第133話
ドラグノフ達が居る地下室の扉の前まで移動してきた俺達は、扉を開け中に入った。部屋の中ではドラグノフとアーリン、それと人型タイプのゴーレムにゴレ助が一緒にトランプをやっていた。
「ドラグノフ、アーリンちょっと手止めてくれるか? 俺の友達を紹介するから」
そう言って、トランプをしていたドラグノフ達を俺達の方へ向けさせた。そして、軽くミケの事を紹介し、ミケにもドラグノフ達の事を紹介した。
「えっ? ドラグノフさんって竜なの?」
「そうだよ。俺も最初会った時はビックリしたけど、竜の姿だけは迫力が凄いから」
「クリフ、迫力だけとは何だ。我は、見掛け倒しの竜では無いぞ」
俺の言葉にドラグノフが反論したが、アーリンも「そうよ。ドラグノフ、見た目だけは凄いから」と言い2人は喧嘩を始めた。
「……やっぱり、クリフ君凄いな~、竜さんに妖精さんを仲間にするなんて」
「成り行き上、仲間になった感じだけどね。まあ、結構強いから今後もダンジョン探索とかでは一緒になると思うから、仲良くしてくれ……いいかな、ドラグノフ、アーリン」
「うむ、クリフの友なら我も力を貸そう」
「私も、女の子同士仲良くしましょうね」
ドラグノフとアーリンの紹介が終わり、椅子に座ったままのゴレ助に「それから、出て来てくれ」と言うといつもの様に頭部からちっちゃなゴーレムが出て来て、俺の肩に飛び乗った。
「ミケ、最後にこいつの紹介をするね。名前は、ゴレ助。見ての通りゴーレムで俺が作った物なんだ」
「よろしくね。ゴレ助ちゃん」
ゴレ助の頭をミケが撫でると、クネクネと体を動かせ喜んでいる様子だった。
「……さてと、紹介が終わったけど何をしようか」
「んっ? 何も決まってないのなら、トランプはどうだ? 我とアーリンも多少強くなっておるし、ゴレ助も出来る様になっておるぞ」
「ん~、じゃあトランプで良いか、ミケ最初は俺が説明しながら教えるから、やってみるか?」
「さっきのだよね? うん、教えて」
その後、ミケにトランプのゲームの1つババ抜きを教え一緒に遊んだ。中々に物覚えが良いミケは一瞬にしてルールを理解し、目線での誘導を使い始めたりと強敵に直ぐになった。
そして、結構長く遊んだなと思い体内時計で時間を見ると既に夕方になっていた。
「ミケ、もう陽が落ちてる時間になってるみたいだ」
「もう? 時間が経った気がしないね。このゲーム、面白かったな~」
「気に入ったなら、明日もするか? アリスが戻ってくるまでは遠出とかダンジョン探索は行かない予定にしてるから」
「うん、それじゃ明日もトランプしよう!」
玄関までミケと一緒に行くと、外は結構外が暗くなっていたのでギルドの近くまで送って行った。
家に帰ってきた俺は、夕食を食べ先に部屋に戻っていたドラグノフ達と少しトランプで遊び、眠りについた。
次の日、朝早く起きた俺は寝間着から普段着に着替え胸ポケットにゴレ助を入れ【空歩】で裏庭に出た。
「よし、今日も朝食までの時間、ゴーレムの練習するぞ~」
意気込んでそう言うと、胸ポケットに入っているゴレ助も腕を上げ張り切っている様子だった。
そして、俺は初日から少し考えていたあるゴーレムを作り出した。
「……出来た。見て目は、ドラゴンそのものだな」
俺が作ったゴーレム、それは〝ドラゴンゴーレム〟だった。まあ、見て目がドラゴンの銅像の様な物だが、俺にはどんなゴーレムも操るゴレ助が居る。
早速、ドラゴンの頭部にゴレ助を置き中に入ってもらうと翼をバサンッと動かし宙に少し浮いた。
「よしッ、段一段階成功だな……ゴレ助、そのまま上空に飛んでいけるか試してくれ」
そう言うと、ゴレ助が入ったドラゴンゴーレムが空へ飛ぼうとして翼を動かした瞬間「ビキッ」と音と共にゴーレムに亀裂が入り粉々になり、ゴレ助が上空から落ちて来た。
「ゴレ助ッ!」
地面にぶつかる前に滑り込んでゴレ助を手でキャッチをした俺は「ごめんな、危険な思いさせて」とゴレ助に謝り粉々になった土を地面に戻し、服に付いた土を祓った。
「……今日は、ドラゴンは止めて跳ね話動かす動物とかのゴーレムで練習させるか」
一気に進めても失敗するだけだと思い知った俺は、鳥ゴーレムを作り低空で羽の動かし方をゴレ助に覚えさせることにした。
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