第6話
気が付くと俺は見た事がない天井に見た事が無いベッドの上に寝かされていた。俺は少し考えていると「そう言えば俺って転生したのか」と思い出す。多分ベッドの上に居るのは爺さんが言ってたように生まれてから一週間後に覚醒すると言っていたので今こうしてベッドの上に寝かされているんだろう。
取りあえず周りを確認してみようとしたがどうもうまく頭が動かせない、これはまだ赤ん坊で首が座ってないからだと思う。学校で赤ん坊の事を学習しようって授業の時に確かそんな事を言っていたような気がする。
(う~ん、でもこれじゃ何もすることが無いな……まあ、【ステータス】の確認でもしておこう)
俺は何もすることが無いので取りあえず今の自分のステータスを見ようと考えた。しかし、爺さんの所では普通に爺さんから俺のステータス渡されたからどうやって出すのか分からない。
(困った。これなら、聞いておくんだった……でも、ここはゲームのような世界だって言ってたし『オープンステータス』とか言ったら出るんじゃね。って出たよ本当に!)
頭の中で『オープンステータス』と唱えるとステータスが現れた。
✤
名前:クリフ・ファウス・クールベルト
年齢:0
種族:ハーフエルフ
身分:貴族【子爵】
称号:全武器使用可能な者 魔導士の卵 武人の卵 神に見られてる者
加護:全能神の加護 魔導神の加護 武神の加護
適正属性:火・水・風・土・光・闇・無
適正武器:全種類
職業:
レベル:1
ステータスポイント:〖31100〗
HP 1010/ 1010
MP 1005/1005
持久力:1501(武神の加護(最大)により+1000)
精神:501
知能:1501(魔導神の加護(最大)により+1000)
物理攻撃力:1501(武神の加護(最大)により+1000)
物理防御力:505
魔法攻撃力:1501(魔導神の加護(最大)により+1000)
魔法防御力:505
敏捷:501
運:73(全種族最高値は現在93※最大値:100)
<スキルステータス>
スキルポイント:〖31100〗
〖スキル〗
・火属性〖レベル1〗 ・水属性〖レベル1〗 ・風属性〖レベル1〗
・土属性〖レベル1〗 ・光属性〖レベル1〗 ・闇属性〖レベル1〗
・無属性〖レベル1〗 ・鑑定〖レベル1〗 ・アイテムボックス〖レベル1〗
・全状態異常耐性〖レベル1〗
〖ユニークスキル〗
・無詠唱 ・鬼人化 ・全言語
〖固有能力〗
・知識の書庫
✤
うん、取りあえず魔導神と武神の加護によって4つの数値が異常に高くなってるのが分かる。まあ、持久力とか腹筋とか腕立てとかで上げるような所がこれだけ最初から上がってるなら赤ん坊の間は頑張らなくても良いか、それより物理と魔法攻撃力が成人男性の3倍既にあるんですけど……
(いや、有難いのは有難いけどなんかこう「自分で頑張って上げたい」っていう気持ちと「最初からこんだけ強いとかチートかよひゃっほぉ~」っていう気持ちが俺の頭の中で戦ってるよ……)
まあ、何だ。感謝はちゃんとしておこう。(ありがとうございます。魔導神様、武神様)そう頭の中でまだ見た事ない神様へお礼を口に出せないので頭の中で言っていると部屋の扉が開き誰かが入って来た。
「あら~、クリフお坊ちゃま起きてたんですね~良かったですわ~」
と前世で言うメイド服のような物を着た20代前半の若い女の人と金髪で耳が長く美人な女性が入って来た。
「あらあら、お腹が空いているみたいだわ。早く奥様、クリフお坊ちゃまが待ってますわ」
「ちょ、ちょっと待ってよテーラ先に扉を閉めないと誰かに見られるのなんていやよ」
「あら、すみません奥様。クリフお坊ちゃまがお腹が空いている様子だったのでつい焦りましたわ」
そうメイドの人が美人の女性に謝りながら扉を閉めた。そして、美人な女性は首が座ってない俺の頭をゆっくりと持ち上げ抱っこした。
「ん~、いつ見てもクリフは可愛いわね。本当に男の子か心配になるレベルだわ」
「そうですね。奥様、最初出て来た時は余りの可愛さに女の子だと皆思いましたわ、ですが下に立派なのが付いていましたから性別は男ですよ」
メイドと美人の女性の会話を聞いている俺は取りあえず名前からして男かなと思っていたが今の会話を聞いて下に息子も付いているみたいなのでこの世界でも男だと分かった。いや、本当は爺さんの所で聞こうか迷ってたんだがステータスに【性別】って欄が無かったから聞くのを忘れてしまっていた。
「分かってるわよテーゼ、それじゃクリフお食事の時間ですよ~」
美人の女性はそう言いながら来ている服のボタンを開け服で隠れていた綺麗なそして今まで見た事が無いようなものをさらけ出した。
(ああ、そうか赤ん坊だから母乳を飲まないといけないのか…無だ完全なる無になるのだ士郎よ。いや、もう士郎じゃないクリフ・ファウス・クールベルトよ生きる為に!)
★☆★
「けぷっ」
「ふぅ~、クリフったら本当に沢山飲むわね。やっぱりお父さんみたく食いしん坊なのかしら」
「男の子は沢山食べて沢山遊ぶ子ですからね。クリフお坊ちゃまも数年後には手が付けられない程ヤンチャになってそうですわ」
「うふふ、そうね。楽しみだわ~、あらあらクリフったらもう眠くなってるみたいだわ。私も一緒に眠ろうかしら」
「そうですね。良い提案ですが、仕事も溜まっていますので又後日にしてくださいね」
「……分かったわ。それじゃ、クリフおやすみなさい」
美人の女性はそう言いながら俺をベッドに寝かせ最後にほっぺにチューをして去って行った。
(持ちこたえたぞッ! 俺はやり遂げたぞ、まさか異世界に来て一番最初に覚悟を決めるのが母乳を飲むという行為になるとは思いもしなかったがな……)
しかし、今の出来事を考えるとあの美人な女性が俺の母親と言う訳か顔も綺麗で髪は少し触ったけどサラサラで気持ち良かった。まだ、俺自身の自分の顔を見てないからどうなのか分からないけどあそこまでの美人な人から生まれたんなら少しは期待持っても良いのかな?
(はぁ、でも本当に、赤ん坊は、やるこ、と無いな……)
考え事をしていると腹も膨れて睡魔が襲ってきた。眠り耐性があると言ってもまだレベル1そして成長する為には今の睡眠は大事だと言いたげに瞼はドンドン落ちて行き、ついに俺は夢の世界へと旅立った。
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