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第9話


 歩きを覚えてさらに月日が流れ異世界に来て1年が経とうとしていた。その間、俺は歩きから走るへ進化させ部屋を走り回ったりご飯を食べた後は姉さん達と追いかけっこをしたりしていた。

 魔法の練習も毎日欠かさずやり【風・光・無】の3つの属性魔法のレベルが1上がった。また、【鑑定】も毎日部屋の中の物を鑑定していたらしていたらレベルが1上がり【クリフ用のベッド】等ベッドの情報が少し変わっていた。


「クリフ、ご飯の時間よ~」


「あ~う、まんま~(は~い、ご飯だ~)」


 部屋で遊んでいた俺の所へ母さんといつも母さんと一緒に行動しているメイドのテーラさんが入って来てご飯の時間だとお知らせしてくれた。最近、俺は父さんから貰った子供用というより赤ん坊が振り回せる位の少し長い棒を貰いぬいぐるみをポンポンと叩いて遊んでいた。

 この行為はただ遊んでいるんじゃなくて立派な修行だ。最初本当に何もやる事が無いからこれで遊んでいると【棍術】のスキルを覚えこの行為を出来るだけ棒を振ってスキルレベルを上げようと努力している。でも、何故この長い棒で棍術が取れたのか俺でも良く分からない武器としてこの棒は認められているのかなと思い鑑定をすると【子供用のおもちゃ棍】と書かれていたのでおもちゃでも棍には変わりないのかな?


「は~、クリフったら毎日お父さんに貰った棒で遊んでいるわね。やっぱり、男の子だから剣とかのが好きなのかしら?」


「どうでしょうかね、男の子だからといって剣に興味があるとは限りませんし今クリフ坊ちゃまが遊んでいるのも旦那様に貰ったものだからだと思いますよ」


「そうかしら、なら私も何か子供でも振るえる杖買って来ようかしら」


「あう、あう~(杖欲しい~)」


 俺は母さんの杖を買ってあげようかしら、と言う言葉に対し、目をキラキラとして、欲しいと言う意味を込めて喋れない口を動かすと「テーラ、至急街に赤ちゃんでも振るえる軽い杖を注文するように頼んで頂戴」と母さんが言うと、テーラさんは「……分かりました。ですがその前に、早くクリフ様を連れて行かないと、折角シェフが作ってくれたスープが冷めてしまいますよ」と言われ母さんは、俺を抱っこして部屋を出て廊下を歩いて行った。

 そして、朝食を食べた後俺はいつもの様に姉さん達と遊んでいると部屋の扉が『バンッ!』と大きな音と共に見た目一目でエルフだと思わしき男女が入って来た。


「「リサラッ!」」


「お父さん、お母さん?!」


 なんと入って来たのは母さんの両親みたいだ。入って来た男女は姉さん達と遊んでいた俺を見て「あの子がクリフ君か~、かわええのう~」と言って俺を持ち上げた。


「しかし、よく子供ができたのう。儂達も手紙を貰った時はビックリしたわい」


「私も本で見た知識と同じことが起こり出した時は驚いてアイラに色々と聞いてたわ、でもそのアイラもクリフが生まれる少し前に…」


「ああ、すまんかったのう。リサラの親友じゃった人族かその墓はこの家にあるのか?」


「ええ、裏庭にあるわ。そうだ、お父さんアイラが残してくれた子供達もクリフと同じように見てあげて欲しいんだけど」


 母さんはそう言って、母さんのお父さんが俺を取り上げた時から怖がって母さんの後ろに隠れていた姉さん達を前に出した。先程からの会話を聞くに姉さん達の母親は俺の母さんとは別でその人は俺が生まれる少し前に亡くなったみたいだ。


「うむ、儂達エルフは家族は大事にするのじゃリサラの親友が残してくれた者達も儂の孫として可愛がるよ」


 そう言って母さんのお父さん、いやもう面倒くさい。俺の爺ちゃんは姉さん達に近寄り頭を撫でてあげた。そして俺を姉さん達に返した爺さんは母さんが座っているのとは反対側の椅子に座った。俺は姉さん達に抱っこされてソファへと連れて行かれた。


「リサラ、クリムはまた王都に居るのか?」


「ええ、あの人も色々と忙しそうだからアリエスとエレミラはクリフと同じように生活させているわ」


「クリムめ、リサラと結婚する時はリサラだけだと言っておったのに新たに2人とも結婚しおって…」


「仕方ないわよ。お父さん。あの人も貴族なんです。でも、安心してよ、お父さん。ちゃんとあの人も私達の事を考えて、こうやって安全な場所を作ってくれたんですから」


「それはただリサラ達が厄介者扱いでこちらに置かれていると捉える事も出来るぞ」


 爺ちゃんのその言葉で部屋の空気は一気に冷たくなり静かになった。そして今の話からすると俺の父親は3人の人と結婚し1人は母さん残りもう1人は死んだ姉さん達のお母さん。そして、もう1人は王都で暮らしている人だろう。


「リサラ、儂達はお主の味方じゃ、なんなら親友の子供達であるその子達も連れて里に帰ってこないか?」


「……お父さん、何度も言ったけど私は帰らないわ」


「……そうか、リサラは一度決めたら頑固じゃからのう。なら、儂達がこっちに住むとしよう」


「えっ?」


 行き成り、今まで重たい空気を作っていた爺ちゃんはパッと明るい表情になりずっと話を聞いていた母さんの母さんである婆ちゃんが喋り出した。


「はぁ~、もう喋って良いわよね貴方」


「うむ、よく我慢したのう。しかし、途中で笑いたいからって下を向くんじゃないぞリサラにバレたら折角手回しもして作った場所なんじゃから」


 そう言って婆ちゃんと楽しく会話している間に母さんが「ちょっと、どういう事よ!」と驚いて叫んだ。


「こらこら、リサラ。赤ちゃんも居るんだから大声出さないのそれにどういう事も何も貴女が里に帰ってこないなら私達がこっちに住むって言ってるだけでしょう」


「それが、意味が分からないのよ。お父さんは里の長でしょう出て来ちゃダメじゃない!」


「大丈夫、そこはリバルが儂から長の座を受け継いだんじゃ」


「兄さんが?! いや、兄さんなら里は任せれると思うけど私そんな話聞いて無いわよ!」


「言っておらんかったんじゃから知る筈無いじゃないか、この事はそこに居るメイドとクリムくらいじゃよ知っとるのは」


 驚き怒っている母さんを笑いながらそう言った爺ちゃんは「さっき、クリムの事あんだけ言ってたのにッ!」と叫んだ。


「あれは、本心じゃよ。リサラとリサラの親友以外に女と結婚したからのう。まして、リサラが楽しい家族を作ろうとしてるのをその女が壊したことも知ってる。しかし、その女は伯爵家の娘じゃから断れないとクリムからも言われ。儂も人族の貴族事情は昔から里の近い所で人族が生活しておったからのう。ある程度事情も知っておるから、儂が許可出したんじゃよ。儂が怒っているのはこうしてリサラ達を王都から離れさせ別荘なんかに閉じ込めておるからじゃよ。まあ、これも貴族の問題というのもあるがのう」


「もう! それなら、最初からそう言ってよ!」


「何年も儂達に手紙も寄こさなかった罰じゃよ。それと、儂達こっちに住むと言ってもこんなでかい屋敷じゃ落ち着かないからのう裏庭に住まわせてもらうぞ」


「はい、リグル様から頼まれていたように庭師に頼んでおきました。エルフの里の様な立派な所は作れませんでしたと庭師からの伝言です」


「よいよい、儂達も急にこちらに住む様に話をしたからのう後は自分達でやるよ。裏庭は改造しても良いかのう?」


「はい、クリム様から「好きな様にしてください、ですが庭を森の様にはしないでください」との事です」


 メイドのその言葉を聞き爺さんは「よっし、久しぶりに腕がなるのう。暫くの間はこっちにお世話になるが完成次第裏庭に移るから暫くの間よろしくのうリサラ」と母さんに言うと母さんは「もう、良いわよ。好きにして。クリムが帰ってきたら夫婦会議が必要だわ」と怖い顔してボソッと呟いていた。

2017/9/2 結婚関係の所少し変更しました。

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