最終話
ルードさんとの模擬戦から数日後、俺達は獣人国を出発して新たな土地を目指していた。獣人国最終日、王様や四天王の人達から見送られた俺達は、またここに来ようと話し合いつつ獣人国を離れて行った。
「獣人国、楽しかったね」
「そうだな、それに知り合いも出来たし良い所だったよ」
「クリフちゃん、友達作るのが本当に上手だね。お姉ちゃん嬉しいよ」
そう言ってアリエス姉さんは、俺を撫でてエレミア姉さんも同じように撫でてきた。流石に、皆が居る場所なので直ぐに「アリエス姉さんエレミア姉さん?」と言って撫でるのを止めさせた。
その後、順調に旅をしながら俺達は色んな国々を回った。果ては未開の地とされていた僧の国や外交を殆どしない竜の国、海の中にある海上都市だったり、天空に浮かぶ天空都市にも俺達は行った。母さんに約束した通り、行く先々でお土産になりそうな物を集めて最初に決めた旗艦り大分早い期間で母さん達に旅の話をしに行ったりした。
「爺さん、久しぶりだな」
「ふぉっふぉっふぉっ、確かに久しぶりじゃなクリフ君。どうさね旅の方は?」
「楽しんでるよ。異世界ってこんなにも広かったんだなって感じてるよ」
「儂の世界を喜んでくれている様で、連れて来て良かったのじゃ」
旅の道中、俺をこの世界へと転生させた神ウィルドディシアスと会話する事が出来るようになっていた。まあ、最初にあった時の印象がただの爺さんだった事もあり〝爺さん〟呼びと数年間こうして偶に話しをしに来てた結果ため口も許されている。
「それにしても、この世界広すぎじゃないか? 既に5年くらい旅続けてるけど、全く終わりが見えないぞ?」
「ふむ、その質問は世界がどれだけ大きいのか答えて欲しい質問かね?」
「いいや、ただの愚痴だよ。ただ、こんなに広い世界でこんなに面白い世界に連れて来てくれた事を感謝してるんだ。ありがとう」
「うむ」
その後、ウィルドディシアスと他愛もない話をしたりしていつも通り朝になったら現世へと戻って来てアリスや姉さん達に挨拶をした。
(最初は自分が世界を変えた事に驚いたり、沢山のポイントをゲットして最初からチートで転生した筈なのに俺よりも強い人がゴロゴロいる事に驚いたり、父親が悪魔に洗脳されて家族の危機が起こって驚いたり……何だか、俺こっちの世界に来て驚きっぱなしではないか?)
まあ、何にせよ。こんな素晴らしい世界に転生出来た事を俺は一生感謝するだろう。
「まっ、死ぬまで寿命で言えば数百年あるから、まだまだ楽しめるけどな」
俺の異世界生活はまだまだ始まったばかり、これからも面白おかしくそして楽しく生活して行こう。
約2年間本当にお世話になりました。これにて前世ポイントは完結致します。
私の努力不足、勉強不足で止まり止まりで更新して来てリメイク前も合わせると約4年間もこの作品を書いてきました。こちらの作品は、私の処女作で思い入れも沢山有ります。題名通り、楽しく異世界をモットーに主人公には色んな楽しさを与えてきたつもりですが、日が経ちすぎて忘れた設定、回収されてない伏線があります。そこに関しては、本当に申し訳ございませんでした。
ですが、私としましてはこれ以上長く続いても良い感じに終わらすことも出来ないと感じ、この話を持ってこの作品に幕を閉じさせたいと思います。今後も創作活動は続けて行くつもりですので、他の作品でもよろしくお願いします。