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第83話


 次の日、朝早くからテントの片付けを騎士の人達に頼み俺は昨日の夕食と同じ様に調理スキル持ちの騎士の人達と一緒に朝食を作った。材料は、アイザックさんのアイテムボックスの中にあった鶏肉や野菜を使った。鶏肉スープと野菜炒めを用意した。

 朝食も騎士の人達からは、好評を頂き俺も人が楽しそうに食べているのを見て嬉しく思った。そして、朝食を食べ終わった俺達はそれぞれの馬車に乗り目的の村を目指し出発した。


 野営地を出発して2時間が経った。2時間の間、俺は移動中もの凄く暇で爺ちゃんから貰った本を読もうと思ったのだが、前世の俺もそうだった様に乗り物に乗ってる時に本を見たら気持ち悪くなり直ぐに本を読むのを止めてしまった。


「――オォォォッ!」


「んっ? 魔物の鳴き声かな?」


「ああ、そうみたいだね。先行してる皆が倒してくれると思うよ」


「ちょっと、暇だし見に行って来てもいい?」


「いいけど、どうやって行くんだい? 馬車は止めれないよ」


 父さんのその言葉に「大丈夫、だって空飛べるから」と言って荷台から外へ飛び出し魔物の声が聞こえた所へ向かった。


「ハァッ!」


「ガゥゥッ!」


 空を飛んで2分もしない内に魔物と戦っている騎士の人を見つけた。騎士の人は、大きな戦斧を魔物の頭部目掛けて振り下ろし、魔物の頭を潰し絶命させた。その戦いを空の上から見ていた俺は、「出る幕無かった……」と少し落ち込み父さんが待って居る馬車に戻ろうかと思った時に戦斧を持った騎士の顔を見て、戻る事を止めて地上に降りた。


「クルディさん。お久しぶりです」


「ッ! ク、クリフ様。どうしてここに?」


「暇だったから、父さんに許可貰ってこっちに来たんですよ。まあ、ここで話してたら時間の無駄になりますし、馬車に戻ってお話しませんか?」


「わ、私でよければ、いいですよ」


 戦斧の騎士は、昔帝国との戦争の時に俺のお守役をしてくれたクルディさんだった。数年前の時より、体を鍛えられていて一段と大きくなっていた。

 魔物の処理は、俺のアイテムボックスの中に入れて直ぐに終わらせ馬車から出ていた騎士の人達を馬車に戻し、移動を再開した。


「クルディさん。あれから、どう?」


「はい。あの後、クリム様から「好きな武器を使ってくれ」と言われたので元からスキルを持っていた斧を使う様になって今では班長になれました。これも、クリフ様のおかげです」


 クルディさんは言いながら、頭を下げた。俺は慌てて「頭を上げてくださいよ」と言って止めさせた。


「そう言えば、クリフ様は冒険者になったのですよね?」


「うん、今はパーティーメンバーの子達が里帰りしてるから休止みたいな感じになってるかな」


「そうなんですか、私も昔は冒険者に成ろうかなと思っていたのですが、故郷にまだ幼い弟達を残してきて王都に出て来ているので冒険者の様な不安定な職じゃなくて安定した職を付かないといけなかったんですよね。まあ、でも今は冒険者にならなくてよかったと思っていますが」


 クルディさんの話を聞いた俺は、「兄弟が居たんですね」と言うと「はい、弟が2人と妹が1人居ます。皆、可愛くて毎日会いたいんですが、故郷も少し離れた所にありますので週に一回届く手紙が私の元気の源です」と返って来て、良いお兄さんだなと思った。

 俺も前世では1歳年下の妹が1人居たのだが、妹が中学に入った頃から余り喋らなくなり、一緒の高校だったら何かと親も楽と言う事で一緒の高校に進学して来たのだが一度も学校内で喋ったり、すれ違っても他人のような接し方をされて中は良くなかったと思う。


 その後、少し間クルディさんとお喋りをして父さんが待つ馬車に戻って来た俺は、先程の会話を思い出し父さんに「ねえ、俺に妹か弟って出来る予定って無いの?」と聞いた。


「ッ! ゲホッゲホッ、ど、どうしたんだい急に」


「いや、さっきクルディさんと話をしてて妹とか弟って良いなって思ってさ、だから出来る予定無いか聞いてみたの」


「ご、ごめんね。今の所、無いかな? ナターシャの方にも顔を出してるけど、レリック達の事であっちはあっちで色々と動いてくれてるから」


 父さんは、七日の内3日間はもう1つの家である伯爵家の方に泊まっている。時々、兄さん達と手紙を郵便屋の代わりに父さんを使って近況報告なんかをしている。

 兄さん達も学園が忙しく無かったら、こっちに泊まりに来たいと言っていたのだが兄達は優秀で学園でも色々な事を任されているらしい。姉さん達も最近、忙しくなってきているらしく時々俺より帰りが遅い時がある。


 その後、昼食は昨日と同じ様に馬車内で移動しながら食べ、夕日が沈みかけた時視線の先に木造建ての家々を見つけ父さんが「なんとか、予定通りたどり着けたみたいだね」と言ったので、俺はその家々が立って居るより先の大きな山の方を見て「あそこに、竜が居るんだな……」と笑みを浮かべ呟いた。

ここに書くことが段々と無くなって来て、何を書こうかなと悩んでいます。

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