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第25話


 カオスの空間となっていたこの場は、執事さんがなんとか収拾をつけてくれ、話し合いに持ち込んでくれた。


「ふぅ~、レグルスよ。はよう、話を始めろ」


「儂が、遅らせたわけじゃないだろ……まあ、何だ。今回、呼んだのは【悪魔】の件だ」


「何か、分かったのか?」


「ああ、思っていた通り【悪魔】は、帝国の者がやったようじゃ」


 レグルス前国王は、そのまま調べ上げた今回の事件の内容を俺達へと話をした。


「成程のう、して、どうする? 帝国潰すか?」


「リグル、落ち着け確かに今回お主には色々と迷惑を掛けたのは分かっておるが、相手も大国だ正面から戦うには、こちらには準備が足りておらん」


「……何じゃ、レグルス帝国を潰すのに反対はしないのか?」


「まあ、何だ。他の国にも戦争を仕掛けてる奴等だ。聖国や商業国も、そろそろ帝国を攻めると話し合いをしてた所なんだよ」


「何じゃ、堅物の聖国が動くのか! それは良いのう。して、仕掛けるのは、いつなんじゃ?」


 レグルス前国王様が言った味方? の国の名前を言うと、爺ちゃんは驚き楽しそうにそう言った。レグルス前国王様は、「戦闘狂は、怖いな……」と言った。


「それで、そのもし戦争が始まったらリグル様のお力を借りたいと思っているのですが」


「手を貸すも何も、儂をのけ者にしたら儂が一人で攻めるわい」


「それは、頼もしいです。それで、今回取られていた砦にはクールベルト家の兵士では危険なので王国の第2兵士団を送りました」


「そうか、確かに一度取られた場所じゃからな、それは助かるわい。しかし、これを儂の口から言うのもちょっと気が引けるのじゃが……」


 困り顔で顎髭を触りながら、爺ちゃんはレグルス前国王へと向かって言った。


「今回、確かに帝国の者がやったことだが、クールベルト家にお咎めとして何か無いのか?」


「……ああ、その事なんだが【悪魔】に関しては、儂らは何もできなかった。しかし、その【悪魔】を退治したのはクールベルト家の者だ。お咎めは、無しにすると決めた。【悪魔】に関しては、話をするうえで大臣と宰相には、話をしたが奴等もこの意見には同意見だった」


「そうか、それは良かった。良かったのうクリム、息子の手柄で家には何もないらしいぞ」


「そうですね。ありがとう、クリフ」


 レグルス前国王様の言葉を聞き、爺ちゃんと父さんは俺の頭を撫でた。アーサー殿下から「本当に、クリフ君が【悪魔】を退治してくれなかったら、王都は大変な事になってたよ。ありがとう」と言った。


「それで、帝国とやるのはいつ頃なんじゃ?」


「準備期間も色々と込めて、約1カ月後くらいだと思う。聖国からの増援と商業国からは物資が届くから、それを待つ期間が必要になる」


「成程のう。なら、その間帝国から敵兵が来たらどうするのじゃ?」


「そこなんだよな、帝国は既に戦争の準備は出来てると思うから、あり得るんだよな」


 待つ期間、もし帝国が攻めて来たらどうするか、爺ちゃんとレグルス前国王様が悩んでいると、部屋の扉をノックする音が聞こえ執事さんが扉を開けると、そこには1人のエルフが居た。


「お困りの様ですね。ショーラン王国の前国王様と現国王様と次期国王様、それと私に仕事を押し付けた戦闘狂の父上」


「リヒト! 何で、お主が王国に居るんじゃ?!」


「リサラから、聞いたのですよ。大事な息子と夫が大変な目になってるとね。可愛い妹が困っている時、助けてあげるのが兄という者ですからね。ああ、大丈夫です里はきちんと私の結界を使い、里に害を与える者は入れないようにしてますから安心してください」


 突然現れたエルフの男性は、話の内容からすると母さんの兄、俺からしたら伯父さんとなる人だろう。


「ショーラン国王、エルフの里の者の中で強い者達を半分連れて参りました。1つの小隊を貸していただけるのであれば帝国からの攻撃は私達が何とかして見せます」


「リヒト様がですか?! それは、有難いお言葉です。分かりました。第3兵隊をお貸ししますので、どうかよろしくお願いします」


 と現国王様が伯父さんに嬉しそうに、そう言った。


「分かりました。それでは、直ぐにでも出発します。それと、父上、戦争が終わりましたらゆっくり話し合いをしましょうね。色々と積もる話もありますから」


「ああ、分かった。いってらっしゃいなのじゃ……」


 伯父さんは、爺ちゃんを睨むように言いながら部屋から出て行った。俺は、爺ちゃんに「何をしたの? 凄く怒ってるみたいだったけど」と小声で聞いた。


「ああ、ちょっとな儂が里から出る時、次の長を決めないと出ていけなかったから、リヒトに睡眠薬を飲ませ、奴が眠っている間に儀式をやって婆さんと里から出て来たんじゃ」


 爺ちゃんが言った言葉に、俺は「それは、怒るでしょ」と言った。その後、話し合いを終わらせた後、俺達は乗って来た馬車に乗り屋敷へと帰った。

 屋敷に着くと、俺は待って居た姉さん達と一緒にお昼を食べ、直ぐに外に連れて行かれ鬼ごっこをして遊んだ。そして、その夜、1人で部屋で眠っていると部屋の扉が開き誰かが入って来た。


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