表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/192

第66話


 母の為にクッキーの作り方を習って数日が経った。その数日の間で第1のダンジョン【ローアン】の攻略は着々と進み既に15層を突破していた。持ち帰る素材は、上層とは余り変わらないが1つ変わったと言えば採掘ポイントで取れる物は変わった。

 上層では、石ころや稀にDランクの魔石の欠片を取れるだけだったが、15層くらいになると魔石も通常の大きさのものが取れるし、1回だけ小さい物だったが赤い宝石『ルビー』を手に入れた事がある。ルビーは、ギルドで売ると9銀貨になった。


 そして、そんなダンジョン探索も今日はアリス達にお願いをして休みにして貰い。俺は、朝から色々と準備をしていた。


「爺ちゃん、ちょっとそれ取って」


「うむ」


「ありがとう。爺ちゃん」


 俺は、朝から爺ちゃんと一緒にリビングの飾りつけをしていた。何故、飾りつけをしているか? それは、今日が母さんの誕生日だからというのもあるのだが、ちょっと遅れての母さんと父さんの結婚記念日と合同のパーティーが今日やる予定なのだ。なので、俺は朝から爺ちゃんと一緒に自分達の持ち場であるリビングの飾りつけをしている。

 俺達以外の人も役割を貰って朝から動いている。父さんは、母さんへのプレゼントを事前に頼んでいたのでそれを朝から受け取りに行っていて、姉さん達は学園が休みなので母さんと婆ちゃんと一緒に王都のちょっと良い所の美容室見たいな所へ行っている。


 リヒトさんも今日は、態々里から出て来てもらいパーティーに参加と準備を手伝ってもらっている。リヒトさんは、パーティー会場が狭かったら人が入らないだろうと言って結界魔法で部屋を拡大していて、それを見た俺は「結界魔法って便利ですね」と言うと「そうだね。結界魔法は、便利だけど未だ色んな使い道があるから研究のし甲斐がある魔法だよ」と笑顔で言っていた。リヒトさんは、里の族長として立派に仕事をしているのだが偶の休日は、今まで通り研究に没頭しているらしい。

 婆ちゃんは時々、里に帰っているらしくリヒトさんに「そろそろ、結婚しなさい」と言っているのだが全く聞く耳持たず過ごしているらしい。まあ、結婚してもリヒトさんの場合部屋にずっと籠ってそうだから、逆にまだ結婚しない方が良いかもしれないと俺は思っている。


 飾りつけは終わったタイミングでプレゼントを取りに行っていた父さんが帰って来た。そして、今日のパーティーに参加してもらう人達は、兄達とナターシャさん、伯爵一家の人達、アイリさん、そしてレグルス前国王様まで来てもらっている。

 参加者が全員集まると美容室に行っていた母さん達が帰って来た。一応、今日はサプライズと言う事もあり母さんにはバレないように準備をしていたので母さんが驚く顔が楽しみだ。

 帰って来た母さん達がリビングの扉を開け中に入ってきた。


「「おめでとう~!」」


「ッ! えっ?」


 入ってきた瞬間、「おめでとう」という大きな声に驚き、中に居る人達を見て困惑していた。


「えっ? えっ? ど、どいう事?」


「ほら、父さん。母さんの所に行ってきなよ」


 困っている母さんの所へ横に立って居た父さんにそう言うと、父さんは後ろにプレゼントを隠して持って行くようにして母さんへ近づいた。


「リサラ。誕生日おめでとう。ここ最近、私が忙しくて何もできなかったけどこれからは、もっと頑張ってリサラと過ごせる時間を作るね」


 父さんは、そう言って持っていたプレゼントを母さんの目の前に出し、箱を開けた。箱の中には、綺麗な装飾がされた指輪が入っていた。


「ッ! あ、ありがとうクリムッ!」


 プレゼントが嬉しかったのか、それとも父さんの言葉が嬉しかったのか母さんはその場で父さんに抱き着いた。

 その後、母さんが落ち着いた所でパーティーが始まった。今日は、家の料理人にも色々と頑張ってもらい朝から大量の料理を用意して貰った。その中にデザートコーナーもあるのだが、そこには俺が作った【ハチミツ入りクッキー】を置いていた。

 母さんには、「アイリさんに作り方を教えて貰って作ったんだよ」と言うと嬉しそうにクッキーを食べてくれた。


 パーティーは、昼くらいから始まったのだが気づけば既に日が落ち外は暗くなっていた。


「いや、しかし。リグルよ。クリフ君は、多才だな料理も出来るとは驚いたぞ」


「そうじゃろう。なんたって、儂の孫じゃからな~。当然じゃわ~」


「儂のアーサーも色々と出来るんだが、料理までは出来ないしな……孫の料理が食べれるとは、羨ましいぞリグル」


「儂は、幸せもんじゃ~」


 レグルス前国王様と爺ちゃんは、酒を飲みながら俺の話をしていた。と言うか、爺ちゃん酒弱いくせに俺の話をしながらガブガブ飲んでるから顔が真っ赤になっている。


「爺ちゃん、酒はその位にしときなよ。顔、真っ赤だよ」


「気にせんでよいよい。婆さんが後で治してくれるからの~」


「……その婆ちゃんは、母さん達の方で酒飲んで眠ってるから無理じゃないかな?」



 そう言うと爺ちゃんは一瞬止まったが、「明日には、大丈夫~」と言ってまた飲んでいる。

 「もう、いいや」と思い俺は爺ちゃん達の所から離れ母さんの所へ行った。


「母さん、どう? 楽しかった?」


「ええ、楽しかったわ。それに、クリフが作ったくれたクッキーも凄くおいしかったわよ」


「それは、良かった。それなら、また今度作ってあげるね」


 そう言うと母さんは、何故か笑顔でそして小さな声で「やった。これで毎日クッキー食べれる」と言った。


「……流石に毎日は、無理かな~」


「ッ! ク、クリフが作りたい日で良いわよ。母さんなら、いつでも食べるからね」


 顔を真っ赤にしてそう言った母さんを見て少し可笑しくなり笑った。その後、そろそろパーティーはお開きかなという時間になり今日はそのまま参加してくれた人達は、家に泊っていって貰う事になった。

 久しぶりに兄達と一緒に風呂に入った時、兄さん達の体は昔より大きくそしてたくましくなっていた。


 そして、今日は久しぶりに兄達、姉達と一緒の部屋に寝る事になった。流石に姉さん達も男が3人も居る部屋は駄目だろと俺は思ったが、「兄弟だから、別に気にしないわよ」という一言で片づけられ、結局5人で仲良く寝る事になった。寝る前に少し学園の話を聞くことになったのだが、余り変わった話を聞かなかったのでいつの間にか眠ってしまっていた。

 その時、何故かジャンケンをしている兄と姉が居て、喜ぶ声がしたと思ったら居俺の布団の中に姉さん達が入って来ているような気がしたが既に眠くなっていたので俺は気にせず眠ってしまった。


 本当にこの世界に木て一番失敗したなと思う事は【睡眠耐性】を取った事、全くと言っていい程仕事をしないスキルに数百の善行ポイントを使った事だ。



はい、毎日更新終わりました。まあ、これで少しは肩の荷が下りて執筆意欲も戻ったらいいのですが、もしかしたら肩の荷が下りすぎて更新が10日に1話とかになって来ましたら、赤文字大量にお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ