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第167話

 ゴレ助とドラグノフとトランプをやって時間を潰していると、妖精界との門を開き終わったアーリンが戻って来た。それから、アーリンもトランプに参加して皆を待っているとガルドさんが扉を開けて建物の中に入って来た。


「おはよう、クリフ」


「おはようございますガルドさん。やっぱり、早いですね」


「まあな、これでも長く冒険者やってるから朝起きるのだけは慣れてるんだ。まっ、俺より早く来てるクリフに言われても意味無いけどな」


 そう言って、持って来ていた荷物をリビングの端に置くと俺達の所に寄って来て「それは、何やってるんだ?」と聞かれた。


「あれ? ガルドさんには説明した事無かったですかね?」


 俺は〝トランプ〟を始めて見るガルドさんに対して説明をして、今どんな遊びをしているのか説明をした。


「成程な……説明だけじゃ分からんな、一回見て覚えるからそのままやってくれ」


「分かりました。それじゃ、続きからやりますね」


 そう言って、俺は今やっている七並べを再開した。その試合は、最初にドラグノフが置く所が無くなりパスを2回とも使い切り敗退し、続いてアーリンが負け残りは俺とゴレ助となった。

 ゴレ助は普段、アーリンや姉さん達ともカードゲームをずっとしていて膨大なデータを蓄積した事で今では俺といい試合を繰り広げる所まで成長していた。


「ふぅ~……何とか勝てた」


「……」


 負けたゴレ助は悔しそうな表情を作り俺の方を見て来る。こんな芸当まで出来る程、考える事が出来るゴーレムは見た事が無いわとアーリンから言われたが俺もゴーレムが表情を作る何て芸当するとは思ってもいなかったと同意見だ。


「ふむふむ、見てるだけでもかなり面白そうだな」


「ふむ、主もこの面白さが分かるのかならば主も参戦をすると良い人数が多ければ多い程面白いからの」


 ドラグノフがそう言うと、ガルドさんも入れてカードを配りもう一度、七並べする事にした。それから数試合行った頃、アリス達が揃ってクランハウスに着いたのでトランプを止めてテーブルの上を片付けて話し合いが出来る状態にした。

 そして昨日の続きを少し話した後、クランとして使うお金を増やす為に三組に分けてお金を稼ぐ事を提案した。


「まず、ルーシェ達三人は下手にバラすより一緒に居た方が良いからまず一組目は〝ルーシェ・ルーネ・アンネ〟の三人だ」


「「「はい」」」


 一組目に選抜されたルーシェ達が返事をすると、ガルドさんから「まっ、そりゃそうだろうな」と言った。


「次にアリスとミケ、二人はガルドさんと一緒の組だ」


「えっ? それだと、クリフ君が一人になるよ?」


「クリフ君、一人でやるの?」


 俺の言葉を聞いたアリスとミケがそう聞くと、その後ろに立っていたガルドさんから「アリス、ミケ。よく考えて見ろ、クリフが何で態々自分の従魔を連れてるのか」と言うとアリス達は「あっ」と声を出す。


「うん、ガルドさんの言う通り今回、俺はドラグノフとアーリン。それとゴレ助と一緒に依頼を受ける事にした。別に皆と依頼を受けたくないって訳では無く、こっちの方が効率が良いからだ」


 そう言うと、ルーネから「まあ、私達とクリフ君の差もあるしその方が理に適ってるもんね」と言われて皆も納得した様子だった。


「それじゃ、これから10日間別行動でそれぞれ依頼や既に突破している迷宮で素材を集めて換金したりして、お金を稼いでくれ」


「「「はい!」」」


「おう!」


 そう言って皆は、一緒に建物を出てダンジョンに行く組とギルトに行く組で別れて出て行った。残った俺は、ギルドに行った組の邪魔はしない為にドラグノフに乗り以前、毒竜討伐で一度行った事があるダルトスの街へと向かった。

 以前より早くなったドラグノフに加え、アーリンも補助魔法が的確に行った結果直ぐにダルトスの街に着いた。


「く、クリフ君ッ!?」


 ダルトスの街の門に降りると以前、来た際に爺ちゃんらサインを貰っていたラブル・ドラーナさんが慌てて俺に近づいてきた。


「あっ、どうもラブルさん。これから数日間、こちらにお邪魔する事になりましたので、よろしくおねがいします」


「あっ、はい、よろしくおねがいします」


 驚いているラブルさんにそう言って俺は、門番さんにギルドカードを渡して街への入る許可を貰いダルトスの街の中に入って行った。

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