第74話
ギルドに帰還した俺達は、建物の中に入ると行く前とは少し中に居る人達の雰囲気が違っているのに気が付いた。周りを見渡すと見知った冒険者さんも居るが知らない冒険者の人達も居て、その知らない冒険者さんのグループの中にダンジョンで会った。イデルさんが居て、俺を見つけた様で仲間の人達に何か言うとこちらに向かってきた。
「クリフ君、ダンジョンから戻って来たんだね」
「はい、無事にローアンをクリアして来たので戻ってきました。イデルさんもダンジョンから出て来てたんですね」
「うん、僕の場合こっちに来て出来た仲間との連携を取る為に行っただけだからね」
「そうでしたね。それじゃ、俺達は報告に行くので、また時間がある時に話でもしましょう」
そう言ってイデルさんと別れ俺達は、久しぶりに会うレインさんの受付に向かった。イデルさんと別れた時にアリス達から「今の人、知り合い?」と聞かれ「ダンジョンで会った。王都とは違う街から来た人だよ」と教えた。
その後、レインさんの受付に行くと少しだけ冒険者の人が並んでいたので列の一番後ろに並び自分達の番が来るのを待った。そして、待つこと数分「次の方、どうぞ」とレインさんが言い俺達の番が来た。
「クリフ様、アリス様、ミケ様。お久しぶりでございます。ダンジョンは、どうでした?」
「はい、無事に20層まで行きボスのゴブリンキングを討伐してきました」
「一応、事前に言っていましたように制覇の証としてゴブリンキングの耳を提出してください」
レインさんに言われた通り、俺はアイテムボックスから討伐した時に切っておいたゴブリンキングの片耳をレインさんに渡した。レインさんは、それを見て「はい、本物のゴブリンキングの耳ですね。おめでとうございます。クリフ様、アリス様、ミケ様」と祝福してくれた。
「それでは、制覇した冒険者様のカードに制覇した印をつけますのでギルドカードを出してください」
俺達は、自分達のギルドカードをレインさんに渡すと「少し、お待ちください」と言われレインさんは奥の部屋へと行ってしまった。そして、2.3分経って戻って来たレインさんから「ギルドカードお返ししますね」と言われ戻って来たギルドカードには【ローアン制覇者】と新しく追加項目の所に書かれていた。
「それと、こちらはダンジョンの制覇した冒険者様にささやかながらの記念報酬になります」
と銀貨を10枚貰った。それは、後で素材の持ち込んだ後に一緒に分けるからと言って一旦アイテムボックスに入れた。
「あっ、レインさん報告と一緒に素材の持ち込みもしたいのですが良いですか?」
「ッ……は、はい良いですよ。で、ですが余り多いと他の仕事に支障が起きますので分けて持ち込んで頂けると助かります」
レインさんから涙目でそう言われた俺は、「分かってます。ちゃんと、行く時に約束しましたから、具体時にどの数渡せばいいですか?」と逆にレインさんに聞いた。
「100個までだと大丈夫です」
「100個ですか……」
俺は、その数字を聞いて少しだけ考えた。するとレインさんから「だ、大丈夫ですか?」と聞かれた俺は、正直に答えた。
「それだと、多分素材の持ち込みが終わるの10日位かかる事になりますが、大丈夫ですか? その間に依頼で出た素材も持ち込む予定ですし……」
「…500まで、頑張ります」
レインさん(と後ろの方で聞いていた職員の人)が涙を一滴ポロリと流していた。俺は、少し申し訳ない気持ちになったが潜ってた日数も日数だし出会った魔物は一匹も逃さずに倒していたから素材の量が増えてしまった。
その後、一番数が少なかったスライムの素材(核と偶に出るジェルと数百匹に一度出た宝石)を裏の鑑定部屋に置き、その場にいた職員の人達に「お願いします(ごめんなさい)」と気持ちを込めて部屋から出て行った。出て行く時、職員の引き攣った笑みが見えたがアリス達が待って居る受付に戻った。
そして、その後結局今日は素材の報酬金は貰えそうになかったので銀貨を3・3・4で割る事になり俺が多く4枚貰う事になった。別に3枚でもよかったのだが「良いから、クリフ君が貰って!」とアリス達からの猛抗議に負け貰ってしまった。
その後は、各自解散し俺は数日ぶりの自宅に帰る事にした。
ただいまです。無事にテストが終わり戻ってきました。テストの結果も4つだけ帰って来て、まあギリギリ卒業は出来そうです。まあ、今日から頑張りますのでよろしくお願いします。