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第7話


 異世界に転生して約2カ月が経った。2カ月間やる事と言えば風魔法や無魔法でボール状の物を作りお手玉して魔力コントロールを上げていた。後は、2カ月間首が座ってない頭を動かしていたら最近やっと思う様に動いてくれるようになって部屋全体を確認したりしていた。確認する時は勿論【鑑定】を使い色々と調べた。

 【ベッド、窓、天井、コップ、本棚、本【英雄の冒険記】】等、鑑定を使わなくても分かるような内容だった。


(まあ、レベル1だしそんな物だろうとは思っていたけど、これじゃ全然役に立たなさそうだな…気長にレベル上げして行くか)


 そんな感じで俺は2カ月間大人しく自分のベッドで過ごしていた。しかし、今日は何と母さんがメイドと一緒に庭を散歩させてくれると昨日夜会話をしているのを聞いた。まあ、その後俺が話を聞いているのがバレて直ぐに寝かされた。


「あら、クリフったらもう起きてたのね。やっぱり、楽しみだったのかしら?」


「あう、きゃっ! (そうです。楽しみでしたよ!)」


「クリフお坊ちゃまったらこんなにはしゃいで相当楽しみだったんでしょうね」


 メイドと母さんは部屋に入って来て俺の顔を見てそう言いながら母さんは俺を抱っこした。そして、そのまま部屋の外へと出て行き通った事が無い廊下を歩いて行き外へと出た。


「あら奥様、今日はクリフ様とお散歩ですか?」


「ええ、そうよ。あっ、ボブには見せた事なかったわねこの子がクリフよ」


「わ~奥様に似て可愛らしいですね。きっと将来は、美少年になりますね」


 ボブと呼ばれたおじさんは、俺の顔を覗き込み俺の事を絶賛していた。ボブさんは庭師のような道具を持っていたので、この家に雇われている庭師だろうなと思い。見ているボブさんに「きゃっ」と言って笑って見せるとボブさんもニコっと笑い、「それでは、仕事に戻りますね。奥様、テーラ様、クリフ様失礼します」と言って去って行った。


(う~ん、ボブさんからもこう言われる俺の顔ってどうなってんだろ。俺の部屋、鏡が無いから見た事ないんだよな……)


 そんな事を考えてると母さん達は庭を進んで行き綺麗な木々が植わっている場所に連れて来られた。


「クリフ、ここはねさっき会ったボブが1人で作った庭園なのよ。凄いでしょ~」


「あう、あっあ!~(すっ、すっげ~これ1人で作ったのかッ!)」


 そこの木々は一見普通の様に見えるが1つ1つの木は葉っぱや枝を完璧に整えられていた。また、中に進む道を通ると綺麗な花が木に咲いていて心地よい香りが充満していて折角の外なのに俺は瞼が落ちて来て眠りそうになってしまった。


「あら、クリフったら眠くなってるみたいだわ」


「そうですね奥様、丁度この先に花を見ながら座れるベンチをボブが作ったと先日言っていたのでそこでクリフ様を寝かせてあげましょう」


 メイドの提案を受けた母さんは木々の間の道を進んで行き奥にあったベンチに座ると俺をゆ~らゆ~らと揺らし子守歌を歌った。


(うっ、本能が、このま、ま眠れと…)


 俺は母さんの歌を聞いて一瞬にして眠ってしまった。夢の中では綺麗な草原に大の字で横になっており心地よい風に当たりながら夢の中でも眠っていた。


『ドンッ!!!』


「あうッ?!(なんだ!)」


 俺は行き成り大きな音共に目を覚まし声を上げると母さん達も驚いている様子だった。母さんは俺が驚いていたので「安心して、母さんが付いているわ」と言って安心させるように言った。


「奥様、今のは」


「ええ、今のは多分裏山の方からだと思うわ。でも、今の時期魔物は活発じゃない筈よ」


「ッ! 奥様、あれはッ!」


 メイドの指さす先には赤いドラゴンが居た。確かこの世界での名前で言ったら【レッドワイバーン】だろう。俺の部屋にあった本の中の1つに英雄が子供の頃に倒したと書いていた内容と姿がそっくりだ。


「あんの赤トカゲ、私のクリフの眠りを妨げたわねッ!」


 母さんは行き成り口調が少し変わり怒った様子でレッドワイバーンを睨みつけた。レッドワイバーンは母さんの目線に気が付いたのかこちらに向かって火の玉を放ってきた。


「ハッ、その程度で私に喧嘩売るつもり赤トカゲッ!」


 母さんはその火の玉をそのまま同じ火の玉を作り出し相殺、ではなく相手の火の玉を消し去りレッドワイバーンの腹部へ直撃した。それによりレッドワイバーンの腹は大きな穴が開き「ガギャャ!!」と叫んだ後山の方へ落ちて行った。


(……母さん、つよッ!)


「テーラ、騎士たちにあの赤トカゲの素材を剥ぎ取って来てって頼んでおいて」


「はい、分かりました奥様」


 メイドは母さんの頼みを聞くと直ぐに家の方へと走って行った。その時、スカートを少し持ち上げて走っているのだが普通に早かった。メイドとはあんなに早く走る人だったのかと俺は未知の生物を見るような目でメイドを見送った。


「ごめんね、クリフ折角お昼寝していたのに」


「あう、きゃっ!(母さんのせいじゃないよ)」


 俺はまだ喋れないが母さんの頬っぺたを撫でて笑って見せた。すると母さんは「うぐっ、クリフの、笑顔強、烈…」と言って倒れそうになり抱っこされていた俺も(あぶなッ!)と思ったが母さんは直ぐに立ち直りベンチに座った。


「……クリフは、私のような魔法使いになるのかしら? それともお父さん見たいな剣士かしら?」


「あう~? (どうだろ~?)」


 確か前に起きてる時に父さんに1度あったが身長は180㎝は軽く越えていて細マッチョというと語弊があるが良い感じの肉体を持った爽やか系の人だった。


「クリフは魔法と剣どっちが好きかしら?」


「あ~う、きゃきゃっ! (う~ん、両方!)」


 俺は少し考えてそう答えると母さんは「うふふ、クリフがどっちを取るか楽しみだわ」と笑っていた。その後、10分ぐらいしてメイドが戻って来たので今日の外出は終わり部屋へと戻る事になった。


(そう言えば、母さんの名前知らないな【レベル1】だけど鑑定使ってみてみるか)


 そう思って鑑定を母さんに使うと何かに弾かれてしまった。そして、母さんは「んっ、テーラ何か魔法使った?」と言ってメイドを見たがメイドは「いいえ、使っていませんよ」と返答し母さんは俺の顔を見た。


「もしかして、クリフが使ったのかしら?」


「あ、あう~? (し、知らないよ~?)」


 俺は誤魔化すように笑って見せると「まあ、気のせいでしょうね」と言って母さんはその後、気にせず部屋に戻り俺をベッドに寝かせて部屋から出て行った。


(危なかったな、まさか弾かれるとは…もしかしてっ、あれって偽装とかそういう類の物なのかな? 俺そう言うスキル持ってないからもしかしたら鑑定とかされた時このおかしいステータス見られるのかな?)


 そう考えていると先程少し眠ってはいたが赤ん坊の本能で眠気が来てしまい考えるのを止めて瞼を閉じ、眠り耐性仕事しなさすぎと思いながら夢の世界へと旅立って行った。



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