第128話
次の日、いつもと変わらない時間帯に起き寝間着から普段着に着替え窓を開けて裏庭に降りた。
「さてと、昨日見た通り土と闇を取りあえず自力で5レベルまで持って行くかその為には練習あるのみだな」
そう言って、取りあえずレベルが低い闇の魔法の練習を始めた。闇の属性魔法は、結構カッコいいのだが他の魔法のが実践的で余り今迄使ってこなかった。
「この黒い炎とかめっちゃカッコイイんだけど、そんなに殺傷能力がある訳でもないし、炎なら火属性の魔法のがレベルも威力も高いからそっちを使うんだよな……」
爺ちゃんの本でも「闇は余り好まれて使われていない」と書かれていた。土魔法の場合、土壁とか穴を作る時には役立つけど攻撃魔法としては余り使われない。
「と言うよりも、土魔法で攻撃するより氷魔法のが強いしな……全属性合っても、こうやって威力が高い方や使いやすい方を使うから意味が無いんだろうな」
そう思いながら朝食の時間まで魔法の練習をした。
最近の朝食は、俺が持って帰って来た米を炊き白ご飯に合うようなおかずを料理人の人達が日々色んなアレンジレシピを考案したりして勉強している。今日の朝食のメニューは白米と野菜のスープ、肉の塩炒めとなっていた。
「ねぇねぇ、クリフ君の【2つ名】っていつ決まるの?」
「そう言えば僕も知らないかな? お母さん、【2つ名】って大体どの位で決まるの?」
「そうね。私達の時はいつの間にか呼ばれてたから、期間的には分からないけど大体3.4日位の間でギルドで会議で決まるわね。まあ、私達の【2つ名】は戦争の合間に決まった物だから、少しおかしいけどクリフちゅんのはここまでおかしい物にはならないと思うわよ」
そう言いながら最後に「ちゃんと、ノーマンにも言ってるわよ」と笑って言った。その言葉に父さんと爺ちゃんがビクッとしたが気にせず、姉さんとの会話に戻った。
「そう言えば、クリフ君。クリフ君って学校のパーティーに来る?」
「う~ん、もう僕は学生じゃないから行かないよ。それに多分、そろそろパーティーメンバーだった友達も戻ってくる時期だから、先に戻って来てる友達とダンジョンに行く準備をしようかなって思ってるから」
「そうなんだ。残念だな~」
「私もクリフ君と踊りたかったな~」
姉さん達は俺に悲しい顔をしながら見られたが、パーティーに行って姉さん達と踊るなんて事をしたら又、学生時代のあの目線が気になって踊りに集中できない。
その後、「それじゃ、そろそろ僕出掛けるね」と言ってリビングを出て行き家を出た。
「昨日の今日だし、ミケはまだ来ないだろうな……一応、ギルドに行って見るか」
ギルドに到着し中に入ると顔見知りの冒険者の人達から「クリフ君、もうCランクかおめでとう」「抜かれちまったな~、頑張れよ」と祝いの言葉と応援をしてくれた。
「クリフ、もうCランクなんだな」
「ガルドさん、おはようございます。はい、昨日でCランクになりました。ガルドさんとの差1つ縮まりましたね」
「そうだな、俺も頑張んないとな……」
俺とガルドさんが喋っていると受付の方からレインさんに俺達2人が呼ばれ、受付に行くと「この間の薬草の鑑定が終わりましたので報酬になります」と言って硬貨を渡された。それを俺達は、俺の方が多く集めていた分少し多めに受け取り残りをガルドさんと分けた。
「クリフ、この後何か用事とかあるか?」
「う~ん、無いかな? 今日もただ暇つぶしにギルドに来た位だったから」
「なら、一緒依頼受けないか? 丁度、良い感じの依頼さっき見つけたんだよ」
そう言ってガルドさんが誘った依頼の内容は【オークの群れの討伐】と書かれていた。
「このオーク狩り、報酬も良いし食堂の割引券も貰えるんだ」
「割引券は余り興味ないけど、オークはまだ戦った事無いから丁度いいかな、良いよ。一緒に受けよう」
そう言うとガルドさんは意気揚々と受付に行って、依頼を受けて来た。今日はドラグノフ達が居ないので俺とガルドさんはオークの群れが居座っている平原に敏捷を強化魔法で強化し移動した。
「おっ、居た居た。あれがオークだ。図体がデカい分、力も強い。更にあの見た目だが直線状でのスピードは馬鹿に出来ないから、逃げるなら左右に動きながらってのは常識だ」
「成程、魔法耐性とかどの位あるんですか?」
「余り無いが水には耐性を持ってるから、水以外の魔法が有効だな」
ガルドさんからオークの情報を聞いた後、「それじゃ、オーク狩り始めか」と言って斧を抜いたガルドさんは【鬼人化】の詠唱を行った。俺も強化魔法で自分とガルドさんを強化し、片手剣を抜きオークへ突撃した。
新作を投稿しました。よければそちらも読んでみてください。
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