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第127話


 父さん達の説教が終わったようで母さん達と死にかけている父さん達が戻って来た。その間に俺は姉さん達と先に夕飯を食べ終わっていたので、先に部屋に戻りリビングを出る時に父さん達に「地下室で待ってるから」と言って出て行った。

 地下室に移動した俺は自分達で改装した部屋に入るとドラグノフとアーリンがまだリバーシーをやっていたのを見て「こんな時間までやっていたのか」と驚いた。


「あら、クリフ君。どうしたの?」


「いや父さん達と里の温泉に行く約束してたから、待ち合わせ場所としてここを使ったから先に来たんだが、アーリン達まだやってたんだな」


「温泉に行くの? なら、私達も行っていいかしら? ずっと、これやってて流石に疲れたわ」


「良いけど、ドラグノフはどうしたんだ?」


 先程からアーリンと会話しているのだがアーリンの向かい側に座っているドラグノフがリバーシーの盤面をずっと見たまま固まっていた。


「ドラグノフ、10連敗してさっきからずっと固まってるのよ。ドラグノフって毎回同じような手で来るから何回も続けてやってたら勝ちやすいのよね」


「そうだろうな、俺と50戦以上した時も殆ど同じような手だったからずっと勝ち続けてたんだよ」


「それで最後は自分の身を賭けたんでしょ? これで良く今迄リグルに勝ててたわよね」


 そう言えば、爺ちゃんにはドラグノフ勝っていたと言っていたな……まあ、爺ちゃん戦闘狂だし戦闘以外駄目なのかもしれないな


「まあ、ドラグノフは良いとしてアーリン強くなってるか俺と勝負するか?」


「あら、良いわよ。私も腕が上がったか確かめたかったのよ」


「それじゃ、三本勝負で行くか」


 その後、ドラグノフを地下の仮眠用として置いているソファー移動させアーリンとリバーシーをやっている事になった。ここ数日、練習をずっとしていたアーリンは前より格段に腕が上がっている様で初戦は負けてしまった。次の対決では最初からアーリンの手に警戒し、難なく勝つことが出来た。


「~やっぱり、クリフ君。強いな」


「アーリンも結構、腕を上げてるね。俺も結構、焦ったよ」


 そして最後の三戦目、互いに本気を出して勝負に挑んだ結果数個差で俺がギリギリ勝つことが出来た。


「ふぅ、こんなに本気を出したの初めてだよ。アーリン、俺が今迄戦ってきた中で一番強いよ」


「それは嬉しいけど、結局負けちゃったな~」


 今迄戦ってきた中でと言ったが、俺は大会とかに出てた訳でもなくただの親戚のおじちゃん達としかやった事無いがその中でアーリンが一番強かった。

 その後、盤面の石を片付けていると爺ちゃん達が夕飯を食べ終わり地下室に来た。


「なんじゃ、クリフ。それをやっていたのか?」


「うん、暇つぶしにね。温泉行くならドラグノフも起こそうかな、ドラグノフ起きろ~」


 ソファで横になっていたドラグノフの体を揺らし起こすとドラグノフは「クリフ、それにリグルも来ていたのか」と言って起き上がった。


「今から、里の温泉に行くけどドラグノフはどうする?」


「うむ……我も行こう。特訓で疲れたしな」


「それじゃ、皆行くと言う事で俺に掴まって」


 皆が俺に掴まったのを確認した俺はレドルの杖を使い、竜の里へ転移した。そして、爺ちゃん達を連れて倉庫の外に出た。


「ここがドラグノフの里か」


「どうだ? 凄いだろ、我は何もしてないがな」


「誇る所じゃないけどな、それじゃ温泉に行こうか」


 爺ちゃん達を案内しながら温泉に向かった。温泉に着く間に里の人に会い、ドラグノフに一礼をして離れて行った。


「ここじゃ、ドラグノフは偉い人なんだって実感するんだけど日々の過ごしを見ている分、違和感しか感じないな」


 そう呟くと爺ちゃんとアーリンが笑い、ドラグノフが「違和感とは何だ!」と怒った。そして、温泉の施設に到着した俺達はアーリンだけ女湯の方へ行き男湯へ残ったメンバーで入って行った。

 今日も里の人達が入りに来ていて数回しか来てない俺の事も覚えてくれていた人達も居た。周りの人達に挨拶をしながら服を脱ぎ、浴場の方へ移動した。


「ほ~、良い温泉じゃのう~」


「そうですね。肩の痛みが和らいでいきますよ~」


 と湯船に浸かった父さん達はゆったりとした雰囲気でそう言った。俺とドラグノフも湯船に浸かり、ゆったりとしていると1人の男性が俺達の所へ近づいてきた。


「こんばんわ、クリフ君。ドラグノフ様」


「ドラゴさん、こんばんわです。ドラゴさんも入りに来たんですか?」


「はい、清掃の翌日の温泉はいつもより効能が増しているので私もこの日は欠かさず来てるんですよ。お隣良いですか?」


「はい、どうぞ」


 俺の横に座ったドラゴさんは、「ふぅ~、気持ちいいですね」と言って肩まで浸かった。


「あっ、父さん達に紹介するね。この人はこの里の族長のドラゴさん」


「里の長をしています。ドラゴと申します。よろしくお願いします」


「私は、クリフの父のクリムと申します。よろしくお願いします」


「儂はリグルじゃ、よろしくのう」


 ドラゴさんと父さん達は互いに挨拶をすると「まあ、今は温泉なのでゆっくりとしましょう」とドラゴさんが言い、父さん達も「そうですね」と言ってゆっくりと温泉に浸かった。

 温泉から上がりドラゴさんと一緒に族長の家まで行った後、俺達はレドルの杖を使い家の地下室に戻って来た。戻った後、父さんと爺ちゃんは自分達の部屋に戻り俺達も自分達の部屋に戻りそれぞれのベッドに横になり眠りについた。


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