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第134話


 とうとう、この日が来てしまったか……今、俺は王都冒険者ギルドのギルド長室前にレインさんと一緒に来て、今レインさんが部屋をノックし扉を開けた。

 何故、俺がこの場所に居るか? それは、朝ギルドにいつもの様に来るとレインさんから「クリフ様、すみませんがギルド長から〝2つ名〟の件で連れて来てくれと頼まれておりまして……」と言われ、俺は何かを察しレインさんと大人しくギルド長が待つ部屋に向かった。


「来たようだね。クリフ君」


「はい……あの、今日呼ばれたのって……」


「レインから聞いていると思うけど〝2つ名〟の件で呼んだんだよ。あっ、レインは仕事に戻って良いよ」


 ノーマンさんからそう言われたレインさんは「はい」と言って部屋から出て行った。


「それで、話の続きなんだけど……実は、まだ〝2つ名〟は決まってないんだよ」


「えっ?! 本当ですかッ!」


「う、嬉しそうだね……」


 俺はノーマンさんから告げられた真実に嬉しさを体で表現する様に腕を上げた。


「いや~、クリフ君って冒険者登録してまだ日が浅いから功績という功績が今の所【毒竜】の討伐しかないんだよ。それで、今〝2つ名〟を決めるってなると【~のドラゴンバスター】とか【滅竜~】って言う。在り来たりな〝2つ名〟になってしまうんだよね」


「それは、嫌ですね」


「うん、そう思ったから今回、一旦保留にしてクリフ君が今後の冒険者活動で功績を上げた後、クリフ君に相応しい〝2つ名〟を考えるって言う事で良いかな?」


「……どうせ、ならなくて……いえ、はい、そうですね。そうしましょう」


 机の引き出しから【ドラゴンバスター】という紙をチラッと見せたノーマンさんに即座に言いたかったことを言わず、ノーマンさんの言葉に了承した。


「それじゃ、クリフ君。クリムさんとリグル様には、そう伝えて貰えるかな?」


「はい、分かりました。ちゃんと伝えておきます。それじゃ、失礼しました」


 俺はギルド長室から出て一階に降りると知り合いの冒険者から「2つ名決まったか?」と聞かれた。


「いえ、まだ冒険者になって日が浅いのでもう少し実績を積んでから再度決めるという形になりました」


 そう言うと、「確かに、クリフ君。まだ登録して1年も経って無いからな~」と言って仲間の所へ帰って行った。その後、レインさんには一応、ノーマンさんから言われた事を伝え今日は家に帰ると言った。

 家に帰ってきた俺は、書斎にいる父さんの所へ向かった。


「父さん、入るよ~」


 そう言って、部屋の中に入ると父さんと爺ちゃんが居て、2人で本を読んでいた。父さんに「あれ? クリフ、もう帰って来たの?」と言われた俺は、ギルドでノーマンさんから言われた事を伝えた。


「……確かに、クリフはまだ実績がそんなに無いから決めるにも決めれないか……義父さん、惜しかったですね」


「戦争の時の映像を魔道具で撮影しておけば良かったのう。そうすれば、何かしら儂らの様な名前が付いたのに……惜しかった」


「この父親と爺は……まあ、とにかく俺はまだそっちの仲間には入ら無かったと言う事で……それで、父さん達は何を読んでるの?」


「これか? 最近、クリフがゴーレム作成に熱が入っておったから儂等も何か協力できること無いか、今まで作成した本の中から活用できそうな物をさがしておったんじゃよ」


 爺ちゃんは、照れくさそうにそう言った。父さんも「やっと、仕事に一段落がついて子供の為に少しは何かしてやりたいと思ってね」と照れ臭そうに言った。

 その後、俺も一緒になって本を読んでいるとゴーレム作成には関係ないが魔石に関しての本を見つけ呼んでみた。


「魔石って、魔石同士で強化出来るんだ」


「うむ、魔石については余り調べつくされておらんが、魔石同士を組み合わせて強化する事は出来るぞ、じゃが失敗もしたり強化するのに数が必要になる」


「そうなんだ。う~ん、じゃあダンジョンで取れた魔石売らずにちょっと溜めて魔石を強化を試してみようかな、慣れたらゴレ助の魔石を強化してみよう」


 ゴレ助の強化に使えそうな事を思いついた俺は、その後も本を読み続け他にも使えそうなことが有り父さんに紙を貰って書いて行った。


すみません、腹痛の為遅れました+文字数少なめです。

新作を投稿しました。よければそちらも読んでみてください。

名前はまだ無い、異世界転生者の物語:https://ncode.syosetu.com/n8643en/

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