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第148話


 準備を始めて数日後、ダンジョンへ潜る為に工房に出していた装備の点検が終わったとギルドへ工房の方から連絡が入っていて俺達は自分達の武器を取りに工房へ向かった。そして、武器と防具を受け取った後、アリス達に「明日、ダンジョンに潜ろう」と言って解散した。

 次の日、いつもの様にギルド前でアリス達と合流し建物の中に入った。レインさんの受付に行き、ダンジョンに潜る事を伝え第二のタンジョン【べルーマ】へ向かった。


「楽しみだね~、魔物とか変わってるのかな?」


「一応、調べてみたけど中の魔物も少し変わっててホブゴブリンや進化後ウルフが普通に湧いてて、ボスモンスターも結構強くなってるみたいだよ。今回は、攻略じゃなくて何処まで行けるかの検証だから無理せず頑張ろう」


「「は~い」」


 目的地のダンジョンの入口に着くと、何組かの冒険者が中へ入って行くのが見えた。俺達もダンジョンの入口に行き、警備をしている兵士さんにカードを見せて中に入った。


「……中って変わらないんだね」


「そうだな、何か見た感じ前と同じ感じだな……」


「そうですね。あっ、少し先の通路から数匹の魔物が来ます」


 ダンジョンに入った感想を言っていると、先に魔物を察知したミケが俺達に警戒する様に言った。今回、俺とアリスが前衛でミケが後衛をする陣形になっている。

 ミケが察知した魔物へ近づいて行くと、そこにはゴブリンの倍くらいの体をしたホブゴブリンが3体歩いて来ていた。自分とアリスに強化魔法を掛け、ホブゴブリンへ攻撃を仕掛けた。


「ゴブゥ!」


 先手を取った俺達は、一匹目を簡単に倒し残り2体も首を飛ばし楽に倒せた。約一カ月の間、俺も自分なりにステータスを上げてきたがアリス達も一カ月前より格段に強くなって帰って来ていた。最初の敵の察知能力も俺より、ミケの方が早く敵を察知していた。


「二人共、本当に強くなって帰って来たな」


「えへへ、前みたくクリフ君だけに無茶はさせれないしね」


 アリスは笑いながらそう言った。その後、倒したホブゴブリンの死体を回収した俺達はダンジョンを進み下に降りる階段を探した。そして、ダンジョンに入って3時間経った頃俺達は、現在10階層に来ていた。下に降りる毎に魔物も強くなってきていて9層目の魔物も魔法を使って俺達の連携を崩したりと段々強くなってきてるのが実感できる。

 そして、今は10層目の休憩スペースで昼食を取っていた。昼食は、醤油で味付けした〝オーク肉の醤油炒め〟と白米を食べることにした。


 3時間移動しっぱなしで魔物も狩り続けていた俺達は、一口食べるといつもはお喋りしながら食べていたが、今日はパクパクと何も喋らず食事を取った。


「ん~、美味しかった~」


「クリフ君。このお肉の味付けってどうしたんですか? 初めての味で驚きました」


「これはね、竜の里って言うちょっと遠い所にある里で売ってる〝醤油〟という物で色んな料理に使える調味料なんだよ」


 そう言ってアイテムボックスから醤油が入った瓶を取り出した。ミケは、醤油に興味津々で「ミケって料理するの?」と聞いた。


「えっと、はい……お母さんに最近、習ってるんです。前のダンジョンの時もクリフ君に任せっぱなしだったので私もと思って……でも、アリスちゃんのが料理上手いんですよ?」


「えっ? アリス、料理出来る様になったのか?!」


「ちょ、ちょっとミケちゃん! まだ、言わないでって言ったじゃん……」


 あれはまだ俺達が学生時代の頃、料理をする授業があり生徒1人1人で料理を作ると言うのがあり、その日のテーマが〝スープ〟だった。俺は、普通に鶏肉のスープを作って合格して他の生徒の料理を見てた時、アリスの料理を見るとスープなのはスープなのだが、見た目が真っ黒で「食べれるのか?」と心配に思っていると、アリスがそれを先生の所に持って行き先生は涙目になりながら食べた。

 すると先生は気を失いぶっ倒れその日の授業は終わった。それから、アリスには絶対に料理をさせないとなった。


「なあ、ミケ。アリスの料理食べた事あるのか?」


「はい、クリフ君がいない時に作ってもらいました。美味しかったですよ?」


「そうなのか、なあアリス俺にも作ってくれないか?」


「いやだ! まだ、クリフ君は食べちゃダメ」


 アリスはそう言うと、プイッと俺達の方から顔を背けその後何を言っても口をきいてくれなかった。

新作を投稿しました。よければそちらも読んでみてください。

名前はまだ無い、異世界転生者の物語:https://ncode.syosetu.com/n8643en/

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