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第170話 


 ドラグノフが旅立った翌日、予定通りにクランハウスへと行き皆の成果を聞く事にした。やはりと言っていいのか、一番稼いでいたのは俺であり次にガルドさん達だった。アリス、ミケとの連携も上手くやれて強敵も倒すことが出来、素材の売値でルーネ達との差を付けたみたいだ。最後にルーネ達だが、迷宮での素材採集をメインにやっていたみたいで俺達との差に驚いて、討伐に変更するみたいだ。

 3組の情勢をお互いに話した俺達は、残りの日数を無理せず頑張ろうと言って解散した。


「しかし、ドラグノフが居ないとなると移動手段がないな……」


「そうね。私が連れて行こうにも時間が掛かってしまうものね。と言う事は、王都の依頼を受けるしかないかしら?」


「そうなるかな?」


 俺はそう言って、アーリンと共に王都の冒険者ギルドへと向かった。同じく依頼を受けるガルドさん達は既に良さげな依頼を受けて出る所で、早くいかないと依頼が無くなるぞと言われて、小走りで掲示板の所へと向かった。

 案の定、良さげな依頼は殆ど無く実入りの悪い物ばかりが残っていた。


「……よし、生態系を壊さない程度に低級の魔物の駆除をしよう。少しは金になるだろう」


 そう言って、本来であれば新米の冒険者が受けそうな依頼で目的地が被っている依頼を全て受けた俺は、ギルド側に生態系壊さない程度に駆除をしてくる予定ですので倉庫一部屋開けておいてください。とだけ伝えて、目的地の森へと向かった。


「よし、やるか!」


「森なら私も力を発揮出来るわ」


 俺もアーリンもやる気満々で俺達は森の中へと入って行った。そして、森の中で生息しているウルフ・ゴブリンと言った低級からオーク・オーガといった中級の魔物を討伐しまくり、大量の魔物を討伐した俺達はギルドに持ち帰った素材だけで金貨3枚を超えることが出来た。


「クリフ君お願いだから、こんなやり方はこれからしないでほしいな……ギルトが素材で溢れかえっちゃうから」


「今日はちょっと、やる依頼が無くて仕方なくですよ。明日からは朝から来て、ちゃんとした依頼を受けます。俺としてもやりすぎたなって思ってます」


 素材を売り飛ばした後、ギルド長に呼び出された俺は少し怒られてその日は解放された。それから、俺はちゃんと早朝に起きてギルドに行き良さげな依頼を受けては午前中に終わらせて、午後はやはり鍛冶師が居ないのはクランとしては出費の痛い所なのでガルフさんの所で紹介出来そうな鍛冶師が居ないか聞いて、紹介された鍛冶師の所へと行き無理だと言われてわ、ガルフさんに再度聞きに行くという過ごし方をした。


「はぁ~、何が駄目なんですかね……」


「まあ、鍛冶師ってのは頑固な奴が多いからな、若い冒険者にクランの剣磨きになってほしいって言われて付いて行くような奴は少ないからな」


 断られすぎた俺はガルフさんの工房で愚痴を零していると、一人の男性が店内に入って来た。その男性は、見た目は若く背負っているバックはかなりの数の武器が入っていた。


「あの、ここはガルフさんの工房で間違いないでしょうか?」


「ああ、そうだがお前は誰なんだ?」


「あっ、失礼しまた。私は、ロックと申しましてガルフさんがとある冒険者に鍛冶師を紹介していると聞きまして、王都から少し離れた街からやってきました」


 男性がそう言うと横で聞いていた俺は「えっ?」と驚き口に出した。


「あの、すみませんが貴方はその冒険者の鍛冶師になる為にきたのですか?」


「はい。実は、少し前にとあるクランに所属していたのですが私よりも腕のいい鍛冶師を雇ったからお前は要らないと言われまして、今更何処かの工房に置いてもらうのは無理だと思いまして、人伝に何処か鍛冶師を誘っている所は無いかと探している時にガルフさんの事を聞き、ここまで来たのです」


 そう言ったロックさんに俺は笑顔になり「その鍛冶師を募集してた冒険者、俺なんです」と声を掛けた。それから、ロックさんと詳しく話し合いをした結果、住み込みで食事の心配がなければ働きますと言ってくれたので、まずは作品の質を見てガルフさんにどうですか? と聞くと「可もなく不可も無い。ただ、そこらの鍛冶師よりは腕がいいぞ」と評価されたロックさんを俺は、俺達のクランに迎え入れる事にした。


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