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第32話


 父さんの治療してから、3日経った。1日目は、まだ呪いの影響か足元がふらついては居たが今では、普通に歩けるし裏庭を走ったりして順調に回復していた。一時は、どうなるかと思ったが何とかなってよかったと思っている。

 治療の為とはいえ、大量のポイントを消費してしまった。光属性のレベルが4か5にあげるのに800、6にあげるのに1000、7にあげるのに1200使って、その時点で3000ポイント消費し、8.9.10のMAXにあげるのに1500ずつ消費し、合計7500ポイントを使ってしまい、残りは、スキルポイント0、善行ポイントが22700ポイントになった。

 そんな、大量にポイントを消費し、落ち込んでいる俺は今、俺と爺ちゃん以外誰も居ない裏庭で話をしていた。


「一気に、転生した時から1万位減ったな、レベルはまだ30だからこの先スキルポイントは増えると思うけど、少し今回で使いすぎた」


「1万ポイントをその歳で持っておる方がおかしい気がするが、クリフの場合そう思わないのか?」


「おかしいとは思ってるよ。第一にまず、転生して3年しか経って無いのに1万減ってる今現在、自分の感覚が麻痺ッてると感じてるんだよ」


「ふむ、確かに儂の場合、1万ポイント等溜めた事が無いからのう」


「まあ、今回は仕方なかったけど暫くは、ポイントを使うのは控えないとな……自力で、スキルレベルを今の内から鍛えておこうかな」


「それなら、儂と特訓でもするか? リヒトが居る今なら、ここで魔法の練習もできるぞ」


 爺ちゃんのその提案に、俺は直ぐに乗っかる事に決め、家の中に走って行きリヒトさんが泊まっている部屋へと向かった。

 部屋の扉をノックし、扉を開け中に入るとリヒトさんが部屋に置かれている椅子に座り本を読んでいた。俺と爺ちゃんが来た事を確認したリヒトさんは、本を閉じて虚空の中に入れた。多分、リヒトさんもアイテムボックス等の空間収納魔法を持っているんだろう。


「どうしたのかな? 父と2人で来るなんて」


「あの、リヒトさんが暇ならで良いんですけど、俺の魔法の特訓に付き合って貰えないでしょうか? リヒトさんの結界があればだれにもバレずに特訓が出来るって爺ちゃんが提案して……」


「そうですね。私の結界があれば、確かにクリフ君の力を他者に知られずに特訓が出来ますね。……いいでしょう。私も、少し転生者であるクリフ君の力を見てみたいですから、その提案受けますよ」


「ホントですかッ! ありがとうございます!」


 提案に快く引き受けてくれたリヒトさんに、俺は精一杯のお礼の気持ちを込めてお礼をした。


「なあ、クリフよ。儂と話す時と随分口調が違うような気がするんじゃが?」


「だって、最近の爺ちゃん見てると家族の中でも2番目に地位が低いし、最近爺ちゃんの威厳が無くなってる気がするんだよね」


「ぷっ、た、確かに父は、母やリサラにはめっぽう弱いですからね。その2人が揃ってる環境だと、クリフ君もそう感じるのは当たり前ですよ」


 俺とリヒトさんの言葉を受けた爺ちゃんは、拗ねた様に部屋の隅の方に行き体育座りをした。


「儂だって、言い返したいんじゃわい、じゃが女は強いんじゃ、それを知らないクリフとリヒトには絶対分からないじゃ……」


 とブツブツと言いながら壁に人差し指で円を描きながらいじけ始めた。


「……まあ、女を知らないと言われても俺の場合、まだ3歳だし」


「私も、本当だったら里を出て出会いを探したかったのですが、父に押し付けられた長の仕事で全くそういうのが進まないのですがね」


 リヒトさんの言葉は、少し怒気を含んだように聞こえた。爺ちゃんも同じだったようで、背中がビクッと動くと「知り合いの所に、行ってくるのじゃッ!」と言って、走って出て行った。


「全く、あれで里の中で歴代最強の魔法使いと言うのですから、おかしな世界ですよ」


「やっぱり、爺ちゃんって凄い人なんですか?」


「そうだね。人の世界での功績で有名なのは、魔王の手下の軍勢を1人で殲滅した位だけど、里では、古竜と対峙し友として認められたり、聖獣を召喚獣として契約してたりと色々と凄い人なんですよ」


「思ってたより、凄い……」


 リヒトさんは、その後も爺ちゃんの凄い所を話してくれた。他には、ダンジョンを1人で難易度Aクラス以上の場所を踏破したり、現魔王ではなく2代前の魔王を勇者のパーティーにスカウトされ討伐したり、獣王や竜王等の王と友だったりと色々と凄かった。


「ですが、今の父は活き活きしてて、良いのですがね。数年前は、リサラが嫁に行って里から出て行って少し寂しそうでしたが、クリフ君が生まれこちらで過ごすようになった後、手紙を母から届けられる時、毎回、父が楽しそうだと書かれてましたからね」


 その後、母さん達から朝食時間になったわよ。と呼ばれ、リビングに行き復活した父さんと、いつの間にか帰って来ていた爺ちゃん、家族全員が揃ったこの家で楽しく食事をとった。

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