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第68話



 アリス達と一緒にダンジョン【ローアン】に着いた俺達は、門番の兵士さんに「数日間、泊まり込みで行ってきますね」と言うと「死なないように気を付けるんだよ」と言いながら、ダンジョンの門を開けてくれた。

 俺達は開いた門を通り、ダンジョンへと入って行った。


「後方、魔物の気配なし。ミケ、前方はどうだ?」


「はい、右手通路から複数の魔物の気配がします。この感じだと、ゴブリンだと思います」


「ゴブリンだ複数体……多分、リーダーが率いているゴブリンパーティーかも知れないな、アリス準備は出来てるか?」


「大丈夫だよ。いつでも行けるよ」


 アリスの返事に「オーケー」と俺はいい、強化魔法をアリスに掛けるとタイミングよく通路からゴブリン達が現れた。既に相手の気配を分かっていた俺達のが先に動いた事で一瞬でゴブリンパーティーは壊滅した。

 アリスがリーダーの頭を切り飛ばし、ミケがその後ろに居た普通のゴブリンを倒し、俺が魔法で少し離れた位置に居たゴブリンメイジを倒した。アリスもミケも本当は、ゴブリンパーティー何て1人で相手どれるのだが、先々の事を考えた俺達はこうやって連携を練習をしながら地下へ地下へと潜って行った。


「よし、次の10層のボスを倒したら今日は終わりにしよう。11層の休憩ポイントは前回来た時に調べてるから、ミケ案内できるか?」


「はい、ちゃんと覚えてます」


 今日の終わりを決めた俺達は、ボス部屋の扉を開けて中に入った。ボスは、今まで通りハイゴブリンという少しゴブリンより一回り大きな奴と普通のゴブリンが10体だった。何回も来ている俺達にとって楽勝な相手だったし、昼休憩は取ったものの明日の事を考えて早めに休みを取らないとなと思った俺達は、連携の練習は忘れず、それでいて早くボス戦を終わらせ11層に降りた。

 11層に着いた俺達は、ミケの案内で休憩ポイントへと来ていた。11層の休憩ポイントは広く水場もあって「本当にダンジョンの中か?」と言うほど安全でかつ綺麗な場所だ。


「アリス、ミケ。夕食にしようか」


「はい、ご飯の準備ありがとうございます。クリフ君」


「いつも、ありがとう。クリフ君」


「いいって、俺も料理は最近好きになったし、今後の事を考えると飯担当位決めておかないとな」


 アイテムボックスから取り出した、今朝作った料理をアリス達が見ると「キュルルル――」と言う腹の虫が2人同時鳴らしたので「早く、食べるとするか」と言って皿を出し3等分にして分け食べ始めた。

 ご飯を食べている間、周りに数少ないが居る冒険者さん達からの視線を感じたが別に敵意を持った視線ではなかったので余り気にせず料理を食べ、寝床であるテントを2つ建てた俺達は、「先にアリス達が寝てくれ、3時間後に起こすから」と言って決めていた3時間交替で寝る事にした。

 交替と言っても、俺1人とアリスとミケ2人で分けたのだが、誰も文句は言わなかったからこの交替制にした。


 アリス達が眠って1時間後、前方から1つの人影がこちらに近づいてきた。魔物では無いと分かっているのだが、冒険者同士でも危険な事があると教えられていたので片手剣を準備し、剣を人影に向けると目の前に歩いてきた人影が慌てて手を上にあげ「き、危害は加えないよ!」と言ったので剣を下ろすと焚いていた焚火の光がその人影を照らした。


「それで、貴方は誰ですか?」


「えっと、つい最近王都に来た。Cランク冒険者のイデルだよ。君達の話をよくギルドで聞いてたから、どんな子達なのか気になって話しかけたんだよ」


 イデルと名乗った青年に俺は、「すみません。初めてダンジョンで泊まるので警戒しすぎました」と謝罪をした。


「いや、いいよ。冒険者は常に危険と隣り合わせだからね。警戒してる方がいいんだよ。それと、少し話をしたいからそっちに行っても良いかな?」


「あっ、はい。どうぞ」


 イデルさんはそう言って、俺の隣に座った。イデルさんは、身長が180㎝位で金髪エルフかと思うような美形なのだが「僕は、普通の人間だよ」と教えて貰った。

 そして、その後イデルさんと話をした後、「そろそろ、僕も戻って寝るね」と言って仲間がいる方へと戻って行った。


「何だったんだろうな、それにしてもギルドで俺達って結構噂されていたのか、あれだけ大量に素材を持ち込んだりしていたから少しはと、思っていたが王都の外から来た人でも直ぐに耳にするほど噂されてるとは……」


 自分達の話題性に少し驚いた俺は、ちょっとだけ自分達の行動を押さえようかと考えつつ、交替の時間まで爺ちゃんから貰った本を読み始めた。


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