第3話
新しく出て来たホログラムを確認するとさっき爺さんから言われた種族名が書かれていてその横にポイントも表示されていた。
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人族:200P
竜人族:1000P
獣人族:900P
小人族:100P
巨人族:300P
魔人族:900P
エルフ族:800P
ドワーフ族:600P
ハーフ:2種族合計の2倍のポイント
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「……この数値だけでどの種族が強いのか分かりますね」
「ふぉっふぉっふぉっふぉっ、確かにのう。強さだけで言うとしたら【竜人族】が一番じゃのう。しかし、繁殖量で言えば【人族】が圧倒的に多いのう」
「それって、【人族】がどの種族より交尾してるって事になるんですが……」
「まあ、そうじゃのう。人族は寿命的にも二番目に早く死ぬからのう。一番寿命が短いのは小人族じゃが、小人族もまた繁殖力は人族に引けを取らず、【小人島】という小人だけが住む島もあるぞ」
凄いな小人だけの島って、一度見に行って見たいな…あっ、そう言えばこの事を聞いておかないと、俺は思い、先程聞いた話の疑問点を爺さんに聞いた。
「あの1つ聞いても良いですか?」
「うむ、質問はドンドン聞いてよいぞ」
「先程、【ハーフ】も居ると言いましたけど、その方達の扱いってどういう物でしょうか?」
「うむ、【ハーフ】は別に蔑まれていたり等はされていないぞ、じゃが【精霊族】の2つの種族は他の種族と積極的には子を作らないのう」
うっ、考えていた【エルフ】+【人族】と言うのが出来ないのか、まあ仕方ないか。
「やっぱり、そう言うのあるんですね。良かったです。聞いておいて」
「うむ、しかし【精霊族】の中でも、時々他の種族と恋に落ちる者も居るから【精霊族】とのハーフは極僅かに存在しておるぞ」
「う~ん、そうですね。なら【エルフ】と【人族】のハーフにします」
俺は爺さんに報告しながら手元のホログラムの一番下にある【ハーフ】を選択し【エルフ+人族】の場所をタップした。それにより先程まで棒線が引かれていた種族欄に【種族:ハーフエルフ】と書かれた。
「うむ、種族は決まった様じゃのう」
「はい、結局【ハーフエルフ】にしました」
「ふむふむ、良いのを選んだのう。【ハーフエルフ】は長寿の種族で、森に愛されてるエルフの血を引いておるから森で迷う事は無いぞ」
「そんな特典があったんですか?」
「うむ、これは選んだ後にしか説明をしたらいけない規則でのう。その特典目当てに良い特典の種族を選ばせないようにと言うルールなんじゃ」
爺さんはお茶を飲みながら「儂もこんなにルールに縛られない仕事したいのう…」と疲れた目をしてボソッと呟いたので、俺は爺さんに「お疲れ様です」と労いの言葉をかけた。
「よし、次に進もうかのう。次は【身分】の選択じゃ、【身分】には【大貴族・貴族・平民・奴隷】の4種あるのじゃがその中にも小分けされておるからの、これも【身分】の所を押せばポイントが書かれておって、説明文も書かれておるからじっくり読むんじゃよ」
爺さんから言われた通り、俺はステータスの身分の所をタップし表示させた。
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大貴族【王国や帝国等の大きな国の王家や公爵、侯爵、伯爵、辺境伯等が含まれる】:【王家】5000P【公爵家】4500P【侯爵家】4000P【辺境伯】3750P【伯爵】3500P
貴族【王国や帝国等の大きな国に仕える子爵、男爵、准男爵が含まれる】:【子爵】3000P【男爵】2500P【准男爵】2000P
平民【王国や帝国等の大きな国に住まう人やその他周辺地域に村・街を形成した所に住む者達】:1000P
奴隷【人種全てに金で取引される者達、犯罪や身売りで奴隷商に扱われる者達【戦闘奴隷】【奉仕奴隷】等多種目的に合わせた奴隷が居る】:-1000P
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うん、絶対に奴隷は無しだな。ポイントもまだ68000残っているんだ。しかし、大貴族の4つは絶対に貴族社会で争いが面倒そうだな…かと言って平民だと飯が食えないとかなりそうだ…ここは間を取って【貴族】の中から選ぶとするか、男爵位はほとんど平民と変わり無さそうだし子爵にしよう。
「出来ました」
「ふむ、意外と早く終わったのう。して、どれにしたんじゃ?」
「はい、大貴族は貴族社会が面倒だと思い止めて、平民だと金に困りそうだから、間を取った子爵にしました」
「成程のう、確かに向こうの世界は貴族同士の争いが激しい所もあるしのう」
神様からのその言葉を聞き、子爵と辺境伯で迷い子爵にしたけど、やはり辺境伯にしとけばよかったかなと思ってしまった。
ここで、今現在のステータスを確認しておこう。
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ポイント:65000
名前:轟 士郎
年齢:---
種族:ハーフエルフ
身分:貴族【子爵】
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こんな感じに、決まったところは変更されている。これでやっとまだ4分の1しか決めれてないことに少し絶望した。この時既にこの世界に来て1時間近く経っている。
「さてと、次の欄に進もうかのう。【称号】は世界に渡った時に色々な物事を起こしたり、力をある程度の所まで持つと現れる物じゃ。例としてスライムを1000匹以上倒すと【スライムキラー】、強盗や殺人等悪い事をしたら【犯罪者】、街や村を救うと【街の英雄、村の英雄】、国を救うと【勇者】、世界の危機を救うと【救世主】等が貰える。他にも色んな称号があるのじゃが、これはここでは選べないからのう。次に進むのじゃ」
「はい、分かりました。次と言うと、【加護】ですが、これもまた異世界に行ってからですか?」
「確かに。転生した先で神を信仰して【加護】を貰うのじゃが、士郎君の【加護】は、既にこの神界に来た時から見ていた儂の加護を授けるのじゃ」
「神様のですか?」
「うむ、儂、こう見えて神様の中で最上位の【全能神】じゃからのう。儂の加護は強いぞ」
ニカッと笑って見せた神様が、そのまま俺に光り輝く粉みたいなのを投げると、それは全て俺の体に吸収されていった。
「あ、有難うございます。全能神様」
「よいよい。それに士郎君、先程までのような態度で良いぞ、畏まられても儂が窮屈になるのじゃ」
「……はい、分かりました」
俺は爺さんに言われた通り先程までの態度に切り替えた。爺さんは「士郎君、切り替え早いのう」と俺の切り替えの早さに驚いていた。