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異世界八景  作者: 楠羽毛
海の世界
113/206

投薬

 それから二日、朱里はその女とすごした。女はときおりうめいて、口からなにか言葉を発することがあった。ほとんどは意味のないうわごとのようだったが、何度か翻訳機が反応した。

 熱い、といっているようだった。

 水を与えたが、ほとんど飲まなかった。肌がただれたようになって、少しずつ動かなくなっていった。うめき声もしなくなり、わずかに身をふるわせるだけになった。

 日に数度、遠吠えのような音を響かせたが、もう立ち上がることはなかった。


 そうして、二度目の朝──、


 朱里は、鞄から小さな四角いケースを取り出し、二錠ある薬のうちひとつぶを、女の喉におしこんだ。

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