第69話
ダンジョン【ローアン】の下層11階に泊まった俺達は、朝6時から自分達が寝たテントの片付けをアリス達に任せ、朝食を俺が準備していた。
「クリフ君、終わったよ~」
「お疲れ様、ご飯の準備は出来てるから手を拭いて食べようか」
水で濡らした手拭きをアリスとミケに渡し、自分の分をアイテムボックスから取り出し手を綺麗に洗った。アリス達も渡した手拭きを使い手を綺麗に洗い俺が準備したテーブルとセットに作っていた椅子に座り並べてある料理を見て「美味しそう~」と喜んでいた。
「一応、朝だからあっさりしたのが良いと思って野菜のスープと焼いたパンだよ」
「「いただきま~す」」
アリス達は、俺が料理の紹介をすると元気よく「いただきます」と言って自分の分の料理を食べ始めた。俺もアリス達を見て「いただきます」と言って、食べ始めた。
「クリフ君のアイテムボックス、本当に便利だよね。昨日の朝に作ったって聞いたスープがこんなに暖かいなんて」
「そうですよね。私もアイテムボックスのスキル欲しいです。でも、お父さんもアイテムボックス持ってた筈なんですけどこんな風に暖かいままとか無かったですよ?」
「ああ、それは多分レベルが関係してるんだと思うよ。ミケのお父さんのアイテムボックスのレベルっていくつか知ってる?」
「えっと……確か、レベルは2だったと思います」
「レベル2、なら俺のアイテムボックス見たいな能力は付いてないよ。アイテムボックスは、他のスキル同様レベルが上がれば能力も増えるんだよ」
アイテムボックスのレベルでの能力開放は、レベル1で【異空間にアイテムを保存する】、レベル2で【アイテムの保存量が増える】、レベル3で【アイテムを入れた時の状態に保つ】という感じになっている。ミケにそう説明すると「クリフ君のアイテムボックスは、レベル3なんですか?」と聞かれたので「そうだよ」と答えた。
「さてと、皆そろそろ出発しようと思うけど良い?」
「いいよ~」
「はい、大丈夫です」
2人の返事を聞き、俺は使った皿を洗いアイテムボックスにアリス達が片付けたテントと一緒に入れた。そして、昨日の夜少しだけ話をしたイデルさんと出る時にあちらから話しかけて来た。
「クリフ君達は、下層に潜るのかい?」
「はい、攻略を目的に今回泊まり込みで来たんです」
「そうだったのか、僕はこれら仲間と一緒に上層に帰るよ。また、ギルドで会ったら話でもしよう」
「はい、それでは失礼します」
そう言って、イデルさんと別れた俺達は、休憩ポイントを出て行き下層へと降りて行った。
11層は、休憩ポイントが次の12層へとつながる階段の近くだったので直ぐに12層に降りる事が出来、12層に降りて数十分魔物と戦闘しながら進むと採掘ポイントを見つけ、採掘をし、また道なりに進んで行くと13層に降りる階段が見えた。
「……なんか、ダンジョンに潜り始めて結構思ってたんだけど階段見つけるのってこんなに簡単なのか?」
「僕も話で聞いてたより、楽に降りてる気がするよ」
「私もです」
俺が疑問に思っていた事は、どうやらアリス達も疑問に思っていたみたいだ。確かにここは、一番難易度が低いダンジョンだが、だからと言ってこんなに簡単に楽に攻略できるものなのか?
「まあ、運が良いと思って良いのかな?」
アリスがその言葉を行った時、そう言えば俺の【運】の能力値73って高い方だった気が……もしかして、この運の能力値が作用してるのか?
(それなら、採掘ポイントでの取れる鉱石の運を上げて欲しいんだが……)
自分の運の能力が、欲しい所で発揮されていないのを感じ俺は少し落ち込み、その後アリス達「まあ、気にするほどでもないか」と言って13層へと降りて行った。
13層でも今まで通りの陣形で進み、採掘ポイントがあれば採掘をし、お昼ご飯は13層の休憩ポイントで取る事になった。ここまで来ると逆に人が居らず、休憩ポイントに居るのは俺達だけだった。
お昼は、肉と野菜を挟んだハンバーガーみたいなのを食べた。予備として10個作っていたのだが、アリスとミケは4個ずつ食べきった。二人は、ハンバーガーを一口食べると「美味しいッ!」と叫び黙々と食べ始め自分の分が無くなる前に自分用として2個確保しておいて正解だったと食べ終わってから思った。
お昼ご飯の後は、少しだけ休憩し更に奥を目指し進んだ。
誕生日に家族からの「おめでとう」と言う言葉を一度も聞けなかったので凄く悲しみ全く執筆が進まず本日の更新書いていましたら、多くの「おめでとう」メッセージをTwitterで送ってもらい悲しみは消し飛び何とか投稿出来ました。
本日を11月4日にて18歳になりました。霜月雹花です。初投稿が15歳の春からなのでなろうでの活動も2年と半年を迎えました。未だ、誤字脱字文法ミス等々、失敗ばかりしている作者ですが、これからも小説を投稿していきますのでよろしくお願いします。