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第174話


 姉さん達がクランに加入して劇的な変化という物は無かったが、少しだけ変化はあった。今後俺達は色んな所で色んな人と関係を持つと思うので、その為の礼儀作法を取り入れるという話になり、学園でも才女として知られている二人には礼儀作法の先生役をお願いした。

 次に服装も変わった。以前まではバラバラの物を付けていたが、統一感あった方が良いというアリエス姉さんからの提案に俺達も賛同し、非戦闘員であるロックの分も含めて新しく装備を作ってもらった。その際に使ったのは、毒竜の余っていた素材で作り全員が同じ色、同じ感じの装備となった。まあ、役職がそれぞれ違うのでそれにあった作りに注文をしているので少しだけ違いはある。


「ってか、姉さん達ずっとこっちに居るけど学園は大丈夫なの?」


「うん。今は休み期間だからね。こっちに専念できるよ」


 アリエス姉さんはそう言いながら下級冒険者がやる薬草採取の薬草を取りながら言った。現在、冒険者となり始めたばっかりの姉さん達を薬草が群生している地域へと案内していた。


「クリフ君、依頼分の薬草採取終わったから帰ろ~」


 アリエス姉さんとエレミア姉さんは泥だらけとなった服には気にも留めず俺に対してそう言って来たので、姉さん達の服の泥を落としてあげて王都へと帰って来た。それから、ギルドで薬草を提出し、報酬を受け取った俺達は家に帰宅した。

 帰宅して来た俺達は、玄関先で父さんとバッタリ会い「久しぶりに模擬戦をしないか?」と言われた。


「う~ん、良いよ。今日は、姉さん達の護衛しかしてないから体力も有り余ってるからね」


「おっ、そうかい。それじゃ、早速行こうか」


 父さんは俺の言葉に嬉しそうに反応し、庭へと一緒に移動して来た。見学として姉さん達も居るので激しい魔法は無しと決めて模擬戦は始まった。


「クリフがどれだけ成長したか、楽しみだよ」


 父さんはそう言って、一気に全速力で俺の右後ろへと移動し、木剣を横ぶりし俺に攻撃を仕掛けてきた。しかし、俺は既にその速さに慣れているので軽い動作で攻撃を避け、父さんの視界から外れ一気に詰め寄り、剣を振りかざした。


「ふぅ、危ない所だった。やっぱり、能力値も前よりまた上がってるでしょ?」


「そりゃ、ここ最近迷宮にずっとこもってたからね。多少は上がってるよッ」


 戦いの最中でも気を抜かず、会話をしながら剣と剣がぶつかり合う。そして、攻防の末何とか俺の魔法で足止めに成功し一本取る事に成功した。


「か~、負けちゃったか」


「凄~いクリフ君」


「凄いわね。クリフ君」


 父さんは負けて悔しがり、見学していた姉さん達は俺が勝利した事に嬉しそうによって来て抱き着いて来た。それから、姉さん達と父さんの試合となった。


「ん~、また負けた~」


 アリエス姉さんは父さんから腹部への攻撃を受けて負けを認め、地面に横になり悔しがった。

 その後、姉さん達を先に風呂に入って貰い。俺と父さんはもう一戦試合をし、その試合では父さんに負けてしまった。


「やっぱり、まだ連勝は無理か……」


「ふふふ、まだ息子に勝ち越しは許さないよ……」


 流石に姉さんとの勝負もした父さんは試合終了が疲労で地面に座り込んでその様に強がっていた。俺はそんな父さんなに肩を貸して、一緒に風呂に入り背中を流してあげた。

 風呂から上がってくると、既に夕食が出来ていたので席について夕食を食べた。夕食の席では母さんから今日の姉さん達との活動について聞かれた。


「ぼちぼちだね。まだ冒険者になって日が浅いから所々あぶなっかしい所はあるけど、飲み込みも早いから一月もすればいい冒険者になると思うよ」


「そうなの、クリフ君に褒められて良いわねアリエス、エレミア」


「「えへへ~」」


 姉さん達は母さんの言葉に嬉しそうに反応し、食後はいつも通りソファーでくつろいでいると両隣に姉さん達がやって来て少し雑談をしていると、いつの間にか姉さん達は眠っていた。

 まあ、今日もあれだけ動いていたし眠くなるのは仕方ないかと思いつつメイドに姉さん達を部屋に連れて行ってもらい俺も自室に戻ってベッドに横になり眠りについた。


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