第191話
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王様と爺ちゃんの話で盛り上がり、部屋に入って数時間が経っていた。王様から聞いた爺ちゃんの話では、爺ちゃんはこっちの国では好き放題やらかしていたと聞いた。それはこの国が〝実力主義〟の国だからこそ咎められる事は無かったらしいのだが、この国の兵士を数百人自分の鍛錬の為にボコボコにして、それを止めに来た当時王子だった王様もボコボコにしたりと、聞いている俺が恥ずかしい内容も多々あった。そして、そんな話を聞いていると、いつの間にか窓の外を見ると、朝日は完全に昇り切っていた。
「むっ? もうこんな時間か……すまんな、爺の長話に付き合わせてしまって」
「いえ、爺ちゃんの知らない一面も知れて良かったです」
「ふっ、手紙に書いてあった通り相手に気配りが出来る者じゃな……そうだ。どうせなら、昼食も食べて行くと良い。予定があるのであれば良いが、どうじゃ?」
「そうですね……まだ、爺ちゃんの話も聞きたいのでお言葉に甘えさせてもらいます」
そう言うと、王様はニコッと笑い「そうか、直ぐに準備させる」と言ってメイドを呼びつけ王様の分と俺の分の昼食を用意させた。それから、俺は王様と笑い合いながら昼食を食べて、かなり王様と打ち解けていた。
「しかし、リグルの孫がここまで凄い者だとはな、予想しておらんかったわ」
「小さな頃から色々とありまして、自分自身が強くなる事が多かったんですよね。後は、まあ近くに変に強い人が居たので影響されました」
「そうじゃな、リグルも大概じゃが娘のリサラやクリムもあの国では強者の部類じゃろう。逆に、それだけの環境に生まれたのは凄い幸運じゃったな」
「そうですね。今は感謝しかないです」
その後、王様との話も終わりを迎え「また、この国に来る機会があればいつでも来てよいぞ」と言われて城を出た。すると、城の門の近くで出待ちしていたのかルードさんが居て「クリフ、ちょっと付いて来てくれ」と言われて俺はルードさんの後を付いて行き、王都の外へと出た。
「クリフ、あの試合の時の様に全方位から魔法を俺に放ってくれないか?」
「……分かりました。強さはどのくらいで?」
「勿論、クリフの最大魔力で頼む」
真剣な顔つきで頼まれた俺は断らずに真剣に内容を聞き、ルードさんと少し距離を取り「行きますよ」と言って魔法をルードさんに向けて全方位から放った。すると、ルードさんは精神を研ぎ澄まし一個一個の魔法を避けて行ったが、数個目の魔法に当たり、その後もいくつかの魔法が当たった。
最後の魔法が終わると、ルードさんは本当に悔しそうに「やっぱり、駄目だったか~」と言って地面に座り込んでしまった。
「クリフ、お前本当に凄いよ。その歳でそんなに魔法も使えて、他にも色んな技術を持ってるんだろ?」
「まあ、そうですけど俺の場合、周りの環境が良かったんですよ」
「それでもだよ……そう言えばねクリフ達は旅の途中にここに寄ったんだろ?」
「はい、もう少ししたらこの国を出ようと思ってます」
「それなら、次来る時までにまた鍛え直しておくから、絶対にこの国にもう一度来てくれないか?」
ルードさんからそう頼まれた俺は「良いですよ。次合う時までに俺も強くなってきます」と約束すると、ルードさんは起き上がり「そうとなれば、旅に出る前にもう一試合やろうぜ」と構えたので俺は仕方ないなと思いながら構えて、それからルードさんと陽が落ちるまで模擬戦をした。
街に帰って来て泊っている宿に戻って来ると、アリス達から「遅かったね? 何かあったの?」と聞かれて、ルードさんと今の今まで模擬戦をしていた事を伝えると「見たかったな~」と残念がられた。それから、夕食を食べながら今後の旅の目的地を話して汗を流した俺は借りている部屋に入り、ベッドに横になると昼間の模擬戦で疲れていた事もあり直ぐに眠りについた。
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