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第50話


 【妖精の楽園】から出て来る時、入って来る時の様に光の中に入った俺は、その光の強さに目を瞑りながら前に歩いて行った。そして、光の強さが弱まったと思い目を開けると、【妖精の楽園】に行く前の光り輝く場所に横になっていた。


「う~む、貴重な体験をしたな、まさか妖精王の加護を貰った事に気が付いた日に妖精王本人に会うとは、思いもしなかった。というか、俺に加護を着けてる神様達俺の事を見てるってプライバシーに関わる所まで見てないよな……」


 お風呂やトイレ、そういった所は見ないように配慮してくれてるよな? と思いながら、俺は寝ている体を起こし背伸びをした。背伸びをしていると何処からか「クリフく~ん!」と俺の名前を呼ぶ声がしたので俺は、声がした方に走って向かった。


「クリフ君! やっと、見つけたよ!」


「クリフ君、何処に行ってたの? 心配したんだよ」


「ご、ごめん。ちょっと、森の探索をしてたら迷っちゃってさ帰るに帰れなくなってたんだ。本当にごめん」


 流石に妖精の国に行ってきたと言っても信用されないだろうから、適当に嘘をついてアリス達に謝った。アリス達から「クリフ君も迷ったりするんだ」と別の意味で驚かれていたのは気にしない事にした。

 それからは、王都の近くで薬草採取をしようと言う事になり、日が落ちる頃まで薬草採取を行い。合計本数は、2000を超えていた。それと、森の中を俺が探索している時に魔草を10本見つけていたのでこれも合わせてると今日の稼ぎは相当な物だろうなとアリス達と話しながら王都に帰って行った。


 俺は、この時1つだけ疑問が浮かんだのがあった。アリス達とギルドで予め薬草採取ポイントの場所を教えて貰っていたのだが、何処の採取ポイントにも人が1人も居なかった。

 もしかして、薬草採取のクエストを受けてるのは俺達だけなのかなと思い、何故誰も受けないんだという疑問が浮かんだのだが、稼ぎを俺達で独り占めできるし薬草は商業ギルドに納品され加工され回復薬になって市場に流れるから損な事が無いからいいかと割り切り、この疑問を捨てた。


「すみません、薬草採取してきましたので鑑定お願いします」


「はい、分かりました。こちらにお出しください」


 ギルドに帰還した俺達は、素材受付の窓口にそのまま行くとレインさんが奥から木箱を持って対応してくれた。が、今日はその木箱では足りないなと思った俺は「すみません、レインさんその木箱じゃ出しきれません」と言うと「分かりました。それでは、これと同じ物が何個かありますのでどの位もってくればいいでしょうか?」と返された。


「そうですね。多分、後4つ位同じ木箱が必要ですかね?」


「……あの、クリフ様達は薬草採取をして来たんですよね?」


「そうですよ。ちょっと、今日は一日掛けて採って来たので量が多くなりまして、あっ! ちゃんとルール通り採集ポイントの薬草を根こそぎ取ったりしてませんからね?」


 レインさんから教えて貰う時に「ポイント場所の薬草は、次の冒険者が採取する時の為にある程度は残しておいてください」と言われていたので俺達は採集ポイントでは1か所につき3分の1位しか採ってない。それでも、色んな採集ポイントやポイントから外れた場所で薬草を採って集めた。


「すみませんが、木箱を運ぶよりクリフ様が奥にそのまま出した方が早く済むと思いますので、すみませんが奥の部屋に来てもらえますか?」


「分かりました。それじゃ、アリス、ミケ俺ちょっと行ってくるから待ってて」


「うん、いってらっしゃいクリフ君」


「いってらっしゃいです。クリフ君」


 2人にそう返答された俺は、レインさんが開けてくれた扉から奥の部屋に通じる通路を通り、受付の人達が集まっている場所に着いた。


「クリフ様、こちらの台に薬草を出してもらえますか」


「分かりました。あの、結構量がありますので余り近くに居ない方がいいですよ」


 と忠告をすると受付の人達が台から離れたのを確認し、俺はアイテムボックスに入れてある薬草を全部台の上に乗せた。その時、台から変な音がしたような気がするが気のせいだろう。レインさんが一瞬だけ呆気に取られていると「す、すみませんが、りょ、量がありますので鑑定に時間が掛かりますので明日でもよろしいでしょうか?」と聞かれた。


「分かりました。アリス達には、俺から言っておきますね。あっ、それと魔草を採って来たのでよろしくお願いします」


 アイテムボックスに残っていた魔草を取り出し、レインさんに手渡した。そして、来た通路を戻りアリス達の所に戻った。


「すまん2人共。今日のはどうも量が多すぎたから時間が掛かり明日になるって言われた。それで良いって言ってしまったんだが、良かったか?」


「うん、いいよ。明日も活動するしね」


「私も別に構いませんよ」


「そうか、それじゃ今日はこのまま解散だな、明日はギルド集合で良いか?」


 そう聞くと、2人から「いいよ」という返事が帰って来たので、俺達はギルドから出て自分達の家に帰宅した。


★☆★


 クリフが薬草を置いた台の周辺では、クリフがギルドから出ていた後にやっと皆が覚醒した。


「レ、レインさん。この草の束が全部、薬草なんですか?」


「ええ、多分ね。さあ、呆気に取られてもこの量は消えたりしないから仕事にとりかかりましょう。クリフ君達は、明日の朝から来ると思うから今日は寝れないと思いましょう。質のチェックは、ちゃんとするのよ」


 レインのその一声からギルドの鑑定部屋で【地獄の薬草チェック】が始まった。レインたちが鑑定を終わらせれたのは、次の日のクリフ達がギルドに来る少し前だった。


ルールを守ったうえで2000本越えの薬草を採取してこれたのは、クリフ君達以外の冒険者の人は大抵が討伐か他の金になる仕事をしていて薬草採取をしないおかげでもありますが、殆どはクリフ君の山での修行+3人の身体能力のおかげでしょう。転生者のクリフ君、Sクラスの冒険者の父を持つアリスちゃん、身体能力が元より高い獣人のミケ。これからの3人の冒険者活動面白く書けそうです。



そう言えば、クリフ君達未だに魔物と戦ってない気が……まあ、クリフ君の索敵のおかげで魔物を避けてるって言うのもあるんですけどね。

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