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第57話

 剣を取り戻した俺は、瞬時に強化魔法+鬼人化を使い。目の前に無防備な父さんに斬りかかった。父さんは、俺の攻撃に一瞬の遅れが出て俺の剣を受け止めるのに十分な力が入っておらず後方に吹っ飛んだ。


「【ファイアーボール】ッ!」


 俺は、「ファイアーボール」と叫びながら【ウィンドランス】を放った。父さんは、ファイアーボールが来るだろうと俺の思惑通りウォーターボールを唱えていたが俺が放ったのがウィンドランスだと気づいた瞬間、倒れた体勢から片手で左へ避けた。


「中々やるようになったじゃないか、クリフ」


「5年も期間があれば成長はするよ。それに、父さんそんな話をしている余裕はあるの?」


「ハハハ、まだまだ息子に、ウッ!」


 余裕を見せていた父さんは、行き成り片膝をついた姿勢になり驚いた顔をして俺の方を見た。それもそのはず、俺は父さんと話しをしている最中、剣に闇属性を付与魔法で付与をし、幻となった剣で幻の斬撃を父さんに飛ばした。


「余裕、あるんでしょ? なら、俺は本気で行くからね? 父さんは、余裕見せて隙を作ってね」


 そう言って、幻と本物を区別できない様に父さんの周りに闇魔法の幻で俺も3人作り、それぞれが火・水・土のランスを作り放った。


「ッ!」


 父さんは、ランスが当たる瞬間、片手を地面に着き一気に上空に飛んだ。飛んだ父さんに対し、【空歩】を使い幻と本物の俺は接近し、それぞれの属性を付与した剣で攻撃をしようとした。しかし、その瞬間父さんは目をカッと開くと俺の視力では見れない程早い剣術で幻の俺と本物の俺を叩き切った。幻の俺は消え、本物の俺は地面に向かって落ちた。

 会場に「ドンッ!」という、音が鳴り響き小さなクレーターが出来その真ん中には俺が横たわっていた。


「だ、大丈夫、クリフ?!」


「……相手の心配って余程、俺の事馬鹿にしてるね。流石にキレるよ?」


「ち、違うよ。クリフッ」


 父さんが言い終わる前に俺は、持っている片手剣を父さんが持っている剣に向かって飛ばした。運よく思っていた通りに飛ばした剣は、父さんの剣を持っている手の甲に当たり父さんは剣を落とした。父さんが剣を拾う前に俺は、強化魔法(敏捷)+鬼人化のスピードを使い急接近し、父さんの腹におもっきし殴った。


「グッ、さ、流石に今のは見えなかったよクリフ」


「お世辞は、良いよ」


 そう言って、俺は父さんの足、腿、腰、腕、肩を自分の敏捷を活かし父さんに攻撃を続けた。しかし、その攻撃も俺より高い能力値の父さんには良い当たりが1つも無かった。


「クソガッ!」


 俺は、この瞬間もうどうにでもなれという思いのまま拳を力強く振りかぶった。その瞬間目の前から「ガッ」という声と共にバタッと倒れる音がした。


「えっ?」


 殴る瞬間目を閉じていた俺は、その音を聞き何が起こったんだ? と思い目を開けるとそこには、仰向けに倒れた父さんが横たわっていた。


「えっ? ど、どういう事?」


 目の前の光景を見て、サッパリ分からなかった俺は動揺し、取りあえず父さんの回復をしようと回復魔法を掛けた。数分間、回復魔法を掛けていると違和感を少し感じたが父さんは無事、目を開け「いたたた~」と言って起き上がった。


「大丈夫? 俺が言うのもなんだけど、何が起こったの?」


「いや~、父さんもちょっと驚いたよ。まさか、避けれると思った攻撃がクリフが体を横にしたおかげで腕の距離が伸びて首にヒットするなんて」


 そう言って父さんは、笑いながら「まさか、本当に負けるとは思いもしなかったよ」と言いながら立ち上がり未だミケとアリスの試合が行われている会場の中央から俺と一緒に端に歩いて行った。そこで、待って居たギルド長から「クリフ君、お疲れ様です」と言われ、父さんに「クリム様、能力値の解除は上で行いますのでもう暫くお待ちください」と言った。


「能力値の解除?」


「うん、そうだよ。流石に私達Sランクの能力値をそのまま、クリフ達と戦ったら一分持つか持たないからね。今回の試験では、私達の方に能力値の軽減の呪いをかけて試験を行ったんだよ」


 それわ聞いた俺は、先程回復している時に違和感を感じたのは、その呪いに関してだったのかと納得し、またその呪いを掛けられても俺より強い父さんに対し「この、チート野郎」と呟いた。

 

ギリギリ23時投稿ッ!

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