第37話
王都での生活、1日1日満喫しながら過ごしているとあっという間に20日間が経った。
今日は、別荘へ帰るメンバーのお別れ会がクールベルト家で行われていた。参加者は、俺、母さん、父さん、爺ちゃん、婆ちゃん、姉さん達、兄さん達、ナターシャさん、伯爵様と伯爵様の奥さん、そしてクールベルト家で働いている従者の人達も一緒に参加して貰い、お別れ会という名のパーティーを行っていた。
「うう、クリフと離ればなれ、いや~!」
「姉さん、僕も悲しいけど、長い休みの時は会えるんだから、我慢しよ?」
「そうよ。アリエス、クリフだって悲しんでいるんだから」
「何よ! 昨日の夜、一緒に泣いてたじゃないエレミア!」
俺との別れに、泣きだしたアリエス姉さんをエレミア姉さんと宥めようとしたら、アリエス姉さんからそう言われたエレミア姉さんは、動じることなく「今は泣いてない」と言った。2人の間にピリピリとした感じが流れていたので、俺は慌てて2人の間に入った。
「ね、姉さん達、今日はお別れ会なのに喧嘩しちゃだめだよ!」
「「クリフが言うなら」」
俺が間で止めると、今にも殴り合いでもしそうな雰囲気だった姉さん達は、すぐさま機嫌を取り戻した。それまで、黙って見ていた他のメンバーの中に居た母さんから「ほんと、どっちが下か分からないわね」と笑っていた。
(母さん、貴女も先日、子供の俺からクッキーを取られて泣きそうになり、俺が分けてやると子供の様に喜んでいて、それをみたアイリさんが同じことをいってたんだよ)
心の中で思っていたが、楽しいパーティーの最中にそんな事を言うのもなんだし、と思い心の奥底にしまった。その後、兄さん達とも別れの挨拶をし、1年後の学園に入学するのが楽しみだね。と言われた。
「僕も、早く兄さん達と同じ学園に通いたいよ」
「クリフなら、頭も良いし、最高位クラスのSクラスとかになりそうだね」
レリック兄さんに言われ、「Sクラス?」と聞き返した。
「Sクラスって言うのは、簡単に言うと頭も良くて、魔法や武術が上手な人が集まっているクラスの事だよ。僕とクラリスもSクラスだから、クリフもきっとなれるよ」
兄さんがそう言った瞬間、一緒に聞いていた姉さん達が「私達も、Sクラスに編入が決まったわ」と言った。ちょっと待て、クールベルト家の子供達全員Sクラスなのか?! どれだけ、チート一家なんだ?
「そうだったのかい、アリエスちゃん、エレミアちゃん?」
「うん、お父さんがそう言ってたよ」
アリエス姉さんは、そう言いながら大人達で喋っていた父さんを呼び「私とエレミアってSクラスなんだよね。お父さん?」と聞いた。
「うん、そうだよ。アリエス達は双子だし、クラリスと同い年だから学園では先輩のクラリスは、アリエス達にちゃんと教えてあげるんだよ」
「はい、お父さん」
そう言えば、姉さん達っていつも一緒だし服の色が違うだけだけど他がほとんど一緒だなと思っていたら姉さん達、双子だったのか3年間一緒に暮らしてて知らなかった。それと、クラリス兄さんと同い年って事は3年前に3歳位? と思っていたが、あながち間違いではなかったようだ。
その後、色んな話やら、話に飽きた子供達(俺も)裏庭で爺ちゃんに遊んでもらって時間を潰した。夕暮れ時になり、伯爵様と伯爵様の奥さんが帰り、ナターシャさんは今日は泊まる事になった。それを聞いて、兄さん達が「僕達もお泊りしていい?」と聞き、了承が出て凄く喜んでいた。お泊りが決まった兄さん達、そして父さんと爺ちゃんと男だけでこの家の大きな風呂に一緒に入った。
クラリス兄さん、まだ5歳なのに体が俺が知っている子供よりがっしりとしていた。流石、武術でSクラスに居る兄さんだ。レリック兄さんは、魔法でSクラスに上がったらしく、風呂場で水魔法を見せてくれて、爺ちゃんに「レリックの魔法の技術は、結構高いのう」と褒められていた。爺ちゃんが褒めると言う事は、相当な技術なんだろう。レリック兄さんは、爺ちゃんに「ホントですか?!」と驚き聞き返した。
「うむ、その歳でそこまでの魔法を操れるのであれば、今後の鍛錬によるが宮廷魔法師クラスにはなれるじゃろう」
「ッ! 頑張ります!」
爺ちゃんの言葉に、目を輝かせて意気込むレリック兄さん、クラリス兄さんも爺ちゃんから「よく、出来た身体じゃ、クラリスも今後もそのように頑張れば、剣豪クラスにはなれるじゃろう」と言われ、兄さん2人は喜んでいた。
そして、風呂から上がり、女性陣が風呂に入っている間に寝床の準備を始めた。「皆で寝れる部屋もあるよ」という父さんの提案により、クールベルト家(リヒトさんは、自分に当てられた部屋で寝ると言い断った)一同、同じ部屋で皆で寝ることになった。姉さん達も、風呂から上がって来てその提案の話をすると「それは、良いわね」という母さん、「はい、私も構いませんよ」とナターシャさんもいい、満場一致で皆で寝ることになった。
10時まで予定で書けなく、大遅刻をしました。申し訳ありませんでした。