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異世界八景  作者: 楠羽毛
未来の世界
155/206

腕輪、翻訳機、人工知能、ホログラム発生装置、次元転移装置

「あなた、船外服は?」

 そういわれて、朱里はきょとんとして首をふった。

「船外活動服。まさか、」

「えっと、……宇宙服? もってない」

「はあ?」

 エマは、はじめて大きな声をあげた。ぎゅっと眉をひそめて、

「どうやって、ここに入ってきたの?」

「どうやって、って……?」

「外は真空でしょう! 入り口を破壊したから、このエリアは与圧不能で──、」

「その……、」

 朱里は、しばらく迷ってから、

「……これ、で」

 手首に癒着(ゆちゃく)している、白い腕輪をさして、ちいさな声で、そういった。

「へえ?」

 エマは、一瞬だけ眉をひそめて、……それ以上、なにも聞き返してはこなかった。



「……わたしは、べつの世界からきたの。だから、……」


 ……ここのことは、知らないの。


 朱里が、目を()せて小さな声でそう言っても、エマは、ほとんど(おどろ)いた顔を見せなかった。


 そう、


 としずかに言って、ただ、黙っていた。



 ……ほんとうは、今すぐ腰をすえて考えたかったのだが、保留にしておくしかなかった。

 いちど、考えはじめると、すぐには戻ってこられそうになかったから。

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