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第30話


王都の街の探索から、約1ヶ月が経った。戦争の準備も着々と進み、今は王都で聖国、商業国のお偉いさんが集まり、最後の会議をしている。

 それと、この期間の間に婆ちゃんも王都へと来ていた。着いたその日に、爺ちゃんと母さんが説教されていた。やはり、母さんの親だ迫力が母さんより凄かった。婆ちゃんは、父さんから王都にいる妻が倒れている事を伝えると、直ぐに伯爵家に向かい、三女さんの体調と精神を直ぐに安定させた。

その時の婆ちゃんの魔法は、俺が使っている回復魔法とは少し違う感じがして聞いてみると、婆ちゃんは、光魔法の上位属性である。聖魔法を使えると言われた。俺は、婆ちゃんに回復魔法の使い方を学ぼうと婆ちゃんに言うと


「孫に、私の魔法を教えれる日が来るとは……嬉しいわ、子供達の中で結婚したのがリサラだったけど、人間と結婚したから、まだまだ先かと思っていたわ」


 と言って、泣きながら了承してくれた。これで、1番俺的に重要な魔法が強化される。

そして、それからは三女さんと母さん、そして父さんが話し合い、母さんもまさか【悪魔】に取り憑かれてる人が身近に居たとは思っていなかったようで、三女さんを心配していた。

 それと、ここで初めて分かったことなのだが三女さんの名前は、ナターシャと言うらしい。父さんと爺ちゃんから、「何で、ナターシャの事を三女って言ってるんだ?」と聞かれて、名前を教えて貰ってなかったからそう言ってたと言うと、爺ちゃん達はナターシャさんの事を嫌っていると思っていたらしい。


「爺ちゃん、こんな夜中に呼び出して」


「うむ、ちょっとなクリフに頼みたい事があるんじゃよ」


 爺ちゃんに部屋で寝ようとしていると、爺ちゃんから「ちょっと、クリフ来てくれぬか?」と言われ、王都の家の裏庭へと連れて来られた。


「なあ、クリフよ。学園を卒業した後の事、もう考えておるか?」


「一応、この前言ったように初等部を卒業したら、冒険者になる予定だよ」


「そうか……なら、クリフよ。儂は、里から出たエルフじゃが、この大陸には残っていないといけない身の上なんじゃが、もしお主が冒険者となって、別大陸へと旅に出る時があれば、この子を探してきてくれぬか?」


 爺ちゃんは、アイテムボックスから、1枚の紙を取り出して俺に見せてきた。そこには、母さんと少し似ているが、髪色が違うエルフの絵が書かれていた。


「えっと、その人は?」


「この子は、儂の娘の一人じゃ、この絵で少し気づいていると思うが、この子はリサラの双子の姉なんじゃ」


 絵の人、まさかの母さんのお姉さんだった。俺からだと、伯母さんになる人だ。


「この子はな、儂と大喧嘩をしてのう。その時に里から出ていったきり、40年近く帰ってきていないのじゃ」


「よ、40って、家出にしては長いね」


「いや、エルフにしたら40、50年家出するものなど、普通なんじゃが、どうしても気になってのう。色んな知り合いに頼んでいるのじゃが、一向に見つけることが出来ないんじゃ、じゃから、もし別大陸で見つけたら、1度で良いから帰ってきてくれぬか頼んでほしいんじゃ」


 爺ちゃんの頼みに俺は、「分かったよ。でも、いつになるか分からないよ」と言って了承した。


「さて、玄関から入るとリサラに怒られそうじゃし、窓から入ろうかのう」


 と言って、俺を持ち上げ2階の俺の部屋の窓を開けて、ベッドに俺を寝かし、爺ちゃんは部屋を出ていった。

 そして、次の日、戦争の準備が調い爺ちゃん達が家を出て行った。今回の戦争は、大国である3カ国が帝国へ攻める感じでほぼ勝ち確らしい。各国から強い人達が集まり戦争に参加している。爺ちゃんもその内の1人らしい。

 俺は、と言うと見た目が子供だし今回の戦争はこちらが優勢なので、留守番となった。まあ、爺ちゃん達から「もし、家になんかあったら頼んだぞ」と言われている。


「ねえ、クリフ。おじいちゃん達、大丈夫かな」


「爺ちゃん、強いし。父さんも居るから、大丈夫だよ」


 爺ちゃん達を姉2人が心配しているようだったので、俺はそう言って「そんな事より、お姉ちゃん遊ぼ!」と言って、気を紛らわしてあげた。

 そして、爺ちゃん達が戦争に向かってから約2週間が経った。


「クリフ、今日おじいちゃん達が帰ってくるわよ」


 母さんから、そう言われ、やっと終わったのかと思いながら帰りを待った。婆ちゃんは、城からの使いの人に「怪我をした者達の治療を手伝ってくれませんか」と言う頼みを聞き朝早くから、家を出て言った。しかし、夕方近くなっても、爺ちゃん達が家に帰ってこなかったので、母さん達と一緒に家を出て戦争に行った人達が集まっている城へと向かった。

 城の前に着くと、既に兵士達が戦争から帰ってきていて、その中にクールベルト家の兵士達が居た。少し暗い感じの兵士達に「爺ちゃん達は何処?」と聞くと、兵士達は泣きそうな顔をして、ある方向へと指を指した。

 そこには、地面に倒れている父さんと、父さんに対し回復魔法を掛けている婆ちゃんの姿があった。

 急いでその場所へ走っていき、治療を見届けていた爺ちゃんに話を聞いた。


「クリムは、敵の呪術を受けてしまったんじゃ」


 そう言った、爺ちゃんに向かって母さんが「クリムは、大丈夫なの?」と焦りながら聞いた。


「今呪いが解ければ、大丈夫じゃが、このまま呪いが進むと死んでしまうかもしれん」


「「「「「ッ!」」」」」


 爺ちゃんの言葉を聞いた。俺、母さん、姉さん達、テーラさんが驚き父さんを見た。


「婆ちゃんの治療で治りそうなの?」


「少し、厳しいようじゃな……聖国の者にも頼みたいんじゃが、生憎帰りは別でのう。いつ帰って来るのか分からないんじゃ」


「父さん……」


 俺はそこで、父さんを見ながら考えていた。もし、俺がここで光魔法をMAXに上げて聖魔法を使用し回復魔法を使えば、助かるかもしれない。しかし、それをすると俺の力がバレてしまう。


「爺ちゃん、周りの視線消すこと出来る?」


「……すまん、儂にはそう言った。芸当は出来ないんじゃ」


 爺ちゃんの言葉聞き、俺の力がここにいる人達にバレてしまうと色々とやばい事になりそうなんだが、このままだと父さんの命が……そう俺が考えていると、後ろから「周りから見られなくすれば、良いんだな」という声の元、何かの魔法に俺、爺ちゃんが包まれた。


「リヒト!」


「父さん、母さんじゃクリム君を治すことが出来ないんでしよ。それなら、リサラの息子で転生者のクリフ君の力を使おうじゃないか」


「ッ! って、驚いている場合じゃなかった」


 俺は、誰にも見られない。と言う言葉を信じステータスを開き、光魔法のレベルをポイントを使いMAXにした。


「絶対に助けるからね。父さん!」


 そう言って、聖属性へとなった力を使い回復魔法を父さんへと掛けた。

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