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第179話


 俺が宿のベッドで休んでいると、部屋の扉をノックする音と共に「すみませんクリフさん、ディグロです」と名前を言ったので、俺はベッドから起きて扉を開けた。

 ディグロと名乗った彼は、黒竜の竜王の配下の一人で竜王会議の内容を時々俺に伝えにくる役目をしている。2年前、ドラグノフが王都を去ってから会議はずっと行われている。何故、そんなに長い間やっているのか? それ自体の事は俺も知らないのだが、何でも問題が重なって大変だと伝えられている。


「今回の報告書です」


「はい。ありがとうございますディグロさん、次の伝令の時は多分獣人国に居ると思いますので、慎重に来てくださいね」


「はい、それでは私は」


 報告書を渡したディグロさんは俺の影を使って部屋から消え、気配も消えた。これが彼の能力の1つで影を移動して、どんな遠い能力も渡れるという能力なのだが、気配は感じるので気配察知に長けている獣人国では危ないだろうなと思いつつ先程、気を付ける様に言った。


「えっと……また、ドラグノフ。ルーさんと喧嘩したのかよ……」


 そこには、前回から今回まで約1か月間の間に起った事を書かれていたのだが、ドラグノフはまたルーさんと喧嘩したと書かれていた。俺はそれを見て開始早々呆れつつ、読み進めて行き、今回もまだ会議が終わってない事を確認して、報告書をアイテムボックスの中に入れた。それから特に誰か来るわけでもなく夕食まで一人の時間を過ごし、皆が帰って来て一緒に夕食を食べた。

 翌日、体調は万全の状態で全員が揃って船着き場に向かい少し大きめの豪華な船のチケットを取っていた俺達はその船に乗り込んで割り当てられた部屋に向かった。


「この船で獣人国まで5日間か~、陸を離れるのとちょっと怖いな~」


「まあ、大丈夫だろうよ。海の魔物さえ来なければな」


 アリスが陸を離れる事に怖がり、それに対してガルドさんがそう言うと「そう言う事言わないでよ。ガルドさん」とアリスが言って、皆が笑った。それから1時間後、船が出向する音が聞こえたので俺達は部屋から出て来た。


「わぁ~、潮風が気持ちいいね~」


「そうだな、気持ちいいな」


「俺も久しぶりの船だから緊張してたが、これは本当に良いよな……」


 ミケ、俺、ガルドさんは潮風に興奮し、ルーネ達は船からの景色を楽しんでいた。勿論その中にはアリスも居て、先程まで緊張していた様子は無くなっていた。

 その後、俺達は獣人国までの間、自由時間とする事にした。俺は、早速他の乗員がどんな人が居るのか気になったので、船の中を歩き回ってみた。すると、殆どの乗客は獣人ばかりなのに気付いた俺は、獣人国んで何かあるのかな? と思い。猫人族の男性に聞いてみると、何でも近い内に大会があるらしくてそれに参加する為に各大陸から獣人や武に秀でた者達が獣人国へと集まっているらしい。


「へぇ~、そんな大会があるんだ。どうせなら、参加してみる?」


「そうだな、参加してみるか?」


 夕食時に皆に話すと、アリスが参加したいと言って他のメンバーも参加したいと言ったので、俺達はその獣人国で行われる大会に出場しようと皆で決めた。それから、俺達は何事も無く船の旅を楽しみ、無事に獣人国へと辿り着いた。

 獣人国は、1つの国で広大な大陸を一国が治めている。なので、他の国よりも軍事力に長けており四天王と呼ばれる者達は一人で一国は落とせられる力を持っているという噂もある。そんな獣人国に着いた俺達は、早速大会が行われると言われているこの大陸の中心部にある王都ブリュードへと向かった。


「楽しみだね。大会」


「そうだな、強くなった俺達がどれだけ通用するのか試したい気持ちもあったからな」


 王都に向かう俺達は、大会に向けて各自気持ちを高めつつ王都までの道のりを進んで行った。

 三日後、大会前に王都にたどり着いた俺達は門兵に大会に出場する為にはどうしたら聞くと、受付で登録したら良いと言われたので会場でもある闘技場へと向かった。


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