第123話
家から出てギルド向かっている途中でルーシェ達に会い「もう、帰って来たの?!」と驚かれた。
「うん、もう、毒竜も退治してきて、ダルトスの街で毒で苦しんでた人達も治療して来たから今からギルドに報告に行くんだよ」
「ク、クリフ君。流石に出てって数時間で戻ってくるのは凄すぎるよ……」
とルーシェ達に驚かれながら、皆と一緒にギルドに向かった。ギルドに着くと慌ただしかったギルドは落ち着いていたが戻ってきた俺を見て受付らへんが少し慌ただしくなった。いつもの様にレインさんの受付に移動し、報告書を提出した。
「ク、クリフ様。もう、終わったのですか?」
「はい、毒竜も毒竜の毒に苦しんでいた人たちも治療してきました。報告書もちゃんとダルトスのギルド長の手書きの物ですよ」
そう言うとレインさんは「しょ、少々お待ちください」と言い奥へ消えた。そして戻って来ると「すみません、ギルド長がお呼びの様ですので移動して貰えますか」と言われたのでルーシェ達とはここで別れドラグノフ達と一緒にギルド長室に向かった。
「クリフ君、早い帰りだね。流石と言うべきか、君に頼んで正解だったよ」
ギルド長から感謝と今回の依頼の報酬を受け取った。報酬は金貨20枚と大きな額で驚いてギルド長に聞くと「竜一匹を倒したんだ。それに今回の毒竜は時期的にも最悪な時に出現してもう少し遅かったら街が2.3個壊滅してただろう」と言われた。
「そんなに危険だったんですか?」
「ああ……クリフ君も知ってる通り、今王都や周辺の国から高レベルの冒険者が殆ど居なくなってるのは知ってるよね?」
「はい、最近新しく出来たダンジョンに潜りに行って帰還してきてないってギルドの中で聞いてました」
「そのダンジョン、昨日先発隊が一時帰還してきて情報をギルドに流したのたんだが、どうやらそのダンジョン。今までのダンジョンの中で過去最高に続いているみたいなんだよ」
ギルド長はそのダンジョンの事について詳しく教えてくれた。場所は、王都から北西方面に馬車で10日位の所にある元帝国領の森の中に大きな大樹がありその下にダンジョンが出来ていたのを帝国領を分断する時に各国に知らせて冒険者がダンジョンに挑戦しに行った。
1階層目から普通のゴブリンやスライムといった下位の魔物が続き20層くらいまでは王都の初心者用と変わらないのだが41層目から地形がガラッと変わり、洞窟の様な場所が行き成り森の様な場所に変わったと冒険者が報告した。
「地形が変わるダンジョン……それってよくある物なんですか?」
「いや、地形が変わるダンジョンは極まれだね。それに行き成り洞窟から森に変わるのも聞いた事が無いよ。それに先発隊と冒険者の報告でよれば100層まで潜ったがまだまだ先があるそうなんだ。物資が先に着きて戻って来たと言った冒険者は街で物資を補給した後再度ダンジョンに挑みに行ったとその町にあるギルドから報告書が届いている。その潜りに行った冒険者の中に高ランクの冒険者が多数居て現在、外の魔物への警戒が低くなって今回様な竜の接近に気が付かなかったわけなんだよ」
「ギルド側では何か対策とか考えてるんですか?」
「一応、これまで以上に低ランクの冒険者の育成に力を入れて、戦える者を国と一緒に作って行く方針が決まっているよ」
そう言ったギルド長は「まあ、王都にはSランクの冒険者やクリフ君が居るからまだ安心出来るけどね」と笑って言った。
「成人するまでは王都に居座るつもりなんで、それまでは余り遠出もしないので危険な時があれば戦力として考えていいですよ」
「それは嬉しい報告だよ。クリフ君が王都に居ればリサラさんやリグル様もいるつもりだしね。それにクリフ君の後ろに居る2人も十分リグル様クラスの戦力の様だしね」
ギルド長はドラグノフ達を見てそう言った。等の本人たちは「クリフの敵なら我も手を貸そう」「私もクリフ君の為なら頑張るわ」と言った。そして話も一段落して報告書も報酬も貰ったので出ようと思い立ち上がるとギルド長が「あっ!」と何か思い出したかのように言った。
「クリフ君、今回の特別依頼でCランクにランクアップしてるから受付でギルドカードを更新するようにね」
「あれ? ランクアップって試験が必要なんじゃないんですか?」
「普通はそうなんだけど、クリフ君の相手をしてくれる講師が誰も引き受けてくれないんだよ。クリム様も貴族の仕事で忙しいらしく「引き受けたいのだが、仕事が詰まってて……」と悔しそうに言ってて、高ランクの冒険者はダンジョンに潜りっぱなしで帰ってこないしで中々昇格して上げれなかったけど今回の毒竜の一件でランクアップには相応しい功績を得たから今日からクリフ君は【Cランク】冒険者だよ」
そう言ってギルド長から封筒を渡された。それを受付でギルドカードと一緒に出せばランクアップが出来ると言われた。ギルド長室から出た俺達は受付まで移動しレインさんに封筒とカードを出した。レインさんは「とうとう、Cランクになったんですね」と嬉しそうに言って奥に消え、戻ってくるとCランクと書き換えられたギルカードを渡された。
俺はカードを受け取りドラグノフ達と建物を出た。出る時、レインさんや他の冒険者が何やらこちらを見ているのに違和感を感じたが、どうでも良いかと考え家に向かって歩き出した。
Cランクになったクリフ君、なにかが起きそうな雰囲気?




