第77話
ダンジョン【ローアン】を完全攻略してから三日が経った。3日間の内、俺達パーティーはギルドの負担もあるだろうし、何より数日間ダンジョンで過ごしていて疲労が溜っているだろうからと言う事で3日間休みにしていた。ギルド、と言うよりレインさんから泣いて喜ばれ「ありがとうございます」と言われたが、3日間休むと言う事で一気にギルドの倉庫に素材を置くと笑顔だった顔が泣き顔に変わってしまった。
そして、ダンジョンで手に入れた素材は全て鑑定、解体してもらいギルドに買い取ってもらった。今回の俺達の稼いだ報酬は、まず出てきた魔石の数が下級魔石374個、そしてレッドウルフと【ローアン】のダンジョンボスであるゴブリンキングから中級魔石が出て来て、中級魔石は1つ1銀貨と高く2個手に入れた。結果、魔石だけで合計20銀貨と70銅貨を稼いだ。
ウルフの死骸はゴブリンの様に魔石だけではなく、食肉にしたり皮を剥ぎ服や防具の素材にしたりと有効活用できウルフの死骸だけで6銀貨と90銅貨を稼いだ。それと、道中2体だけ発見したレッドウルフは皮や肉が普通のウルフより高く買い取ってもらい。結果、ウルフの死骸から稼いだ報酬は、8銀貨と20銅貨になった。
次に、スライムなのだが、思いのほかスライムから出ていた宝石が高く買い取って貰え1つ50銅貨で15個宝石があったので7銀貨と50銅貨になり、他のスライムの素材と合わせて9銀貨と90銅貨になった。
これが、魔物の素材で稼いだ報酬になる。次に、道中手に入れた鉱石になるのだが殆どが安い功績でルビーが1つ2銅貨で買い取ってもらえ3つルビーはあったので他の鉱石と合わせて7銀貨と20銅貨になった。
結果として、今回のダンジョンでの報酬は46銀貨となった。3人で均等に分け合った結果1人15銀貨ずつで余り1銀貨になり、アリス達から「クリフ君が貰って」と強引に押し付けられ俺だけ銀貨16枚となった。
そして、報酬金を貰った翌日いつもの様にギルドでアリス達と待ち合わせをしていたので朝早くから家を出てギルドに着くとそこにはアリス達の他にアルティマさんとシルバーさんが居た。
「おはよう。アリス、ミケ。それと、アルティマさん、シルバーさんもおはようございます」
「おはよう、クリフ君」
「おはようございます。クリフ君」
アリスとミケの後にアルティマさん達も「おはよう、クリフ君」と挨拶を返してくれた。俺は、何でアルティマさん達が居るのか聞くと、アリス達から里帰りする事になったと伝えられた。
「里帰り、って今日から?」
「うん。ごめんね急で、前から分かってたんだけどダンジョンの事で頭が一杯で伝え忘れてたの……」
「私も、伝え忘れてました。ごめんなさい、クリフ君」
そう2人から頭を下げられた俺は、「いや、大丈夫だって」と言い。いつ頃返って来るかを聞いた。
「えっと、父さん。どのくらいかかる?」
「そうだな、今回は色々と向こうでもやる事があるしな……30日は必要かな」
「あっ、私の方もその位時間かかりますね」
アリスがアルティマさんにどのくらい掛かるか聞くと、アルティマさんの後にシルバーさんも続けて教えてくれた。
「30日、それじゃ仕方ないか一旦、アリス達とのパーティー解除してもらって30日後また組むことにしようか」
そう言うと、アルティマさん達からも「すまんな」「ごめんね」と言われた。
そして、ギルドの中に入りレインさんに話をして「分かりました。それでは、クリフ様方のパーティー解除の申請を許可します」と言い。俺達のパーティーは解除された。その後、アリス達はそれぞれの父親と一緒にギルドから出て行き別れた。
「……う~ん、何か置いて行かれた感が凄く感じるな」
俺はそう呟き、どうせ1人で依頼を受けようとも思わないから今日はこのまま家に帰ろうと、レインさんにそう伝え帰宅した。
「んっ? クリフ、今日もギルドに行くんじゃなかったのか?」
家に着き中に入ると丁度、リビングから出て来た父さんに話しかけられた。
「行ったんだけど、何かアリスもミケも里に帰るらしくて30日1人になったんだよ。だから、今日は良いかなって思って帰って来たんだよ」
「そうなんだ。なら、ちょっと私の仕事手伝ってくれないかな? 最近、会議で書類が少し溜まっちゃってさ」
「いいよ。やる事無いしね」
そう言って、俺は父さんに付いて行き書斎に行き前と同じ様にテーブルに置いてある書類に目を通し作業を始めた。
そして、気が付くと窓の外が暗くなってきており既に陽が沈みかけていた。それに気が付くと同時にお腹が「ぐ~」と鳴き、父さんは俺の腹の音で外を見て「もう、こんな時間になってたのか、クリフ。今日は、ありがとう」と言って今日の仕事を一段落つけてリビングに向かった。
リビングには、既に料理人の人達が夕食の準備をしていてくれて姉さん達も学園から帰宅していたのでいつもより少し早めだが夕食となった。
「クリフ君。今日は、冒険者の活動してなかったの?」
「うん、アリエス姉さん。アリス達が里帰りで1人になったから急でやる事無いなと思って今日は父さんの仕事の手伝いをしてたんだよ」
そう言うと、アリエス姉さんは「家に居たんなら、早く帰ってくればよかった~」と言い。エレミア姉さんも「アリエスに付き合わないで一人で帰ってくればよかった」と言った。
そして、その後はいつもの様に家族と夕食を食べながら雑談をし、先に風呂に入らせてもらった俺は、いつもより早めだが眠る事にした。
「そう言えば、書類整理してた時、竜がなんちゃらって書かれてたけど何かあったのかな?」
そんな疑問を思いつつも既に目を瞑ってフカフカのベッドの中に横になっていた俺はそのまま深い眠りに入った。
お久しぶりです。すみません、風邪をひいてしまい思う様にかけなくて遅くなりました。新章の始まりです