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理想の殺人鬼  作者: バケガドウ
リクルート編 プロローグ
2/18

part2

同日 IK所属輸送機


軍事基地が遠ざかるのを確認して、IKはヘリの扉を閉める。背負っていた大剣を粒子状に分解し、椅子に座って一息つく。

「お疲れ様です」

IKの横で、全く心が籠っていない労わりの言葉が聞こえてくる。

紫色の長髪をした女性が右手で携帯ゲーム機を操作しながら、左手で板チョコをIKに渡す。着ている服はスーツで、シベリアみたいな酷寒の地での格好ではない。

「こんな時でもゲームやってるのかよ…」

「はい。ゲームはいつどこでしていても楽しめる神の創作物です」

IKはため息をこぼしながら、鬼仮面を外す。

中から幼さの残る少年の顔が現れた。髪の毛は灰色で、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。

「ホント、どっちが主人オーナーか分からなくなるよ」

IKは銀紙をはがす。中からは、カチコチに冷えた板チョコが歓迎してくれた。

「そんな事ないですよ。いつも私は、IK様の事を尊敬しています……よ?」

「なんで変な間を空けた。それに優柔不断でお人好しっとか、こっそり言っていたらしいけど」

「全く…誰からの情報なんですか?」

「事実なんだね」

「ハイ」

女性は一切悪びれる様子もなく、肯定した。

IKはこれ以上追及するのを諦めた。手に持つチョコレートを口の中に入れる。

だが、ヘリの中とは言えここはロシア。チョコレートは、鉄のように固くなっていた。

「ところで、先日募集していました助手について、招待のメールを送りました」

女性はゲーム画面を見つめたまま、仕事の報告を述べる。

IKは、女性に耳を傾けながら、チョコレートを噛み砕こうと四苦八苦していた。

「あひがとう。春もそおそおだな」

IKは大好物のお菓子を頬張って、女性に礼を言った。

こうしてIK・本名糸巻鬼縁の日常業務は無事終了した。

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