんだ」


 なんと問い返したものか。


 では、カセイジンは?

 ……デイジーは?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ